今後5年以内に営業業務の60%が生成AI技術によって置き換えられる 〜ガートナー予測から

2023年9月25日
全体に公開

ガートナーは2023年9月21日、今後5年以内に営業業務の60%が生成AI技術によって置き換えられるとの予測を公表しました。

2028年までに、B2Bの営業業務の60%は、生成AIの営業関連の技術を介した会話型ユーザーインターフェースを通じて置き換えられると予測しています。これは、2023年の5%未満から大きく増加するとガートナーでは見込んでいます。

こういった状況の中で、ガートナーでは、営業組織のリーダーと技術チームは、AIやプロセスの自動化、取引のやり方の再定義などを通じて、営業の組織や機能の変革していくための備えが必要としています。

Generative AI Will Unleashing New Customer Insights(生成AIは新しい顧客洞察を解き放つ)

生成AIは、営業組織がより複雑なデータを捉え、理解、活用する方法を取得して革新していく。
生成AI以前には、売り手は自分たちの戦術とメッセージングに役立つようにさまざまなデータソースをレビューしていたが、生成AIにより、営業リーダーがこれらのプロセスを効率化することを可能にし、売り手の時間を節約する。
生成AIにより、社内外のデータソースを組み合わせ、複雑なプロセスを自動化することで、ターゲットユーザに対しての理解を深め、新しい営業の時代に対応した意思決定を支援し、テクノロジーはツールから真のチームメイトになるだろう。

Combining Sales Force Automation and Generative AI Enables New Ways to Sell(営業力自動化(SFA)と生成型AIの組み合わせが新しい販売方法を可能にする)

営業力自動化(SFA)のデータと生成型AIのプロンプトエンジニアリングの組み合わせは、マーケット戦略にリアルタイムで調整を加えることができる次世代の動的プロセス自動化を促進する。
AIは、魅力的なバイヤーデータと創造性を組み合わせて価値のあるメッセージングを自動化し、高品質のコンテンツを生成する。
ガートナーでは、今後2年以内に大企業からのアウトバウンドメッセージの30%が合成的に生成されると予測する。
AIはまた、モバイルやスマートデバイス、デスクトップ、ボットを通じて影響力のあるプロセス自動化のユースケースを推進する。
生成AIの最も変革的なユースケースの一つはプロセス自動化になり、CSO(Chief Sales Officers)は、この非常に影響力のあるユースケースを積極的に採用するために、AIの準備とデータ成熟度に投資すべきである。

Reinventing Deal Strategy With AI-Enabled SFA Platforms(AI対応のSFAプラットフォームで取引戦略を再発明)

生成型AIの適応型販売と取引プレイブックの成功した採用は、営業の生産性に新たな利益をもたらし、市場参入(GTM)リソースがどのように割り当てられるかを再分析する機会を提供する。
ガートナーでは、今後数年で、最高収益責任者の35%が、GTM組織の一部として中央集権型の「GenAIオペレーション」チームにリソースを割り当てると予測している。

今後の展望

今後5年以内に営業業務の60%が生成AI技術によって置き換えられるというガートナーの予測を受け、今後企業として、どのようなことに取り組んでいくかが、取り組み例をあげてみました。

生成AIなどのデジタルテクノロジーへの投資と人材育成
生成AIやSFAの導入には、専門的な技術と使いこなせる人材が必要であり、企業は、よりAIへの投資とプロンプトエンジニアリングなどの人材育成に投資する必要があると考えられます。

プロセスの再設計
生成AIによる営業プロセスの効率化や自動化のためには、企業は既存の営業プロセスを見直し、AIが最も効果的に活用できるようにプロセス整備をしていくことが求められるでしょう。

顧客洞察の深化
生成AIによる新しい顧客洞察を提供により、企業はこれらを活用して、顧客に対する理解を深め、より効果的なマーケティング戦略を構築し、差別化を測っていくことが重要となるでしょう。

組織変革
生成AIの導入は、営業組織そのものの変革を必要と、営業・マーケティング・IT部門が連携し、生成AIを前提とした支援組織を構築し、営業の高度化に向けた組織の再設計をしていくことが有効となるでしょう。

倫理とセキュリティ
AI技術の進展に伴い、データプライバシーや倫理的な問題も考慮する必要があります。企業は、これらの側面にも十分な配慮し、ルールなどの設計もしていく必要があるでしょう。

市場の変化にあわせた柔軟な戦略策定
生成AIとSFAの組み合わせにより、リアルタイムでの可視化が可能となり、市場の変化にあわせた柔軟な戦略策定が可能になります。企業は、市場の変化に柔軟に対応するための組織や機能を整備することが重要となるでしょう。

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