【温故知新】誰でも古典が読める3つの方法
古典が読みたいと思っていても、難しいと思い、読むのをためらってはいないでしょうか。
確かに古典を読むのは難しく感じますが、ちょっとした工夫で読めるようになります。古典が自分で読めるようになったら素敵ではないでしょうか。
今回のこの記事では、「誰でも古典が読める3つの方法」についてお伝えします。
方法1:脳にレ点を打ちまくる(=メモを取らない)
古典を読むときは、メモは一切とりません。「これは」と思うところに付箋を貼ります。読むスピードを落とさず、いったん、読み通すためです。こんなので大丈夫かと思われるかもしれませんが、大まかな内容は覚えているものです。
ずっと前から執筆者(中崎)はこの方法で読書してきました。奇しくも、元コンサルタントの内田和成氏も、同じ読み方をなさっているようです。
では、読み終わった本をどうするかというと、取り立てて何かするわけではない。気になるページのコピーを取ったり、ワープロで打ち直したり、スキャンしてデータベース化する、というようなこともほとんどしない。
要は、そのときペンを使って印をつける、あるいは付箋をつけるという行為そのものが大事だと考えているのだ。そうすることで、脳の引き出しにより強く刻み込まれ、忘れにくくなる。いわば、「思考の目印」だ。これを私は「脳にレ点を打つ」と言っている。
こんなことでは後で忘れてしまうのではないか、と思われそうだが、忘れてしまうような情報はそもそも重要ではなかったと割り切っている。また、正確には覚えていなくても、どの本に書いてあったかくらいは意外と覚えているもの。必要があれば本棚から取り出して、線や付箋をたどっていけばいいわけだ。
印象に残っている箇所は、奥付(※1)とともに写真を撮り、OCRでテキスト化しておきます(※2)。愛用しているのはGoogle Keepというメモアプリです。
Google Keepには、次のメリットがあります。
・無料
・OCRでテキスト化できる(認識の精度がよい)
・検索ができる(内容を忘れてしまったときにキーワードで探せる)
・ラベルが付与できる(ラベルから探せる)
・Google Documentと連携できる(ドラッグ&ドロップでKeepのメモを転記できる)
OCR機能と検索機能は便利なので、ぜひ、使ってみてください。
※1:奥付とは、本の後ろのほうの、本の情報が記載された箇所。
※2:書籍のスキャンは、私的利用の範囲内で行ってください。
方法2:解説や入門書を読む
古典には、本文に解説がついていたり、その古典に関する入門書があったりします。古典の本文が難しくて理解がなかなか進まないときは、それらを活用します。
たまたま解説がなかったり、入門書が手近にないときにはどうするかというと、コトバンクで、その古典のあらすじを探します。書名か著者名で検索すると、見つかることが多いです。(コトバンクは無料で利用できます)
古典を読むのが難しく感じたときには、解説や入門書に頼ると理解が進みます。
方法3:詳しい人に解説してもらう
持つべきものは友です。古典に詳しい友人が周りにいると、自分のわからないところをピンポイントで質問することができます。
詳しい人が近くにいないなら、公民館や大学などで開催している講演会や勉強会・読書会に参加してみて、講師の方や参加している方に話しかけてみるとよいと思います。
講演会では、たいてい、質疑応答の時間が設けられてします。人前で質問するのは気後れすると感じる場合は、講演会のあと、話しかけてみるとよいと思います。
そのとき、講師の方の著書を持っていって話をすると、喜ばれることが多いです。状況によっては、名刺交換できたり、本にサインをいただけたりします。
まとめ
・メモをとらない(=脳にレ点を打ちまくる)
・解説や入門書を読む
・詳しい人に教えてもらう
いろいろ書きましたが、結局のところ、本居宣長の指摘が正しいと考えます。学び方はさまざまありますが、続けることが大事なのではないでしょうか。
詮するところ學問は、たゞ年月長く倦(ウマ)ずおこたらずして、はげみつとむるぞ肝要にて、學びやうは、いかやうにてもよかるべく、さのみかゝはるまじきこと。 いかほど學びかたよくても怠(オコタ)りてつとめざれば、功はなし。又人々の才と不才とによりて、其功いたく異なれども、才不才は、生れつきたることなれば、力に及びがたし、されど大抵は、不才なる人といへども、おこたらずつとめだにすれば、それだけの功は有(ル)物也。又晩の人も、つとめはげめば、思ひの外功をなすことあり。又暇(イトマ)のなき人も、思ひの外、いとま多き人よりも、功をなすもの也。されば才のともしきや、學ぶ事の晩(オソ)きや、暇(イトマ)のなきやによりて、思ひくづをれて、止(ヤム)ることなかれ。
※トップ画像:Adobe Stockのmaxbelchenkoが作成
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