私が見た「自由を解放する学校の在り方」

2024年3月1日
全体に公開

こんにちは!!第5期Student Pickerの佐藤彩海(さとう あやみ)です。

毎週金曜日は、Student Pickerが投稿を担当しています!

私は現在、「目的を持って、楽しく学びたい!」という気持ちから、学校でやみくもに暗記をするのではなく、好奇心を刺激しながら実践的な知識への転換を行う「つなぐ」という新教材を創るプロジェクトを立ち上げています。

前回は、高崎さんが「読書」についてお話ししてくださいました。

小さい頃は、私もお話しが大好きでしたが、最近は必要な情報だけを得ようと効率性を求めてしまいます。

紙で本を読むと少し違った感覚がありますよね。本そのものを楽しむ時間を大切にしたいです!

さて、今回の記事では「学校の在り方」をテーマにお話ししたいと思います。

学校の勉強ってつまらない、、そう感じている学生は多いのではないでしょうか?

最近では、不登校の学生や芸能・アスリートなど、学業以外の活動を両立する学生が増えてきました。

通信制というワードもよく聞くようになり、新しい「学校の在り方」が求められてきています。

より良い学校・就職先を目指す日本の学校の風潮や、詰め込み教育に対して「何のために勉強をするのか」「将来に役立つのだろうか」と、私も強い疑問を感じ続けていました。

そして、通信制の高校を卒業し、現在は通信制の大学で勉強することを選択しました。

そんな進路選択の軸、そして「つなぐ」を立ち上げる原点ともなった、私が小学校時代に移住したマレーシアで見た「自由を解放する学校の在り方」を今回はご紹介します。

世界にある多様な学校の在り方、教育方法を知ってもらえたらいいなと思います。

(写真: kyo azuma/Unsplash)

マレーシアってどんなところ?

マレーシアはマレーシア人、インド人、中国人が3割ずつ生活する多民族社会で、イスラム教やヒンズー教、仏教にキリスト教、宗教ごとのイベントも盛りだくさんです。

物事に寛容な人が多く、元気で活発なおばちゃんが最近どう〜?!と気さくに話しかけてくれる、カメの形をしているペナン島で生活し、小学校はインターナショナル校とホームスクール、日本人学校に通っていました。

(写真: Mahmud Ahsan/Unsplash)

とりあえずやってみな!の精神 〜インターナショナル校〜

基本的な学校生活は日本の学校と変わりませんが、特徴的だといえるのは「実践的な授業」です。

理科の授業では「重力と抵抗」をテーマに、屋上から卵を割らずに落とす方法を考え、パラシュートを自分たちで工作し、誰の作品が上手くいくかを試しました。

また、歴史の授業では「海賊」をテーマに、海を航海するとしたらどのようなルートがあるかを自分なりに考え、コーヒーで色付けした茶色い紙に地図を描き、どのような資源を求めてどの土地に海賊が出向いたのかを考えます。

私が一番好きだった宿題は「ラーニングログ」というものです。毎週先生から与えられるテーマ(エジプト/カメラ/光など)についてを、A3ノート両面にまとめるものです。

ある人は写真を貼り付け色ペンで説明を書き、ある人は折り紙で仕掛けを作る。書き込む情報とまとめ方に個性が出る宿題で、どのように書いたら相手に伝わるか?を考えさせられました。

どの内容も、自分で考え、手を動かし、自分なりの表現をする、ということを徹底させられていました。

(写真: CDC/Unsplash)

完全みっちりコース 〜ホームスクール〜

ホームスクールとは、家庭や学校以外の場所で学ぶ教育制度で、親、家庭教師、またはオンライン教師によって行われます。より個別化された学習方法を用いており、実際の学ぶ形はさまざまです。

私は通学型のホームスクールを選択し、一軒家のような教会センターへ通いました。

ここではまずテストを受け、自分のレベルに合ったテキストを選びます。テキストは一人で進めることができ、自身で文章を読み、穴埋め問題を解いていきます。

(このセンターでは米国のACEシラバスを採用し、テキストを全て解き終え、テストに合格すると、米国高校卒業資格が与えられます。)

学生は、9歳〜15歳の年齢で、障害の有無や国籍問わずさまざまな生徒が集まっており、寺子屋のようにお互いに教え合うカルチャーがありました。

テキストのなかに疑問があれば、手を挙げ先生に質問し、全て解き終えれば自分でマル付けをし、提出します。

ここで大変だったのは、マル付けを間違うと「ディテンション」というペナルティが付き、トイレ掃除や先生の雑用の手伝いをやらなければいけなかったことです。

先生との距離が近いからこそ、家にいるような感覚で身の回りのことを教えてくれる方が多かったように感じます。

ホームスクールの強みは、毎日どの科目を何ページ進めるかを自身で計画立て、好きな科目はどんどん先に進められる点にあります。

逆に苦手な内容は1対1で先生が教えてくれます。そんな一人ひとりの生徒に寄り添ってくれる教育制度でした。

(写真: Natasha Hall/Unsplash)

自立と自由 〜通信制高校&大学〜

通信制の学校での単位の取り方は、年に数回登校すること、レポートを提出すること、科目試験を受けること。

自分で計画を立てる自立性が求められる一方で、自分でコントロールできるまとまった自由時間を手に入れることが出来ます。

私自身、はじめは暇な時間を持て余していました。

「カッコよさそう」という動機でブロックチェーンの勉強会に入ってみたり、アニメ宇宙兄弟に触発され宇宙開発のセミナーに参加したり、企業や個人で開催される「やりたいことの見つけ方」というウェビナーに参加してみたり。

そのうち社会活動・教育分野への関心が高まり、まとまった自由時間があったからこそ、最終的には自分でプロジェクトを立ち上げながら「目の前の関心」に没頭できました。

通信制は学校によって特徴が大きく異なります。私が通っていたN高等学校は、部活動やインターンシップなど、学校外において幅広い分野での活動機会が多くあります。最前線で活躍する方々と直接ぶつかり合いながら挑戦できる場も豊富で、刺激のある有意義な時間を過ごすことができました。

現在通っている慶應通信は、通信制大学のなかで単位取得が最難関ともいわれ、教授による厳しいレポート添削ではあるものの、専門的な指導を受けられる貴重な環境が整えられています。

(写真: Ben White/Unsplash)

どんな学び方が好き?

自己表現を求められるインターナショナル校、一人ひとりにあったサポートが厚いホームスクール、受け身で勉強をする日本の学校、自立し全てを自分でコントロールする通信制の学校──。

みなさんはどの学び方が自分に合っていると思いますか?

今回は3つの例を挙げさせていただきましたが、日本の学校にも特有の面白い特徴があります。

例えば、学校行事ごとに行われる目標を設定することや、行事後の振り返りや反省会を行う機会は、新しい目標設定、そしてスタートを切るためのマインドセットの仕方を学ぶことができました。

世界には多様な学校の在り方や学び方があり、自身の年齢やライフステージによって、必要な「学び方」も異なってきます。選択肢が広がる現代において、今、自分にとって必要な学びを分解し、それに沿った環境を整える能力が大切になってくるのかもしれません。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

みなさんにとっての「自分はこう学ぶのが好き!」があれば、ぜひコメントやピックで教えてください!

(トップ写真: Jessica Ruscello/Unsplash)

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