国際政治は、人生を左右する

2022年2月21日
全体に公開

皆さん、はじめまして!「世界のニュースをめっちゃ基礎から学ぶ部屋」を覗いていただき、ありがとうございます。

この部屋のテーマはトピック名の通り、国際政治です。世界は数多のニュースで溢れかえっていて、情報量もとても多くなっています。

色々な見出しが流れてきても、正直中身はよく分からないという人も多いと思います。今のウクライナ危機だって、なんでこんな事になってしまっているかは、案外各社の報道からスルーされています。

だからこそ、この部屋では敢えてそうしたニュースの基礎の基礎にフォーカスします。

このトピックを購読していただいた方は、同じニュースを読んでもそれまでよりも1.5倍ちゃんとニュースを理解できる。そんなコンテンツを目指します!

そして常に「カイゼン」も募集したく思います。わかりにくかったり、読みにくかったりしたらどしどし突っ込んでください!みなさんのご意見を吸収し、より良いコンテンツにしていきます。

さて、初回の今回は、僕がなぜ国際情勢が大切だと思うかを書いてみたいと思います。

その前に簡単に自己紹介だけ。

筆者はNewsPicks編集部で記者をしています。前職はNHKで、4年間記者をした後に2019年にNPに加わりました。ふだんは国際情勢や自動車業界の動向を追いかけています。

直近では、こんな動画を出しました。

【動画解説】複雑な「ウクライナ情勢」を短時間で理解しよう

サダム・フセインがいなければ、僕もいなかったかもしれない

さて、本題に入りたいと思います。

皆さんはニュースを見る時、どんなジャンルのものを多く読むでしょうか。ビジネスの動向を伝える経済ニュースや事件・事故といった社会面のニュースは身近でもあるため「自分ごと」と感じることが多いかもしれません。

一方で国際情勢は、なかなか遠いと感じるかもしれません。例えばロシアとウクライナの問題も、自分との関わりは見出しづらい部分もあります。

Anadolu Agency / 寄稿者

ただ、このウクライナ問題を巡って、僕にはすごく気になる数字があるのです。

ロシアが侵攻が起きた場合、ウクライナにどれくらいの被害が出るかという試算です。5万人が死亡し、500万人が家を追われる、というものです。

こうした数字を聞くたびに、僕は自分自身の生い立ちと重ねてしまいます。

僕の父親はイラン出身で、20代の頃は普通にイランの石油系の会社で働いていました。

そんな20代のとき、イランでは敬虔なイスラム教徒の人たちが中心になって「イランを、世俗的ではない、イスラム教中心の国に作り変えよう!」というムーブメントが起きます。

彼らは外国で反体制活動していたホメイニ師を祭り上げ、あっという間に政権を転覆。イラン革命が成立します。

するとこの動きに隣国イラクの暴君、サダム・フセインが反応。急に体制が変わったイランを警戒し、戦争を始めたのです。それがイラン・イラク戦争です。

この戦争は化学兵器の使用あり、政治犯の1000人単位での殺戮ありと、地獄のような状況で8年間続きました。

武装するイラン人女性。国民総出の戦争です。(Keystone / スタッフ)

僕の父親はイラクとの国境付近出身だったので、まさにサダム・フセイン率いるイラク軍と、「聖戦(ジハード、ペルシャ語ではシャヒード)」を掲げるイランとの、まさに主戦場でした。町ごと焼いて土と化すような悲惨さでした。

それで生活基盤を失った父は日本に渡ります。もちろん、持ち物すら殆どないような感じだったそうです。そうしてイラン革命から13年後に僕が生まれたのです。

ある意味、ホメイニが革命を起こし、サダム・フセインという暴君が戦争を起こさなければ、この記事を書いている私もいなかったかもしれません。

そう思うといつも、不思議な感覚になります。

プーチンは、トラよりも厄介

自分の生い立ちに関する話が長くなってしまいました。言いたいことは「苛政は虎よりも猛し」ということです。

悪い政治は人を食い殺すトラよりもたちが悪い、という意味です。サッダームやプーチンのような暴君は、簡単に人の人生を変えてしまいます。

「ウクライナで難民500万人」とニュースで聞くだけでは、あまりピンとは来ないかもしれません。

ただ、幸せだったかもしれない500万人の人の人生が、一瞬にして破壊される危機がすぐそこにあることをお伝えしたいです。

僕の父親がそうだったように、ウクライナでももし戦争が起きれば「難民」と認定される500万人とは別に、生活をめちゃくちゃにされる人が大量に出てしまう。

そして、世界の情勢というのは常にリンクしています。

世界の遠くで起きる、自分とは関係ないと思っていた危機も巡り巡って半年後、1年後、5年後に日本の危機となって立ち現れるかもしれません。世界規模の戦争というのはそうして起こってきました。

僕自身、このトピックを通じて世界のあらゆるニュースへの理解を深めていきたいと思います。そして読んで頂く皆さんが海の向こうの出来事に思いを馳せる一助になれればと考えています。

改めて、これからよろしくお願いします!
(追記:近いうちにロシア・ウクライナ問題の基礎を解説します!ぜひご覧ください)

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