【読書離れ】学校司書に聞く、読書の“いま”と“これから”
こんにちは!NewsPicks Brand Design Team インターンの高崎です。
前回は谷本さんが「映画コミュニティ」についてお話してくださいました。内容もすごかったのですが、それよりも文章の綺麗さに注目してしまいました。
とても読みやすく、そして想いの伝わる文章でした。ぜひ読んでみてください!
今回は読書です。
小学校では一人一台タブレットが配られ、自分のスマホを持つ小学生も多くなりました。
大きく変わる教育現場、読書離れが進んでいると言われることもあります。
実際どのような変化が起きているのか、
「図書室の先生」として子供たちの変化を見守ってきた、小学校の学校司書に聞きました。
効率を求める子供たち
──インターネットやスマホの普及による、読書への影響を感じますか?
やはり影響は大きいと思います。いまは小学校一年生でもスマホを持っていたりして、私よりも上手く使いこなしています。
以前だったら、調べ物をするとなったら本が主流でしたが、いまではみんなインターネットです。
学校司書としてそんな子達と接している中で感じるのが、結末を早く知りたがるな、ということです。
動画を1.2倍速でみたり、切り抜き動画をみたりするのと同じように、本にも効率性を求めるんです。
だから、「5分後に意外な結末シリーズ」に代表される、さっと読めて最後にあっと驚く結末がある、そういった本が人気になっています。
別にそれが悪いことではないと思うのですが、
子供の頃に岩波文庫を読んでいた世代としては、「いまの子長い本読めるのかな?」と不安に思うことがあります。
もちろん、読める子は一定数います。しかし、どんどん少なくなっているのが実情です。
また、長いお話が読めないのは忙しさもあると思います。
私の勤めている小学校では中学受験をする子も多くて、そういった子は勉強に時間を取られ、ゆっくり本を読むことが難しくなっています。
「本を読むのも受験のため」という子も中にはいて、受験で出やすい著者の本しか読まないんです。
効率性とか受験のためとか、私たちが子供の頃とは違うなと思います。
「お話が好き」という変わらない本質
──逆に、子供たちの変わらない部分はありますか?
2023年度に力を入れて取り組んだこととして、読み聞かせがあるんですけど、
その活動を通して、みんな「お話が好き」だということを改めて感じました。
タブレットが配られたり、スマホを手にしたりして、媒体が変わったとしても「お話が好き」という本質は変わっていないんです。
読み聞かせに使う本は、学年だけでなく年中行事や学習領域にも合わせて選びました。
頻度については1〜3年生は週に1回、4〜6年生は忙しいため月1回で行いました。
なかなかみんな本を自分からは読んでくれないのですが、
読み聞かせという形で本を読む時間を確保してあげると、みんな楽しそうに聞いてくれていました。
「飽きられてしまうかな」と思ったりもしたんですが、
クイズを途中で入れたりなど、ゲーム性を持たせる工夫をしたおかげか最後まで聞いてくれました。
なかには本を読んでこなかった生徒もいて、そういった子にとって読み聞かせは、読書の練習にもなっていました。
読み手の表情や声色、周りの反応がお話を理解する手助けになっていたんだと思います。
読み聞かせで目を輝かせる姿は今も昔も変わっていませんでした。
ベースは紙の本
──読書のこれからについてどう考えていますか?
私は学校司書として本を提供していきたいと思っています。
たしかに、本は読まれなくなりつつあるかもしれませんが、その存在は知っておいてもらう必要があると思うんです。
これから、読書がどういうものなのかわからない世代が出てきます。
これから先の人生で本を読むか読まないかはその子の自由だと思います。
しかし、選択肢に読書が入らなくなってしまうのはよくありません。
学校という場で、読書が何か伝えていくべきだと思います。
それに、いろいろな媒体が増えてきていますが、そのベースは紙の本だと信じているんです。
子供たちにはゲームなりアニメなりどんどん楽しんで欲しいと思います。しかし、それらを楽しむための読解力は読書で養われるはずです。
読書特有の没入感を知ってから、他の媒体に触れて欲しいと思っています。
これから先につながるものとして読書を繋いでいきたいです。
さて、今回は学校司書に「読書離れ」について聞きました。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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