【体験】親子で楽しむ生成AI EXPO in 名古屋 レポート

2024年5月17日
全体に公開

こちらのトピックス“生成AI最前線「IKIGAI lab.」”は、学び合うことを目的としたオンラインビジネスコミュニティ「OUTPUT CAMP meets AI」のメンバーで運営しています。

私、伊藤は普段、生成AIの導入・活用支援を行い、親子向けの生成AI体験イベントを開催しています。生成AIの情報を常にキャッチアップし、新しいツールに興味があれば実際に使ってみるのが私のスタイルです。

今回は足も頭も動かして生成AI EXPO in 名古屋を開催しました!代表をさせていただき、非常に多くの学びを得る機会になりました。

前回の記事はこちら。

生成AI EXPOとは

生成AIを地域住民の皆様に体験いただくこと、生成AI活用の最前線に立つIKIGAI Lab.のメンバーがトークセッションを開催することで、生成AI活用の新しい可能性の発見を見出すことをテーマにしています。

今回は2024年5月6日に名古屋市で開催しました。

生成AI EXPO in 名古屋のテーマと目的

今回の生成AI EXPO in 名古屋を開催するにあたって、ずっとテーマにしたいことがありました。

それは、「親子で生成AI体験をしてもらうこと」です。

そして、オンラインなどではなく、複数のサービスを1カ所で体験できる場をつくることが重要だと考えていました。

その理由は2点あります。

私、伊藤が2023年6月から「親子向けの生成AI体験イベント」をやってきて独自に集計した結果です。

親自身が生成AIを使っていたとしても、「子どもにはどう教えたら良いかわからない」と答える世帯が圧倒的に多いのです。

理由としては、世間的に見たら生成AIはいきなり登場した未知のツールになります。

これまでは、そろばんから電卓、ガラケーからスマホのように何か新しいものに移行するモノがあったことに対して、生成AIははじめは「誰しもが未知のツールである」或いは「おもしろそうなツール」と感じることが、これまでのテクノロジーに対するきっかけと異なる点です。

その点で言えば、世代、民族、宗教、国家を超えて、ほぼ全ての人類が同じスタートラインに立たされたと言えるのではないでしょうか。

そこに経験と知識という武器があるからスタートダッシュができる人もいる中で、大多数は決してそうではありません。生成AIに対する学びになる場がオンラインや一部のコミュニティにしかなく、広く一般層の目に触れる場所にない事が問題だと考えました。

以上の点から「生成AIのきっかけ格差を埋めること」を目的にしました。

親の業種や生成AIに対する理解がないままの教育方針などで、生成AIに触れる機会が無いのは、勿体ないと考えました。

そこで、親と子が一緒に同じものを体験することで、親と子が一緒に理解できる体験の場をつくることが肝要であると考えました。

生成AI EXPO in 名古屋の開催場所とターゲット

今回の開催場所は「イオンモールナゴヤドーム前 1Fサウスコート」と「名城大学 ナゴヤドーム前キャンパス 西館2F 社会連携センター shake」の2カ所にて開催しました。

2カ所で開催する事は今回のイベントでとても重要で、特に「ショッピングモールと大学が隣接している」という立地は、親子がターゲットである「親子向けの生成AI体験イベント」を開催するために、最適だと感じ、このような場所を選びました。

名城大学ナゴヤドーム前キャンパスではトークセッションと長時間のワークが必要になるプログラミング教室を開催しました。

トークセッションではIKIGAI Lab.のメンバーとCDLE名古屋、東京AI祭を主催した金澤さんと根路銘さん、名古屋の大学生起業家を呼び、豪華なメンバーでトークセッションを開催しました。

開会宣言と閉会宣言の司会は愛知教育大学附属名古屋中学校 起業部の近藤にこるさんにお願いをしました。

学生の皆様も協力いただけたおかげで、アカデミックで且つ、エデュケーショナルなイベントになったと感じています。

ターゲットは高校生・大学生にしていましたが、大人にとっても学びになる機会を提供しました。

生成AI EXPO in 名古屋の様子・成果

ご協力いただいた皆様のおかげで生成AI EXPO in 名古屋は無事に終了し、およそ1000組にご来場いただくほどの大規模なイベントになりました。

📍イオンモールナゴヤドーム前の様子

イオンモールナゴヤドーム前ではおよそ500組の来場者様にタッチアンドトライをしていただきました。

お子さまのボリュームゾーンとしては10歳前後のお子さまのいるご家族が多かったです。

以下に、今回出展いただいた9つのブースの様子をお伝えします。

①はじめてのCopilot講座
コンテンツ監修:studio veco
共同監修:SOZO美術館
対象年齢:お子さまの場合は保護者承認のもと実施

はじめてのCopilot講座はスライドがゲーム画面風で構成されており、お子さまが見ていて楽しくなるように分かりやすさを徹底しました。

その一方で、内容は大人にとっても学びになる内容にすることで、親子で共通理解できるようにしています。

また、アメリカで実際に行われているAI教育を一部盛り込み、更に著作権についてもわかりやすく解説しました。ロジカルな話ではなく、ストーリー仕立てにして感情を想起させることで、著作権の重要性を感覚で覚えてもらいました。

座学はクイズを盛り込むことで考える事を促し、ワークではテーマとサンプルを見せて、ある程度の導線を用意したうえで触ってもらうことで、誰もがいきなりある程度のレベルアップができるところまで仕上げました。

Copilotを実際に利用していただく部分については、文部科学省の「初等中等教育段階における 生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」とCopilotとMicrosoftサービスの利用規約を確認したうえで取り組んでいます。

②にじジャーニーで画像生成体験
提供元:Spellbrush
対象年齢:13歳以上17歳までは保護者承認のもと体験可、13歳以下は保護者が操作する条件
サイネージ提供元:Patch sign

今回はにじジャーニーとPatch signのコラボレーションで実施しました。

にじジャーニーで画像生成を体験した後は、Patch signが提供するサイネージに画像をアップし、その場でご覧いただきました。

その場でサイネージに自分で創った画像が表示され、多くの人が注目する様子に画像を創ったお子さまたちもとても嬉しそうで、サイネージに映った画像を写真に収めるお子さまもいました。

③チャットモンスターバトル
提供元:CDLE名古屋
対象年齢:年齢制限なし

画像生成した画像を読み込ませるとランダムステータスでカードを作成して、2枚揃うとバトルができるようになります。

オートバトルで展開され、大どんでん返しもある白熱したバトルが楽しめます。

東京AI祭ではトークセッションで登場していましたが、それから大幅にアップデートされていて、更に多くの方を楽しませていました。

④キッズAIスクール
提供元:LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社
対象年齢:小学生からが推奨

始まるたびに毎回満席になった超人気コンテンツでした。

AIのことをお子さまにもわかるようにクイズ形式で学ぶコンテンツになっており、頑張ったお子さまにはAI博士の称号が与えられる賞状をお渡ししていました。

⑤Scratch+ChatGPT
提供元:Corder Dojo 瀬戸
対象年齢:親がいるご家庭なら小学1年生~

家に帰っても、やってみたいと言っていたお子さまが数人いらっしゃるくらいの人気コンテンツでした。実際に、学校など何らかの場所でScratchに触れたことがあるお子さまが多かったとのことです。見かけて立ち寄ってくれた方が多くいました。

⑥塗り絵をAIで動かそう
対象年齢:親がいるご家庭なら何歳でも可

METAが提供してるAnimated Drawingsを使って塗り絵を動かしました。

塗り絵の提供はChick designさんです。

いくつかある中からAnimated Drawingsで手や足の配置変更の設定をしなくても良いように、すぐ動かせる画像を厳選して塗り絵にしました。

Animated Drawingsは、スマホで無料で使えます。

「18歳以上が利用すること」と利用規約に載っているので、操作は保護者の皆様にやっていただきました。

AIで創った塗り絵を塗るだけでも、はじめてのAIに触れるきっかけにもなりました。

⑦Quiz ∞ Infinity
提供元:株式会社moze
対象年齢:年齢制限なし

東京AI祭でも出展していた、生成AIでクイズを創り、創ったクイズをRobloxで遊べるブースです。

実際に子どもに事前アンケートを取った際に、一番期待しているコンテンツがQuiz ∞ Infinityでした。

Robloxはmozeさんが今回のイベントで独自に調査した結果、認知率はこのような結果になりました。

およそ半分はRobloxを知らない状況で、知ったきっかけはYouTubeが多く、プレイしている人数が最も多いのはタブレットという結果でした。

スマホよりもPCの方が利用率が高く、ボリュームゾーンはやはり、10歳前後が多い印象でした。

⑧スタックチャンと会話しよう
対象年齢:年齢制限なし

私の娘はスタックチャンが特にお気に入りでずっと話をしていました。

スタックチャンはM5 stackという言わば小さなPCとモーターなどの各種パーツを、3Dプリンターでつくられるボディを購入して、自分で組み立てる小さなロボットです。

OPEN AI APIとVOICE VOX APIを連動させることで会話ができるようになります。

⑨ヴァーチャルヒューマン「ヴェール」との会話
提供元:AIHUB株式会社
対象年齢:年齢制限なし

東京AI祭にきていたヴェールちゃんが、パワーアップして名古屋に来ました。

大きなディスプレイでキャラクターが動く姿は店内のお客様から注目されやすく、集客効果があるように感じました。

お子さまにとっては大きなモニターで会話できるだけでも楽しそうでしたし、大人にとっては思いもよらぬ専門的な分野の難しい会話の回答も出てくると、他のヴァーチャルヒューマンとは全く違う体験を提供していました。

ヴェールちゃんとおしゃべりしてみた結果、ほぼすべての人が「とてもよかった」にシールを貼っていただいていました。

📍名城大学ナゴヤドーム前キャンパスでの様子

左:近藤にこるさん(愛知教育大学附属名古屋中学校 起業部)司会
左中央:伊藤雅康(執筆者本人)代表
右中央:田中悠介さん(IKIGAI Lab.メンバー)共同代表
右:宮野孝汰さん(CDLE名古屋)共同代表

上記の写真に写っているのが、今回の司会と共同代表です。

こちらの会場では、高校生・大学生に向け、各回ごとにテーマが異なる全6回のトークセッションを開催しました。

学生起業家の3名。中央にいる金澤さんと右側にいる根路銘さんは東京AI祭の主催者、左にいる河合さんは、Station Aiがスタートアップに関心のある学生向けに開催したピッチコンテストで、優勝した実績を持つ方です。

この3名と私で「画像生成と子育てのみらい」についてトークセッションを行いました。

ファシリテーターは宮野さんになります。

IKIGAI Lab.のメンバーも登壇しました!

私以外の記事執筆メンバーは東京を活動拠点にしているのですが、この日のために来てくれました。

ありがとうございます。

トークセッションは以下の内容で開催しました。

①10:00〜10:20 開会式

②10:30~11:20 「生成AIで変わる語学習得の新常識」

        髙橋和馬、國末拓実、福島裕介、菅川彩美 

③11:30~12:20 「大学生実業家が考える生成AIの未来」

        河辺健太郎、河合泰芽、山下青夏、金澤&NERO

④12:30~13:20 「生成AIとキャリアの築き方」

        田中悠介、波々伯部潤、川瀬崇裕、村岡大地

⑤13:30~14:20 「画像生成AIが開く子育ての未来」

        宮野孝汰、伊藤雅康、河合泰芽、金澤&NERO

⑥14:30~15:20 「CDLE基調講演」

        宮野孝汰、CDLE名古屋

⑦15:30~16:20 「登壇者集まれ!登壇して感じたこと、振り返り」

        池田大喜、登壇者一同

⑧16:40〜17:00 閉会式

他にも、Dot.Laboプログラミングスクールさんにお手伝いいただき、プログラミング体験教室を開催しました。

Dot.Laboプログラミングスクールさんはプログラミング大会の世界大会4位の高校生を排出する実力あるプログラミング教室です。

生成AI EXPO in 名古屋で協力いただいた企業・団体

ご協力いただいた皆様のおかげで、西日本でも最大規模のイベントになりました。

この場を借りて改めて皆様に感謝申し上げます。

ありがとうございました。

代表

・伊藤雅康 studio veco・IKIGAI Lab.

共同代表

・田中悠介 Givin’ back株式会社・生成AI EXPO in 犬山代表

・宮野孝汰 CDLE名古屋

主催

・IKIGAI Lab.

・CDLE名古屋

・NexT one PJ

・Givin’ Back株式会社

・studio veco

・合同会社HOHO

出展社、出展サービス名

・AIHUB株式会社

・LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社

・株式会社Crypto AI

・CorderDojo瀬戸

・にじジャーニー

・PatchSign

・株式会社moze

・studio veco

・Dot.laboプログラミングスクール

登壇者

・IKIGAI Lab.

・CDLE名古屋

・合同会社ImagiCraft

・東京AI祭企画者 金澤さん、根路銘さん

協賛・協力・後援

・一般社団法人 日本ディープラーニング協会

・名城大学社会連携センター

・愛知教育大学附属名古屋中学校 起業部

・SOZO美術館

・株式会社みんがく

・合同会社ImagiCraft

・LifeTechFrontier

・生成AI EXPO in 犬山実行委員会

・AIみらいの冒険家

・メディカル・シナジー合同会社

・矢田人材バンク

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