紙をすべて捨ててみた感想

2023年2月7日
全体に公開

みなさんこんにちは。

昨年は色々な電子機器を買って色々と試してみました。中でも最も快適だったのは、半年ほどから紙を一掃して生活したことです。書類・書籍・ノートなど、ありとあらゆるものを捨てました。

当初は不便なこともあるのではないかと思い、段階的に移行したのですが、予想に反して不便はほとんどありませんでした。

メリットとしては、以下を感じています。

①物理的なワーキングスペースが増える

ある程度は想像していたものの、それ以上に書籍や書類によるスペースは馬鹿になりませんでした。紙がなくなるだけで、オフィスが段違いにすっきりしました。

また、紙の書類がなくなるだけで部屋の荷物もなく少なくなり、探し物を見つける時間も短縮することができました。以前は、どこに何を置いたか覚えてないことが多かったです。今は、紙に埋もれるリスクを大幅に軽減できるので、手間を省くことができています。

②セキュリティ・リスクを軽減する

もちろんクラウド化することで、サイバー攻撃のリスクは高まるのですが、紙の書類もセキュリティ・リスクは高いです。たとえば、書類一枚に至るまで厳重に管理できている会社や家庭というのは稀です。書類の一枚や二枚なくなっても、大抵の組織では誰も気づきません。

また、ノートを置きっぱなしで席を立つ人を、カフェでよくみかけますが危険です。私は何回か、カフェで他人がノートを忘れているのを見つけたことがありますが、私が同じ状況だと考えるとぞっとするような出来事です。電子機器も同様のリスクは負っていますが、パスワード管理や履歴管理でリスクを下げることができます。

③ポケット一つにすべてを入れられる

「ポケット一つの原則」というのは、野口悠紀夫氏がかなり以前に提言していたことです。すべての情報を一つの場所に集中させておいた方が検索が容易になる、というものです。野口氏の時代は、その場所はキャビネットであったり、手帳であったりしましたが、クラウドと検索エンジンの向上によって全ての情報を電子化することができるようになりました。

紙の利点はあるのか

書籍でもノートでもいいのですが、紙が現時点においてメリットがあるとすると下記の3点だと思います。

1点目は、蝕知感覚を活かせる点です。例えば辞書をめくるときに、使い慣れた辞書であれば適当にページを開くだけでもめぼしいところを探せます。本を振り返る際に、「だいたいあんなところに、ああいうことが書いてあった」というのを覚えている経験は、誰にでもあると思います。紙を手でめくると言う触知感覚に、基づいたものです。

実際、最近の認知科学では、皮膚感覚が記憶と強く結び付いていることが分かりつつあります。プルーストの『失われた時を求めて』に出てくる、「紅茶に浸ったプチット・マドレーヌ」の話がまさに蝕知感覚ですね。このような直感に基づいた検索や蝕知感覚では、電子端末では難しいと思います。

ただし、電子端末はその代わり用語検索ができます。 OCRで処理したものであれば容易であり、これは紙にないメリットです。また「現時点において」と書いたとおり、そのうち蝕知の問題は解決されるかもしれません。

2点目として、デフォルト・フォーマットが紙になっているものも、電子端末での代替が難しいです。例えば、入試がペーパーレスになる時代はかなり先だと思います。ペーパーレスになるということは、例えばSATやGREのように選択肢がメインのCBT(ComputerBasedTest)になることを意味しますが、学校の制度改革、試験実施団体の改革などがセットになるので、単なる技術的な進歩だけでは解決できない可能性があります。試験自体が紙で行われるのであれば、学習教材が全てタブレットに置き換わる可能性は低いと思います。

3点目は、先ほど紙はスペースをとるというお伝えしましたが、スペースをとるがゆえのメリットはあります。一つはオブジェとしての可能性です。古くは『ブリタニカ辞典』に始まり、分厚い本のというのは賢く見せるための一定のニーズがあります。

またスペースをとるがゆえに、強制力が生まれるというメリットもあります。私は雑誌をなるべく紙でとっていますが、紙だと、早く読まないと場所を取ってしまうという脅迫感があるので速読することができます。公文式のように。紙であるが故に達成感を感じるようなメリットもありますね。

ペーパーレスを実現するための電子機器

完全にペーパーレスを実現できるのは、テクノロジーの恩恵です。検索技術一つとってもテクノロジー抜きでは、電子化のメリットは薄れてしまいます。

中でも、Quadernoの影響が大きいです。仕事に必要なプレゼンテーション資料や、本の PDD、ノートやスケジュールに至るまですべて一台の端末に入れられます。書き心地も紙とあまり変わりません(白黒ですが、その分バッテリーが持つので私はこのまま白黒でもいいと思います)。ビジネスユーザーを想定しているだけあって、同じEinkのKindleScribeやHuaweiMatePadPaperよりは、ビジネス目的であれば優れていると思います。

ちなみに、私ぐらいだと思いますが、A4とA5サイズを併用して持ち歩いています。画面の大きいA4は、 パワーポイント資料や本を読むには最適です。画面を分割できるので、一台で片方にパワーポイント、片方にノートという形でもいいですが、文字が小さくなってしまうので、A5をノート専用に使っています。一台にすべてを詰め込んでいた時よりも、遥かに使いやすいような感じがします。 

あとは、スキャナーも一台持っていた方がいいと思います。スキャナーがあれば、必要かどうか分からないものを、とりあえずスキャンして紙を捨てすることができます。いつか使うかもしれないと思って、ずっと放置されているマニュアルや手紙などは意外と多いものです。こういうものを躊躇せずに捨てるためには、スキャナーでバックアップを取って、紙は思いっきり。躊躇せずに捨てる。おくのが一番良いと思います。

ちなみに私は富士通の回し者ではないですが、最近の富士通は良い製品が多いですね。Quadernoもスキャンスナップも富士通です。そういえば、愛用している HKKBも富士通です。

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