大異変する「東大・早慶のハイエンド就活」

2016/2/22
内定バブルが発生中
東大、早大、慶大──ハイエンド大学生──の就活に異変が生じている。
特に優秀な「特A層」は、就活解禁前の現時点で、外資、ベンチャーなどからすでに内定を獲得。インターンシップでさらなる経験を積みながら、総合商社など本命企業への就職活動に備えている。
また、リクルーター、新卒人材紹介会社との接触機会が増える一方で、就活ナビサイト離れに拍車が掛かる。
同じように、人気企業の新卒採用動向にも変化の兆しが見えている。
理系重視に加え、起業経験があるなどの「立ち上げ屋」を優遇したり、あからさまに「女子をひいきする」と直言する企業も出てきている。
優秀な学生を引き留めるため、入社後の配属先を事前にコミットする「オープンポジション採用」も流行の兆しだ。中には、「エリート採用枠」を設け、高い給与で処遇する“欧米型”まで登場し始めた。
2年連続で開始時期が変わり、カオスと化したニッポンの就活はどこに進むのか。本特集では、その最先端を追っていく。
経団連の指針は形骸化
最初に、特集の具体的なラインアップについて紹介しよう。
第1回では、2017年卒のハイエンド就活生の傾向と、人気企業の採用動向の変化について解説する。
経団連の指針によると、2017年卒の選考開始時期は、2016年卒より2カ月早くなり6月となった。
採用情報の解禁は3月1日なので、最短で6月第1週に内定を出すとすれば(2015年の採用動向を踏まえると十分あり得る)、面接、選考にわずか3カ月間しかかけられない計算になる。
だが、実際には、そんなことがあろうはずもない。
そもそも、経団連の指針を守る企業ばかりではない。メガベンチャーや外資系コンサルティング会社、金融機関など経団連非加盟企業は2015年末には内定を出している。
経団連加盟の日系大手企業もインターンシップ、リクルーターの増員、新卒人材紹介会社による青田買いイベントなどを介して、優秀なハイエンド就活生の囲い込みに余念がない。
では、その手法とは、どのようなものか?
「囲い込まれる学生」は、どのような学生なのか?
その真相をシンプルにインフォグラフィックで説明する。
東大と慶應を一緒にするな
「東大と早慶を一緒にしてくれるな」と言い放った堀江貴文氏(写真:大隅智洋)。
第2回には、元ライブドア社長で事業家の堀江貴文氏が登場。堀江氏は東大文学部を中退した、元ハイエンド学生の一人だが、「東大・早慶の就活」という本特集のタイトルを見て、「東大と早慶を一緒にしてくれるな」と言い放った。
「東大生って、頭いいようで、頭悪いんだよね。なんで苦労して東大に入ったのに、東大よりめちゃくちゃ簡単な慶應の学生と同じ就職試験を受けなくちゃいけないの」
この言葉に込められた、堀江氏が就活生に送るメッセージとは?
学歴こそ「最高の採用フィルター」だ
第3回には、ここ数年、東大生が複数人、就職することで一躍名を上げた、コンサルティング会社、リンクアンドモチベーションの小笹芳央会長のインタビューを掲載する。
小笹氏は、リクルートの新卒採用担当者のエースとして、東大を中心とするハイエンド学生の採用実績をつくってきた立役者としても知られるが、長年の新卒採用経験から「学歴こそ最高の採用フィルターだ」と明言する。
「日東駒専の学生1000人を面接したとしたら、1人か2人は採用したくなるような学生がいるかもしれない。しかし、東大の学生を面接したら、5人に1人は優秀かもしれない。人事からすると、後者のほうが、採用効率がいいですよね。だから、採用担当者が学歴を重視するのは当然の話です」(小笹氏)
だが、意外にも入社時の順位と入社後の活躍ぶりにさして相関関係はないと言う。では、最も関係性が強い要素とは何なのだろうか。
さらに、小笹氏のトークは、2017年卒の就活に起きるであろう「格差論」へと展開していく。
「内定を5社も10社ももらう学生がいる一方で、1社も獲得できない学生が出てくる。つまり、企業と学生、双方の二極化が進むのです」
この二極化の背景についてじっくり語ってもらう。
リンクアンドモチベーション代表取締役会長の小笹芳央氏(写真:遠藤素子)。
就活のカリスマが本音に切り込む
第4回第5回は、総合商社、大手電機メーカー、大手メディア、大手菓子メーカー、大手人材関連会社の新卒採用担当者たちに座談会形式で本音を聞く。
司会を務めるのは、リクルートグループで20年間以上雇用の現場を見てきた経験から「就活のカリスマ」と評される海老原嗣生氏。2017年卒の採用の実態に関連して、以下のようなテーマに鋭く切り込んでもらう。
「就活のカリスマ」と評される海老原嗣生氏(写真:竹井俊晴)。
・各社の学歴フィルターのメッシュは、どこまで細かいのか?
・SPIは何割の正解率未満だと足切り対象になるのか?
・インターンシップ参加者のうち、内定を得た学生は何人か?
・欲しい学生の特徴とは?
・選考のいいところまで来たのに最後の最後で落とす「残念なハイエンド就活生」の実像とは?
具体的なエピソードてんこ盛りの「本音座談会」を、前後編にわたり合計1万字超でお届けする。
電通、商事、物産の責任者が登場
三菱商事人事部採用チームリーダーの下村大介氏(写真:大隅智洋)。
また、ハイエンド就活生にとって人気企業“御三家”と言ってもいい、電通三菱商事三井物産の採用責任者へのインタビューを掲載する。
各社の責任者に、前年の採用実績とその配属先、インターンシップ参加者の内定獲得者数、2016年のインターンシップの中身、今年の採用傾向など、かなり繊細な内容も含めて、掘り下げてインタビューを行った。
たとえば、以下のような質問をダイレクトにぶつけている。
「他社の内定者を集めた座談会をやっているのは本当ですか?」
「女性、理系は特に優遇しているのですか?」
「自社の採用・研修を評価してください」
2016年卒「就活王」20人
2015年に三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、電通、みずほ銀行などの人気企業の内定を獲得した「2016年卒就活王」20人の就活テクニックを公開する。そのほんの一部分をハイライトしてみよう。
・30人以上、OB/OG訪問し、自分の発言内容をいちいちフィードバックしてもらった。
・新卒人材紹介会社でインターンシップをして、まだ出回っていない新卒採用の最新情報をスパイ。マル秘説明会に行くなどして活用した。
・複数者との就活イベントで「就活は茶番だと思う。だから、これから正直な自己紹介をしたい」と前置きし、友人との旅行の話や、座右の銘など話した。
・TOEICの点数が低いなどのネガティブ情報を隠すため「受けていません」と言った。
・「愛読書」を聞かれたら、ドストエフスキーと言うに限る。
・広告会社には、「エロい話」と「食べ物の話」を真顔で語るとウケる。
・外銀の場合、他社インターンシップの有無が勝敗を左右する。
こうした仰天テクニックの詳細を紹介していく。
外資・ベンチャー就活最前線
本特集では東大・早慶の「女子の就活」も取り上げる。
今日、ハイエンド学歴を持つ女子学生は、結婚・出産・介護などのライフイベントを経ても働き続けたい人が多勢派だ。そのため、企業を見る目も、福利厚生が充実しているか、先輩女性社員が活躍しているか、などシビアになっている。
では、厳選した「ホワイト企業」を選択した先輩女子の現在の満足度はどうなのか? ほかにも、女子ならではの会社選びのコツなどを紹介していく。
また、最近静かに人気度を上げているスタートアップ企業や、外資など「非経団連系優良企業」に就職した東大・早慶の先輩たちに、スタートアップや外資で働く醍醐味(だいごみ)や、日系大手とは異なる就活をするうえでのポイントなどについて聞いている。
プロピッカーが推す「10年後に伸びる企業」
NewsPicksでは、経営、経済、政治、テクノロジーなど専門分野で活躍する100人以上の「プロピッカー」が日々のニュースにコメントしている。
そこで本特集と連動して、プロピッカーに対しアンケートを実施。スカイマーク会長の佐山展生氏、クロスカンパニー社長の石川康晴氏、リンクアンドモチベーション執行役員の麻野耕司氏らプロピッカー約20人に「10年後に伸びる企業・業界」と「会社選びをするうえでのポイント」などについて聞いた。
サイバー藤田社長が「行きたい企業」
もしあなたが今22歳だったら、どの会社に行きたいですか?
そんな質問を、人気企業として知られるサイバーエージェントの藤田晋社長、ワークスアプリケーションズの牧野正幸社長、そして「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2015」の大賞受賞者でインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)理事の小林りん氏にぶつけた。
豊富な経験と鋭いセンスを持つ3人は、どのような視点で行きたい会社を選ぶのだろうか?
ワークスアプリケーションズCEOの牧野正幸氏(写真:大隅智洋)。
東大・早慶が行きたい企業ランキング
東大、京大、一橋大、東工大、早大、慶大などに通うハイエンド就活生は、今どの企業に狙いを定めているのだろうか? その答えをアンケート結果から導き出す。
さらにそのランキング結果を、経済評論家の山崎元氏と第一生命経済研究所 経済調査部主席エコノミストの永濱利廣氏に批評してもらう。また、アンケート結果から「就活生の評判の悪い企業ランキング」を実名で発表する。その不名誉な称号を得た会社名とはどこか?
特集前半の締めとしては、堀江貴文氏に再び登場してもらい、就活についての持論を舌鋒(ぜっぽう)鋭く語り尽くしてもらう。
さらに特集後半では、東大・早慶以外のいわゆる「普通の学生」の就活の実態に迫る座談会や、かつていくつもの内定を手にした優秀人材の今を訪ねる「あの内定王は今」、そしてNewsPicksが主催したセミナーの模様をお届けする。
(構成:佐藤留美、デザイン:福田滉平)
ハイエンド学生の就活に異変あり
東大・早慶の就活 2017年卒
  1. 大異変する「東大・早慶のハイエンド就活」
  2. 東大・早慶の就活。今そこにある「ダブル二極化」
  3. 【堀江貴文】東大生と慶大生を一緒にするな
  4. 【小笹芳央】採用において、学歴こそ「最高のフィルター」だ
  5. 【本音座談会】就活のカリスマ×人事担当「学歴フィルター」の真実」
  6. 【本音座談会】就活のカリスマ×人事担当「高学歴でも落とす人」
  7. 【藤田晋】いま私が22歳だったら、リクルートに行く
  8. あの人気企業の「内定王」20人が語る就活の裏技
  9. 【女子の就活】「男性が合コン三昧の会社には、行きたくない」
  10. 【電通採用・育成部長】特に欲しいのは「遊んでいる理系」
  11. 【三菱商事採用責任者】インタ—ン参加の3割以上が女性。地方大にも注目
  12. 【三井物産】伸びるのは「修羅場」「土壇場」「正念場」経験者
  13. 【牧野正幸】いま私が22歳だったら、フェイスブックかグーグルに行く
  14. 【小林りん】いま私が22歳だったら、起業も選択肢のひとつ
  15. 【佐山展生、朝倉祐介、石川康晴】プロ20人が推す「10年後伸びる企業」
  16. 【ベンチャー就活】20代で役員、30歳までに起業を目指す
  17. 【佐渡島庸平】いま私が22歳だったら、絶対に出版社に行かない
  18. 【人気企業ランキング】東大・早慶の学生が今、一番行きたい会社
  19. 【山崎元】「守り」の三菱商事「自己愛」のマッキンゼー「おカネ愛」のGS
  20. 【アンケート】東大・早慶に「評判の悪い会社」、内定保有率は何割?
  21. 【山崎元】「数字は人格」ノルマ證券、「体育会」楽天、「鬼」電通
  22. 【迫俊亮】いま私が22歳だったら、“歪み”のある企業に行く
  23. 【堀江貴文】就活なんて、なくなっちゃえばいい
  24. 「内定王」6人。「就活は『かっこ悪い』。でも文句は内定を取った後に」
  25. 【凡人学生座談会】「売り手市場とか僕らには関係ない」
  26. 【あの内定王は今】サイバー女性初の営業局長を経て、子会社社長に就任
  27. 【あの内定王は今】NHK「隠岐島の記者」からPR会社執行役員に転身
  28. 【三井物産インターンシップ】選ばれし50人が発表した新規事業の中身
  29. 【海老原嗣生】「合わない会社」になんて、入らないほうがいい
  30. 【麻野耕司】新卒は大企業にいくべきか、ベンチャーに行くべきか
  31. 【山崎大祐】ファーストキャリアは「自分の文化」をつくるものだ
  32. 【佐山展生】成功確率5%に挑戦すると、人生はエキサイティングになる
  33. 【三菱商事採用責任者】欲しいのはゼネラリスト。“天才”はいらない
  34. 会社選びの決め手は社風。就「職」ではなく、就「社」せよ
  35. 勝負は自分を信じられるか。可能性を信じた者が、結果を出す時代
  36. 【電通駐在員が寄稿】大学生よ「内定王」を目指すより、留学せよ
  37. 企業は新卒採用をこう変えろ。学生ピッカーの声