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原発格納容器の内部 ドローンで調査 「核燃料デブリ」撮影か
NHKニュース
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
福島第一原発1号機の格納容器内部の調査にて、これまで捉えることができなかった核燃料デブリ(と推定されるもの、が現時点での性格な表現)の姿を、マイクロドローンを用いて初めて確認することに成功しました。 この機体は国産ドローンメーカー、Liberaware社製です。 「人が行けない場所へ、人の安全な未来へ」 まさに会社のキャッチコピーを体現した形と言えるでしょう。 個人的にLiberawareの閔社長とは約5年の付き合いがあり、創業のオリジンが2013年の閔社長自身が参加した福島原子力発電所の内部調査にあることを知っています。 当時、GPS電波が届かない屋内で飛行可能な特別なドローンを開発しましたが、機体が大き過ぎて現場で必要とされる細部の調査ができないという問題があったそうです。Liberawareは、このようなアクセスが困難な狭小空間でも安定して飛行できるドローンの開発を目指し、2016年に設立されました。 今回の格納容器内部での飛行成功は、閔社長の長年の夢であったと思います。他人事ながら、私も胸が熱くなりました。 Liberawareのドローンは、自らが発生させる乱流の中でも安定して飛行できる独自の機体制御システムや、ほこりが多い環境でも性能を維持できる防塵対応モーターなど、多くの特許技術を有しています。 ドローン市場が中国メーカーによる寡占状態にある中、国内メーカーもまだ世界市場に進出できる可能性を秘めていることを示す、そんな励みになるニュースですね。
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日本郵便、物流専用ドローン始動 最大積載量アップ
Impress Watch
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
世界のドローン物流分野では、固定翼とマルチコプターを組み合わせたハイブリッド型の機体が主流になっています。このタイプを採用している企業には、Googleの兄弟会社であるWingや、物流ドローンとして世界トップのziplineがあります。 マルチコプター型は、機体と荷物を空中へ持ち上げその状態を維持するためだけでも、絶えず4つ以上のプロペラを回転させ続ける必要があるのに対し、固定翼を持つ機体は翼の揚力を活かしながら飛行が可能です。そのため、固定翼を使った機体の方がエネルギー効率も高く、長時間且つ長距離の飛行が可能となります。 マルチコプター型のドローン物流で成功しているのが、中国深圳の都市部で展開する美団(メイトゥアン)です。固定翼がないため機体が小型化され、都市部における離発着スペースを比較的容易に確保できるのが強みとなっています。またビル風などの影響を受けても、固定翼よりも風に煽られにくく、機体の制御が安全に出来ます。 ACSLは創業から一貫してマルチコプタータイプのドローンを開発し続けています。海外の先行及び成功事例を見ると、ACSLの機体が本当に活躍できるのは、今回の実証のような「レベル3.5」で飛行が許可される過疎地域ではなく、「レベル4」に指定される人口密集地帯だと思います。 ACSLも当然そんなことは分かっており、未来を見据えた投資として機体開発や実証事業を進めているものと思います。しかしながら、足元を固める機体の販売実績が芳しくないため、大変残念なことに今月末で社員の約半数を対象とした早期希望退職を断行しリストラクチャーを図っています。 世界に先駆けてドローンマニュファクチャーとして上場したACSL社は、ドローン業界の多くのスタートアップにとってのバリュエーションを試算するための指標(コンプス)となっています。業界全体が活性化するためにも、ACSLの早期復活が望まれます。 *ちなみに本実証事業のプレスリリースを受けて、本日後場で株価が高騰しています。
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空飛ぶクルマ、救急医療や防災に 宮崎・延岡で試験飛行 - 日本経済新聞
日本経済新聞
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
世界で最も飛行実績のある空飛ぶクルマは、間違いなくこの試験飛行で使用された中国発のEhang社製の機体です。 Ehang社は、2018年に世界で初めて実際の飛行に成功し、翌2019年には米国NASDAQ市場にも上場しています。(株価だけを見ると、決算内容の虚偽申告などが指摘され、暴騰したり急落したりとドラマが多いですが、、、)その後、世界中の様々な都市で積極的に試験飛行を行っています。 私も2019年に深圳のオフィスに訪問した際は、社長が通勤で使っていると聞かされて驚きました。 Ehangの公式YouTubeチャンネルには、実際の飛行映像が多数アップロードされており、海外市場で空飛ぶクルマがどこまで出来ているのかを知るには役立ちます。先週公開された動画では、EVが苦手とする極寒の吹雪の中で、12台の機体を同時に制御する驚異的なパフォーマンスが示されています。 https://www.youtube.com/watch?v=nUTu4_8QznE 各国による空飛ぶクルマへの規制は異なるため、実証実験の実施はその国の事情に大きく左右されます。故に、日本を含む世界の空飛ぶクルマ企業が中国のEhangよりもテクノロジー的に大幅に劣っているということにはならないものの、Ehang社が優れた技術と実績を有していることは明らかです。 しかしながら、その世界でも頭ひとつ抜けた優秀な機体が空飛ぶクルマを目玉コンテンツとする2025年大阪万博では使用されないのは、やはり地政学的な問題が背景にはあるように思います。ちなみに空飛ぶクルマの前哨戦んとも言えるドローン業界を例にとると、市場の8割を中華製のドローンが寡占している中、国内の公共案件では中華製ドローンは敬遠されています。 それにもかかわらず、宮崎県延岡市が救急医療目的で中華製機体を導入し、それにデジタル田園都市国家構想交付金を活用した8億4000万円もの公金を投入するというのは、なんだかダブルスタンダードなのではないかと考えさせられます。
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インドの大富豪家の結婚祝いにザッカーバーグら、米IT長者が集結
Forbes JAPAN
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
アジア一の大富豪であるMukesh Ambaniの末息子であるAnant Ambaniの結婚を祝して、国内外のセレブリティーを招いた盛大なパーティーが開かれ、その驚くべきスケールが話題になっています。 パーティーの様子は本人のInstagramに動画がアップされていますが、とにかくド派手! https://www.instagram.com/p/C4EAbz_SNzC/ Ambani一族はインド最大の財閥であるReliance Industriesのオーナーで、石油やガスをはじめとするエネルギー企業から通信・IT事業、小売やメディア市場まで、インドの様々な産業においてトップの座に君臨しています。そのため、インドに住む人々にとって、リライアンスのロゴを見ない日はないと思います。 世界的にも極めて影響力のある財閥であるため、ゲストリストにはビル・ゲイツやGoogleのピチャイ氏、Metaのザッカーバーグ氏、Morgan StanleyのPick CEO、Black RockのFink CEO、Ivanka Trump氏など、世界中のトップが名を連ねていました。 パーティーでは歌手のリアーナがパフォーマンスをして、900万ドルのギャラを受け取ったとか。こんなに派手なパーティーなのに、まだ婚前パーティーだとか、、 実は私、日本人で数少ないアンバニ一族のご自宅でのホームパーティーにお招きいただいたことがあります。私のいたデリーからムンバイまでの往復は、ファミリー所有のプライベートジェットで送迎していただき、渋滞が酷いことでしられるムンバイの移動も何故かスイスイと進むスムーズな移動でした。 ご自宅のパーティールームでは、ウェルカムドリンクならぬウェルカムダンスで出迎えられ、ボリウッドのダンサーたちが華やかな衣装で踊っていました。その光景にはカルチャーショック以上に理解が追いつきませんでしたが、非常に楽しい思い出です。 その日はちょうどインドの春祭りであるホリー(カラフルな色の付いた粉を投げつけて盛り上がるお祭り)の直後だったため、お庭でホリーを再現してくれてお見送りをしていただきました。 日本のGDPはいよいよ26年にはインドに抜かされると予測されています。インド市場のスケールの大きさを目の当たりにすると、その予測も納得できます。
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ウクライナ軍、M1戦車を早くも1両失う ドローンの「トップアタック」か
Forbes JAPAN
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
報じられているアメリカから提供された戦車(M1A1)は、1991年の湾岸戦争で実践投入されて以来、わずか23機しか破壊されていないとされます。(*1) そのため、昨年末からウクライナで実戦投入されて以来、早々と当該戦車を一機を失ったことは、今後の西側諸国からの軍備支援を前提としたウクライナの防衛を考える上で、非常に大きな意味を持つのではないかと考えます。 一般的に戦闘車両には機密情報が多く含まれており、それが敵国に渡ることを避けるため、必要ならば自爆してでも情報漏洩を防ぐ措置が取られることがあります。過去に破壊された23機のM1A1の中には、敵の手に渡るのを防ぐために自爆したものが2機あったと言われています。 ロシアのウクライナ侵攻においては、連日にわたってドローンによる攻撃が報じられています。これまで数々の戦果を上げてきた米国の戦車が、安価なドローンによる攻撃で大破する事態は非常に深刻だと思われます。M1A1が投入されてから30年以上経過しており、米国防省では既に後継機が標準装備とされているものの、戦場でのパラダイムシフトは著しく進んでおり、早急に対応が迫られているように思えます。 ちなみに、最近はロシアとウクライナの戦車や装甲車には、対ドローン用の妨害電波を発生させるジャマーが車両上部に装備されているそうです。これは過去の戦争では見られなかった光景で、使用されているジャマーはどちらの国も中国製であるとのことで、攻撃用ドローンにしても対ドローン用ジャマーにして、中国依存が大きい状況が発生しています。 米国議会ではウクライナがM1A1を長期にわたり適切に維持管理し運用できるのか、当初から懸念が示されていたそうです。また、ウクライナ兵が機密情報を含む戦車内で動画や写真を撮影し、SNSに投稿する行為も散見されており、これも大きな懸念が表明されています。 *1 軍事に関する専門知識が限られているため、戦闘機の基本情報などはWikipediaなどのオンラインソースに基づいています。
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東北整備局/24年度総合評価実施方針、週休2日証明書の新規発行廃止へ
日刊建設工業新聞
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
人手不足が深刻で長時間労働や休日出勤が恒常化してきた建設業界では、2019年から施工されている「働き方改革関連法案」の時間外労働の上限規制には猶予期間が設けられていましたが、いよいよ2024年4月から施工開始となります。(この対応に各社が追いついておらず、「2024年問題」と言われてしまうのですが、、、) この猶予期間の終了が迫る中、東北整備局は「総合評価方式」(*1)の評価基準を見直し、週休二日制の推進を評価対象から外すと発表しました。これまで、2024年の働き方改革法の施行に先駆けて、労働時間の厳守に資する取り組みを評価してきましたが、これからはそのような取り組みが基本となる時代に移行しているため、この変更は自然な流れと言えます。 今後、「企業の能力等」の評価項目では、優良工事施工者表彰や「インフラDX大賞」「インフラメンテナンス大賞」の受賞実績を新たな加点対象として導入します。また、若手や女性技術者の積極的な活用にも焦点を当て、技術提案評価型S型において「若手技術者(40歳以下)の配置促進」に1点を加算するそうです。 これらの評価基準の見直しにより、「企業の施工実績(海外認定・表彰制度に海外実績を含む)」は9点から7点へ、「工事成績評定点」は6点から5点へ、「事業促進PPPまたはCMの実績」は5点から2点へと配点が調整されます。 *1 「総合評価方式」は、価格だけで評価していた従来の落札方式と違い、品質を 高めるための新しい技術やノウハウといった価格以外の要素を含めて評価する、 新しい落札方式のことです。
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ノルウェーのドローン配送企業Aviantがスキーリゾートに事業を拡大
Forbes JAPAN
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
ノルウェーのドローンスタートアップのAviant社は初耳だったので、自分のメモがてら箇条書きでまとめます。 ⚫︎2020年にMIT出身のLars Erik Fagernæs、Herman Øie Kolden、Bernhard Paus GræsdalがAviantを設立 ⚫︎COVID-19のパンデミックに対応するため、医療物資の配送に焦点を当てた事業を創業初期から開始 ⚫︎病院間の生物学的サンプル輸送から始め、その後商業契約を拡大 ⚫︎日用品のドローン配送サービス専用にKyteというアプリを開発。オーダーはKyteから出来る仕様。 ⚫︎約1.5kgの薬、食料品、食事をサービス圏内なら24分以内に配送 ⚫︎17kmの範囲をカバーし、高風速12メートル/秒、温度が-15°C以下の条件でも厳しい冬の気候にも対応 ⚫︎試験飛行では-26°Cでも飛行経験あり ⚫︎電気自動車より95%少ない二酸化炭素を排出してエコが売り ⚫︎軽量品の輸送であれば車による配送と比較して90%安くなる ⚫︎ドローン配送サービスをリレハンメル郊外に拡大 ⚫︎ノルウェーを超えたサービス展開を計画中 ⚫︎目下の競合はアイルランドのmanna drone delivery ⚫︎資金調達は230万ドル(約3.5億円)をLuminar VenturesとBring Venturesの2社から実施。シードの資金調達ステージ ⚫︎Bring Venturesは取締役にも一名を派遣 ⚫︎累計では300万ドル(約4.5億円)以上の資金を調達しており、直近ではイノベーション・ノルウェーからの公的資金を獲得している 世界で活躍している物流ドローンを見ると、圧倒的にウィンチを使った吊り下げ方が多い印象。日本では林業など重量運搬の領域では吊り下げ型は散見されますが、個宅配送向けだとなぜかウィンチ吊り下げタイプは少ないんですよね。
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「空飛ぶ牛丼」の天敵はカラス?ここまで来たドローン配送の実証実験
Diamond Online
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
記事で取り上げられた、「海外で物流ドローンが配送中にカラスに襲われた事例」については、2021年にGoogleの関連会社のWing社がオーストラリアのキャンベラで実施していたドローン配送サービス中の出来事です。 この事件については、当時の映像が報道されています。(参照:米国ニュースメディアABCのYouTubeより) https://www.youtube.com/watch?v=JRhm0rYFXb4 この事故を受けてWing社は、該当エリアでの配送作業を一時的に停止し、鳥類学の専門家と協力して調査を実施しました。調査により、事故が発生した時期がカラスの繁殖期にあたり、彼らの防御本能が最も強くなる時期だったことが判明。Wing社はこのエリアでヒナの羽化を確認した後に、配送作業を再開しています。*1 ちなみに航空機でバードストライクが発生する統計データによると、500ft (152メートル)以下での発生率が70%と最も高く、この空域は国交省航空局が定めるドローンに使用が一般的に認められる空域(上空150メートル未満)のため、ドローンにも鳥獣被害が起こりうることは想定されないといけないと思います。 航空機におけるバードストライクに関する統計データは、500ft(約152メートル)以下での発生率が70%に達すると言われています。この高度は、ドローンの飛行が一般に許可される150メートル未満の空域と重なります。したがって、ドローン運用時にも鳥獣被害の可能性を考慮する必要があります。 数年先の「空飛ぶクルマ」の社会実装も視野に入れると、こちらは搭乗者の安全に直接関わってくるため、さらに深刻な課題として考えるべきですね。 *1 Wing社のドローン物流の取り組みは下記URLでPickしています 「WalmartとWingがドローン配送事業で連携。Wingがドローン配送で実権を握る第一歩かもしれないというお話」 https://newspicks.com/news/8839270
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宇和島市が最新のドローン修繕に330万円 点検飛行で墜落・破損
愛媛新聞社
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
本年度の最終議会シーズンにあたり、基礎自治体が補助金を活用して導入したドローンの成果報告が散見されます。*1 ドローンは国土交通省航空局の管轄下にある航空機で、事故や重大インシデントが発生した場合、国土交通大臣への報告が義務付けられています。報告義務のある重大インシデントには以下が含まれます: ①航空機との衝突又は接触の恐れがあったと認めた時 ②無人航空機による人の負傷 ③無人航空機の制御が不能となった事態 ④無人航空機が発火した事態 国土交通省の「無人航空機に係る事故等報告一覧」に本件の記載がないことから、機体損傷は単純な操作ミスによるものだと思われます。*2 となると気になってくるのは、事故を引き起こしたオペレーションを宇和島市職員が直接担当していたのか、という点です。 機体(及び罹災証明書発行システム)は宇和島市内の業者から購入されたようですが、該当事業者は自身でのオペレーションをできないことを公言しています。となると、考えられるのは行政職員自らがオペレーションをするか、地域の企業又は個人に委託をするかとなります。 もし前者が事故の原因であれば、市が修繕費用を負担するのは理解できますが、ここまで高価な機体を行政職員が直接操作するのは現実的でしょうか?ドローンの操作には高度なスキルが必要であり、運用体制が属人化すると人事異動などで運用の継続性が損なわれるリスクがあります。 後者の場合、委託を受けた企業や個人の賠償責任や保険の加入状況に疑問が残ります。 このドローン導入の背景には、平成30年の西日本豪雨からの教訓を生かし、南海トラフ地震など将来の大規模災害への対策として考えられています。この取り組みそのものは非常に有意義で公共性が高く、他自治体にも普及する可能性も高いと思います。それだけに、事故に関する情報を共有し、今後のドローンの社会実装のための仕組み作りに役立てることが重要ではないかと思います。 *1 昨日、千葉県勝浦市がデジタル田園都市国家構想交付金を利用して導入したドローン配送サービスが、一年経過しても地域住民からの利用がなかったため、次年度の予算削減が報じられました https://newspicks.com/news/9605015 *2 https://www.mlit.go.jp/common/001585162.pdf
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1年たっても注文ゼロドローン配送、買い物弱者支援目指すも中止へ
毎日新聞
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
NEXT DELIVERYは、西濃運輸とドローン開発スタートアップのエアロネクスト社の共同事業で、その機体は国産ドローンのリーダーであるACSL社との共同開発によるものです。機体もオペレーションも優れているにもかかわらず、ドローンを用いた個宅配送サービスの実需が不足しているのが、現在の日本市場の実情であると言わんばかりのニュースです。 一方、ドローン配送事業関係者ならば、このような状況をある程度予測できたと思われます。ドローン配送の実需とはうらはらに、デジタル田園都市国家構想交付金を活用して社会実装を過度に急いだのではないかと思います。 デジタル田園都市国家構想交付金の補助率は50%。最新の物流ドローンの購入費用(リース?)を歳出の半額以下に抑え、オペレーションの一部を地域人材に委託することで、高価な機体を自治体の負担なしで導入でき、さらには自治体が直接負担する費用を地域の雇用創出に充てることが可能です。(これはあくまで私の推測です)。このスキームであれば、新しいことに意欲的な首長のいる自治体は、ドローン配送を試みてみたくなるのではないでしょうか? 2022年頃から先述した企業が参加する「新スマート物流推進協議会」を通じて、多くの自治体がデジタル田園都市国家構想交付金を利用してドローン物流を開始しています。 国外、特にアメリカのドローン配送事情を見ると、2022年からスーパーチェーンのウォルマートがドローンによる個宅配送サービスを実現しています。現在では180万世帯がドローンでの配送をオーダーから30分以内で受け取れます。この事例はウォルマートだけでなく、Alphabet傘下のWing社や、時価総額6000億円を超えるドローンスタートアップZipline社の取り組みとなっており、ドローン配送の社会実装に大資本が重要な役割を果たしていることを示唆していると思います。 海外の成熟したサービスを日本に導入する可能性があることは認識しつつも、国内産業の空洞化を避け、国内技術を活用したサービスの立ち上げやシステム構築をすることも重要です。ドローン物流の導入はメディアで注目されがちですが、失敗から学ぶことの重要性、税金使用に伴う責任ある検証が必要であると考えます。海外事例を参考にしつつも、国内産業の発展に資するバランスの取れたアプローチが求められます。
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「厚さ30cm必要なのに3cm」和歌山の施工不良トンネル、前代未聞の原因と後始末
産経ニュース
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
本来30cmあるはずの覆工コンクリートの厚さが、わずか3cmしかない状態であるにもかかわらず、工事責任者は「安全性には問題がないと思っていた」と調査時に述べたそうです。 土木業界は深刻な人手不足に直面しており、近年の資材の高騰も相まって、予算や納期の管理には大きなプレッシャーがかかっています。今年から建設業にも働き方改革関連の法律が適用され、更なる変化が求められていますが、現場の厳しい状況を理解しつつも、インフラを担う者として利用者の安全は最優先であるべきということは明白です。 特に、今回問題となった八郎山トンネルは、地震などの災害時に海沿いの国道42号線の迂回路として活用されることを目的として建設が開始された重要なプロジェクトです。有事の際にはライフラインを支えるインフラが最も信頼できるものでなければなりません。 9名の命を奪った笹子トンネルの崩落事故を契機に、全国のトンネルや橋梁には5年ごとの定期点検が義務付けられました。2014年の施行から今年で10年が経過し、この制度が形骸化せず、安全に対する意識が薄れることなく維持される必要があります。 ちなみに、八郎山トンネルで採用された工法については、国土交通省中部地方整備局北勢国道事務所がYouTubeでわかりやすく紹介しています。通常は見ることができない工事現場の様子を、分かりやすく公開しているので、ぜひご覧ください。 https://youtu.be/GU-gONha2pE?si=njdjSVlOqo7htume
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Vol.74 実証が進むAEDドローンの有効性[小林啓倫のドローン最前線]
DRONE.jp
伊藤 英ベイシスコンサルティング ドローンエキスパート
中山間地域が多い日本においては、ドローンでAEDを運ぶことは非常に有効なのではないかと思います。昨年末の法改正でレベル3.5飛行(過疎地域におけるドローン飛行の自由度を高めた法令)が解禁された今、個人的には一番実証テーマにしたいトピックのひとつです。 今回の記事ではスウェーデンの取り組みが特集されていますが、世界を見渡すとアメリカやカナダでも多くの先行した研究があり、そのどれもがドローンによるAED配送が有効であるという答えになっています。 世界でも年間約380万件のOHCA (院外心停止)が発生しており、日本でもその数字は約12万件に上るそうです。心肺停止から除細動までの時間が1分遅れるごとに生存率は約10%低下し、AEDを使用することで生存率が2倍になると言われています。 日本をはじめ多くの国々でOHCA の生存率を高めるためにAEDが公共の場に設置されてきたのですが、この生存率の全体的な割合は過去 10 年間でほとんど改善されていません。その理由としては、公共の場所に設置されたAEDが近くにある場合でも、いざ必要になった際に設置場所がわからずアクセスできなかったり、不適切に保守されていたりすることがあげられます。また、OHCAが多発する場所は住宅地というデータがあるものの、住宅地にはAEDがあまり設置されていないという事情もあります。 そのため、AEDをもっとも早く必要な場所へ届ける機動的アクションこそが、OHCAの更なる生存率を高めるためには必要なのではないかと考えます。 日本でもレベル3.5の開始と、ドローンの運航管理システムの普及により、既にテクノロジー的には社会実装可能なレベルになってきていると思います。あとは実装の仕組み作りのために、導入やランニングのためのコスト算出、費用負担者とサービス提供者が誰になるのか、実際に使用する際のワークフローの検証など、いろいろと検証したいことがあります。
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