4(日)・5(月)・6(火)、3日とも東京で雪の可能性?
気象各社が5(月)、6(火)に関東で雪のニュース(予報)を出し始めました。
コンピューターの計算はこうなっていますが…
コンピューターは1通りの解でしかありません。実際は背後で何パターンもの計算が動いていて、気象予報士はそれを解釈して予報をします。
私が信頼しているいくつかの予報会社、予報士さんの見解を紹介します。
(抜粋)5日(月)に5cm以上の降雪となる確率は関東西部から北部の山沿い、甲信地方の広い範囲で濃い青色で示された75%以上と高い。平野部も内陸を中心に確率が高く、東京23区西部から多摩地方にかけても青色で示された50%以上。(中略)気温によるものの、概ね降雪量の半分ほどが積雪となりますので、東京都内で数cm程度の雪が積もる可能性があると考えられます。
◆ウェザーマップ杉江予報士の解説
(抜粋:東京は)5日(月)午後から6日(火)朝くらいのタイミングで降水現象がまとまっていて、降水確率は90%以上となっています。またおおざっぱには、雪となる時間帯がある確率が60%程度で、40%程度は大雪(積もるような雪)となる時間帯がある計算となっています。
私もデータを見ていて感じるのは、今年の中では一番大雪警戒度が高いということです。なぜなら、前回よりも気温が低いうえに、降水量も多いからです。
(私の予報は、1月20・21は、降水量は多いものの気温が高いので都心は雨の可能性が高そう/1月13日は、降水量が少ないので広範囲で大雪になって降り積もることはなさそう、でした)
気象庁も先ほど2(金)午後、情報を発表しました。
5日から6日にかけて、低気圧が発達しながら本州の南岸から日本の東へ進む見込みです。このため、関東甲信地方では、5日から6日にかけて広く雪や雨が降るでしょう。 関東甲信地方では、山沿いや山地を中心に大雪となる所があるでしょう。予想より気温が低くなった場合には、平地でも警報級の大雪となる可能性があります。積雪や路面の凍結による交通障害に注意・警戒してください。
大雪警報が出る可能性も、「中」となっています。
予報作成にあたっての裏話
関東の雪を左右するもの
①潜熱による下層の冷却
冬は関東の空気は乾燥しているものですが、
乾燥している所に降水があると、まずはその降水(雨や雪)は蒸発・昇華します。
その時、蒸発や昇華することにより、空気がどんどん冷やされていきます(※)。汗が蒸発する時に涼しく感じる気化熱と同じような原理です。
そのように空気が冷やされた中で降水が続くと、雪として降ってくるわけです。
しかしどうやら、(※)の潜熱による冷却の再現が、コンピューターが苦手な部分があるようで…
実際に降ってみたらあれよあれよという間に気温が下がって雪に…ということがあります。
②地表付近の風向き
その他にも、東京で北寄りの風が卓越すると、関東北部の冷たい空気が流れ込んでくるため、雪になりやすいなんて話もあります。
対して、北東風が卓越すると、茨城方面から風が吹いてくることになるのですが、茨城の近くの鹿島沖の海上から比較的暖かい空気が流れれてきていることになるため、雨になりやすい…と言われています。
つまり…
よく言われる「下層(1500m以下)の寒気」「降水量」に加え、降水がある前の空気の乾燥度合いや、風向きも予測には重要です。(もちろんそれぞれの点がお互いに影響し合っています)
このようにいくつもの変数が作用しあって東京の雪は決まるため、予測が当たりにくいのですが、予測の対象日が近づくほど、社会のために予報を決めなければなりません。とはいえ予測精度が低い現状があるため、幅を持って捉えて頂く必要があります。
ところで実は、4(日)にも雪の可能性が出ています。
MSMのきのう・1(木)の時点での演算では、東京都心でもガッツリ雪エリアとなっていたのですが(図の一番左)、その後の更新のタイミングで、降水域そのものがかからなくなりました(図の真ん中と右)。こちらはまだ演算が安定していないですが、可能性は0ではないことをご認識いただけたらと思います。
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