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週刊アフリカビジネス712号(2024年9月9日号)
アフリカビジネスパートナーズ
梅本 優香里アフリカビジネスパートナーズ
今月中国・アフリカ協力フォーラム、略称FOCACが北京で開催され、中国がアフリカに507億ドルの投融資を行うことを発表しました。前回は400億ドル、その前は600億ドルだったから少し増えたものの、内訳をよくよくみると安全なところに寄せた内容で、中国ももう大盤振る舞いはできないんだなと感じさせるものでした。金額の不足感を補うかのように対米国、対欧米のアピールはとても強く、自らを途上国として位置づけ、列強の支配に苦しんできたことに共感を示し、アフリカと中国は「グローバルサウスの仲間」であるとして、ともに連携して近代化を成し遂げようというメッセージを強く伝えています。中国の一帯一路構想を「債務の罠」として批判する欧米諸国を、アフリカを子ども扱いする国と非難し、中国は彼らとは違う、とアピールしています。 中国のインフラ投資というのは最近だけの話ではなくて、たとえば1970年代に中国の借款で作られたタンザン鉄道。内陸国のザンビアの銅をタンザニアの港から運ぶために作られ、だから中国も金を貸した。ただ老朽化しており、今回のFOCACではこれを改修することも約束されました。ザンビアと隣国コンゴ民の銅やコバルトは、電動化のいま、これまで以上に貴重な資源となっています。 そうすると米国をはじめとするG7の国々も乗り出してきた。ザンビアもコンゴ民も内陸国で港まで効率的に運んで輸出するには鉄道が必要で、米国は大西洋から、つまりインド洋からアジアに向いているタンザニアとは反対側の、米国側に面したアンゴラのロビト港まで鉄道を敷設しようとしています。中国がタンザン鉄道を改修する動きをみせているので、そのままタンザニアまで結んで、アフリカ横断鉄道をつくってしまおうという案もでています。 というようなニュースをとりあげています。
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アフリカにおける日本企業の動き(2024年8月)
アフリカビジネスパートナーズ
梅本 優香里アフリカビジネスパートナーズ
8月の日本企業の動き。今月は、日野自動車、オーシャンネットワーク エクスプレス ジャパン、豊田通商、サントリー食品インターナショナル、Hakki Africa、オギハラ、住友商事、コマツ、双日、Degasを取り上げました。 サントリーのケニア事業売却のニュース、同社が約10年前にグラクソ・スミスクラインの欧州飲料事業を買収した際、おまけのようについてきたのがアフリカ事業で、南ア、ナイジェリア、ケニアのエナジードリンクと果汁飲料の工場を手に入れました。リンク先の写真に写っているのがその飲料ですが、3カ国のスーパーの棚には必ず並んでおり、悪くないシェアを得ています。ただしこの10年、販促はスーパーに限定され、広告やマーケティングもアフリカにフィットしたものではなかった。日本やアジアで培ってきた販促をアフリカでも同じように展開して、成果がでない事例は、日本企業に非常に多くみられます。とくにサントリーはアフリカ事業をシンガポールの傘下においていました。他のアジアと並べると、アフリカでの売上は物足りない規模だったことと思います。今回ケニア事業を現地消費財メーカーに売却しましたが、この買い手は、日本企業等の商品から学んで競合商品を出すのが得意な企業。一定のシェアを伸ばすことと思います。 オーシャンネットワーク エクスプレスジャパンは、日本のコンテナ連合隊であるONEのこと。モロッコに支店開設です。「アフリカビジネスに関わる日本企業リスト2024年版」にあるように、モロッコはいまや欧州の工場で、日本も自動車部品メーカーが多く工場をもち、欧州から輸入し、欧州等に輸出しています。たとえばワイヤーハーネスは住友電工が8工場、矢崎が8工場を稼働させています。デンソー、ジェイテクト、三井金属アクト、NSK、富士機工と工場を持つ企業は多い。詳細はリストをご覧ください。 ちなみに日系ではないですが、モロッコは米国や欧州と自由貿易協定を結んでいるため、インフレ抑制法により米国市場からはじき出された中国EV部品メーカー等が、トンネル輸出のためいまモロッコに工場をがんがん設立しています。
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週刊アフリカビジネス709号(2024年8月19日号)
アフリカビジネスパートナーズ
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