現役救急医が語る 医師副業のリアル

2023年8月7日
全体に公開

「医師」と言えば、多くの人が思い浮かべるのはクリニックの開業医や総合病院の勤務医だと思います。しかし、医師の働き方は皆さんが思っている以上に多種多様です。

今回は現役救急医の私が、普段行っている副業(執筆、講演・講師、コンサルティング)についてご紹介したいと思います。

|総合病院に勤めているのは週4日だけ

総合病院に勤める勤務医は週に5日以上を病院に拘束されて、土日夜間問わず呼び出しがあるというイメージを抱いている方も多いと思います。たしかに私も以前はそのような働き方をしていました。

ですが、今となっては常勤先の病院にいるのは週のうち4日間のみです。

一般的な会社員の方からすると「何それズルい」と思われるかもしれませんが、週のうち1日お休みをいただくのは医師の契約によくみられるパターンです。

私の場合は、お休みをいただいている曜日はクリニックで勤務しており。そちらからもお給料をいただいております。

UnsplashのNational Cancer Instituteが撮影した写真

|執筆業は医師副業の代表格

医師の副業で最もポピュラーなのが執筆業です。

専門誌での執筆やメディアへの記事寄稿などは特に多く、大きな病院で長く勤めていると1度は執筆のお話が来ることと思います。

私も医療メディアに医学記事やコラムを寄稿しており、執筆料をいただいております。記事の内容は専門的な内容からゴシップ記事のようなものまで様々で、クライアントのご要望に応じて執筆を行います。

執筆料は媒体によって大きく異なるため、高額な案件から無償のものまでいろいろありますが、臨床医のアルバイト相場が1時間あたり1万円~であることから、そこを意識した価格設定になっていることが多いように思います。

UnsplashのNick Morrisonが撮影した写真

|講演・講師の依頼はまだまだ多い

講演・講師の依頼は昔から数多く存在しています。

かねてより多いのは製薬会社や医療機器メーカーからいただくお仕事です。

今現在ではそういった講演でいただいた金銭については利益相反の開示をする際に、公表する流れとなっております。

私自身は、教育関連の講演や講師の依頼をいただくことが多く、中学生~大学生を対象に医師のキャリアに関する講演をしたり、市民の皆様・企業様向けに医学の専門的なお話させていただいたりしております。

私の場合は利益というよりボランティアのようになってしまうことも多いのですが、講演による副業でたくさんの収入を得ている先生方もいらっしゃいます。

UnsplashのAlexandre Pellaesが撮影した写真  

|企業向けのコンサルティング

スポットコンサルティングからプロジェクトへのご協力まで様々な案件があります。

私は救急・集中治療領域のデバイスやソフトウェア開発に関するご相談を受けることが多いです。

内容は壁打ち案件から製品に対する具体的なアドバイスまで依頼によって全く異なり、臨床業務ばかりやっている私にとっては非常に良い刺激になります。

私たちからすると、「医師」という存在は非常にありふれたものなのですが、企業様にとっては医師と話をする機会はなかなか持つことはないようで、企業様向けのコンサルティング業務は比較的に高単価でお話をいただくことが多いです。

Unsplashのcharlesdeluvioが撮影した写真  

|副業でもプロ意識と利他の精神

副業と言えど、医師として仕事をする以上、プロ意識と利他の精神を忘れることはありません。不適切な情報発信への加担や自己の利益のみを追求する姿勢は決して許されるものではありません。

クライアントの要望に応えるのはもちろんですが、仕事を通じて社会のためになるような仕事を行うことが非常に大切だと思っています。

この記事をお読みの皆様は、普段「医師」と関わる機会のない方も多いかもしれません。

私でよろしければ、有償・無償問わず皆様のお役に立ちたいと思っておりますので、是非ともお声をかけていただけましたら幸いです。

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