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2020年7月27日 公開

【ドキュメント】自宅のガレージで究極のゲノム編集をやってみた

文系の記者が、自宅をラボに改造!最先端の遺伝子編集技術、クリスパーCas9を使って大腸菌のDNA編集に挑戦する。高校生でもできると言われるDNA編集は、本当に可能なのか。バイオハッカーの手ほどきを受けながら、実験をレポートする。
(10分/出演・構成:洪由姫、後藤直義/監修:新妻耕太、Haojun Xu/デザイン:堤香菜/アニメーション編集:仁尾拓斗/編集:栗原良介、栁橋泉紀、小西健太郎)
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「自宅でCRISPRします!」お二人からこう最初に言われたときは、何を言っているのか全く意味がわかりませんでした。話を聞くと、自宅でできる実験キットが販売されているといいます。Netflixも取り上げる有名企業というは把握しつつも、法的な確認を充分にとっていただいた上で、実験の全体像と基礎的手技のアドバイス・トラブルシュートの相談にのりました。

このキットでは、病原性の無い大腸菌株にCRISPR-Cas9システムを利用して1塩基置換を与え、抗生剤入りの培地環境下でも増殖ができる能力を獲得させることが目的です。3分クッキングのようにできあがった完成品はこちらです、ということではなくルールと基礎を説明して実験は自身でやって頂きました。リアルを体験したいというお二人の要望からです。培養機も洪さんが独断で、卓上孵卵器をAmazonで買ってきました。

実験は最初のステップからトラブル続出、そもそもの実験に必要な大腸菌がまったくはえませんでした。私たちの仕事場では長年信頼を集めている会社から実験試薬を購入するわけですが、今回は会社もキットも超怪しい。実験も初心者ということで原因特定に悪戦苦闘。時間も試薬も限られていたのでヒリヒリでした。付属のプロトコルを無視して培地を電子レンジでなく湯煎で溶かす方法にシフトし、手技の説明を1からやり直し、キットを追加購入して新しい大腸菌ロットを手に入れ、培養条件を変えることでやっと成功。中盤大腸菌がはえたところで大喜びしていた背景はここにあります。結末は・・(動画をご覧ください)・・でしたが、これこそサイエンスのリアルです。

ODINの活動は個人的に賛同しかねる部分もありますが、「このキットは失敗を繰り返して慣れてやっと成功するものです」と説明書に書かれている点は好きでした。お二人の本気で心から面白がる・困る姿がとても楽しく、色々と初心にかえった機会となりました。お声がけいただきありがとうございました。生々しいコンテンツができたことに嬉しく思います、動画・アニメーション編集の皆様も大変お疲れ様でした!
楽しみにしていた後藤さんの特集が始まりました。日本だと、カルタヘナ法の拡散防止措置の問題で特に実現難しかったでしょう。(アメリカにも規制はもちろんありますが)

普段使用している身からしても、このような場所で未経験の方が行っているのをみると、違って見えます。どなたでも(試薬さえ手にはいれば)遺伝子編集自体が行えるということを示すには充分なインパクトをもった映像だったと思います。

一方、生物実験の経験がない人達がトレーニングなしで挑む様子にやはり率直にリスクを感じました。ので、良い議論のきっかけになれば良いなと思います。

キットは、扱うマテリアルに応じた封じ込め設備で、トレーニングを受けた方が教育目的に行うのは良いことと思います。実際に大学の実習でやる学部もあると思います。

しかしながら所謂ガレージレベルでの個人でのバイオハックは厳格にコントロール、規制されるべきと思います。

また、思ったような変異を、望みの場所(動物種や部位)で、望みの確率で起こすのは、至難の技です。

なので動画にあるように、ホストの培養だけでも経験が必要です。

今回のものは、実験キットなので引き起こす編集も予め用意されたものなので、これらのキットを使って、誰かしらの天才が新しいとんでもない発見をするということはもちろんないと思います。

しかし、後藤さんがおっしゃるように、「CRISPR/Casシステムによって遺伝子編集が簡単にできるようになった」と言ったときに、具体的に何を意味するか良く理解させてくれる動画だったのだと思います。大変興味深かったです。
「21世紀の最大のイノベーションは、生物学とテクノロジーの交差点で起きる。そしてその新時代は始まっている」

2011年、こう話したのは、テクノロジー業界にいたスティーブ・ジョブズです。2012年にクリスパーキャス9の技術が発表され、ジョブズが見た世界はそこから加速度的に進化しています。今、その交差点で何が起きているのか、非常に奥が深く、そして、驚きに溢れた世界をNewsPicks編集部が1週間特集いたします。

初日は、以前から気になっていたODINが発売する「クリスパーCas9大腸菌DNA編集キット」を購入し、実際に実験しました。これまでの遺伝子編集の常識を変えたクリスパーCas9は「簡単、早い、安い」が特徴です。高校生でも簡単にできると言われている実験が、どういうものなのか、実際に自分たちの手を動かすことで理解したいと思いました。

実際に、顕微鏡を見て細胞の中に針を刺してDNAを入れ込む、という世界ではなく、必要な素材を入れてフル、寝かせる・・・まさに料理のような手順であることに驚きました。

アメリカでは、細菌のDNAを改編することを禁止する連邦法はありません。ただ、大学やバイオ企業などの研究室以外で、こういった実験ができるようにしているODINは、CIRSPRの技術が、簡単に人間の細胞でも使えるようになってしまうのか?といったこれまでにない新たな問いを投げかけています。
生命科学やバイオテクノロジーに関心のある一般市民が、自宅や共有の実験スペースで生物実験をするDIYバイオ。欧米では急速に広まりつつあります。

日本でもわずかながら拠点があり、新聞記者だった時にその一つを取材したことがあります。
https://mainichi.jp/articles/20190801/ddm/002/040/046000c

今回と同じキットを輸入して実験しており、やはり大腸菌が全滅してしまった参加者が、「失敗も(生物実験の)醍醐味の一つ」と話していたのが印象的でした。

今回の動画では省かれていますが、全滅に見えたとしても、大腸菌を培養皿ごとしっかり滅菌するところまでが実験で、そこもとても重要な過程です。

なぜなら、生物のDNAに別の生物の遺伝子などを導入する実験や、遺伝子改変した生物(植物を含む)を野外に放つことについては、国際的な枠組みに基づき生物の多様性を守る「カルタヘナ法」で規制されているからです。違反者には罰則もあります。(米国は法律の基になっているカルタヘナ条約を批准していないものの、同様の適切な扱いが求められているはず)

また、今回のキットを販売しているODINを創業したジョサイア・ゼイナー氏は、動画にもあるように、自身の体の遺伝子編集を試みる奇抜な実験(?)をSNSで公開し、物議を醸しています。そうしたパフォーマンスで注目を集めるODINのビジネス手法も時に批判の対象にもなっていることは、知っておいてよいかもしれません。

生物の遺伝子改変については、科学者コミュニティも慎重に議論を重ねてきた長い歴史があります。遺伝子組み換え技術の登場を受けて、1975年に米国で開催されたアシロマ会議は有名で、そこでの議論は、多くの国でガイドラインが作られるきっかけになりました。

自分で体験したからこそ初めて分かることは、たくさんあると思います。個人的には、DIYバイオの普及が、生物の遺伝子改変に伴う倫理問題やリスクについての意識の高まりや、幅広い議論につながることを願っています。
生物のゲノムを安く、早く、簡単に編集できるという、21世紀最高のイノベーションとして紹介されることもあるCRISPR-Cas9(クリスパー)。しかし、本当に知識ゼロの素人が、わずか100ドルちょっとの実験キットで実現できるのか。NewsPicksのサンフランシスコ支局のガレージで実験に挑んでみました。

実際の作業は、編集というよりは、まるでクッキングのように様々な物質を調合するのですが、さまざまなステップで躓いて。その実験のすべてを偽ること無く、ありのあまま映像にしてみました。

いまシリコンバレーでは、1990年代にインターネット産業を築いた大物たち、グーグルのエリック・シュミット、PayPalのピーター・ティール、マイクロソフトのビル・ゲイツ、マーク・アンドリーセンなどが、こぞってバイオテクノロジーの世界に続々投資をしています。動画と合わせて、今週は生物とテクノロジーの世界で起きている、新しいムーブメントを紹介します。

※ クリスパーによるゲノム編集にあたって、カルフォルニア州行政当局への合法性の確認をした上で、スタンフォード大学研究者の新妻氏、Haojun Xu氏に監修を受けています。
われわれも2年前、この「ガレージでできるゲノム編集」を取り上げたことがあります。研究成果をネットにアップしてビジネスにつなげる人や、特定の遺伝子疾患にかからない犬をつくろうとするブリーダーも。まるでDIYのように生命の設計図を書き換える作業がだれにでもできる時代、バイオハッキングの向こうにどんな景色が見えるのか。個人的には期待よりも怖さの方がまだ先に立ってしまいますが。

私の実験室は家のガレージ ここまでカジュアルになった遺伝子改変
https://globe.asahi.com/article/11645241
デジタルの次の革新技術“BioTech”時代が始まっています!
ゲノム編集キットはipadよりも低価格で手に入り、自宅やガレージをでゲノム編集を行うDIYバイオは世界中で行われています。
ゲノム編集技術は、大学の研究室や大規模で高価な実験器具は必要ありません。
まさに、科学技術の大衆化だと思います。

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