今が旬!20年で圧倒的成長をとげた野菜
それはズッキーニです。
農林水産省による出荷量の推移はこの通り
見事な右肩上がり成長をとげています。2020年が最終の数字ですが2010年と比べて2.7倍、20年前の2000年から比べると8.4倍にも需要が増えています。 とはいえ見た目が似ている王道野菜きゅうりの出荷量が55万トンであることを考えると50分の1以下。
国民一人当たりにならすと年間で100gほどではあります。
逆に言うと、ズッキーニという野菜は20世紀日本ではほとんど食されていなかったということになり、まだ伸び代がある野菜と言えるでしょう。
ズッキーニという野菜の基礎知識
1980年代にアメリカからの輸入品が登場し、日本での栽培が始まったのが1990年代、イタリアンやフレンチなど洋食店の食材として徐々にその地位を確立し、2000年代にはいってから家庭にも普及、大ブレイクという流れのようです。
私が居酒屋チェーンのグループ農業法人で農業をはじめた2005年にはすでに居酒屋メニューとしてズッキーニは存在していました。
みなさんはズッキーニをどのように食べているでしょうか?
一番簡単な主役料理は輪切りにしてフライパンに並べてオリーブオイルと塩で両面を焼くだけのシンプルなもの。我が家ではだいたいズッキーニは採れすぎるので、お酒のあてとして毎日のように作ります。
そのほか、脇役的な使い方としてはピザやパスタ、ラタトゥイユやミネストローネという洋風料理ですが、癖のない特徴を生かしてナムルやみそ汁の具や炒め物全般でも使い勝手のいい野菜です。
栽培的にも育てやすい品目です。
見た目はキュウリっぽいですが、同じウリ科とはいえ植物としてはカボチャの一種、ただ多くのカボチャのようにツルでどんどん伸びで行くのではなく、1本の本枝から順々に採っていきます。
高温多湿に弱いので、関東平野では3月か4月ごろに植え付け、5月中下旬からとり始めますが、最盛期には毎日一株から1本とれるほど旺盛に成長します。 そんなわけで、栽培は簡単ですが収穫は基本毎日という収穫期には忙しくなる野菜であるともいえます。夏になると大概は高温多湿で収量も落ち、片づけることが多いです。
カボチャの多くは最大になるまで成長させ、完熟の状態で収穫しますが、ズッキーニはキュウリと同じく未熟で収穫する野菜です。
一般的には20㎝ほどで収獲期ですが、タイミングを逃すと3,4日で50㎝ほどまで成長し、重さで茎が折れてしまうということもあります。50㎝ほどに育ったズッキーニの見た目は砲弾のよう。ずっしりと重く、おいしそうには見えませんがこれはこれで、カボチャや冬瓜のように調理すれば十分食べられます。ただし、家庭菜園など自分で栽培していると毎日のように採れるので、だんだんとズッキーニに飽きてきますので「そこまでして食べなくても・・・」という気分になりがちです。
うちはヤギを飼っているのでその餌としては最適です。
手ごろでオシャレ、ズッキーニの可能性
栽培しやすく大量にとれるため、販売価格も1本100円程度
家庭の食材としても手ごろ感とちょっとしたおしゃれ感もあって、多様な料理方法さえ定着すればさらに需要が伸びる可能性もある野菜といえるでしょう。
さらにグルメな思考でいうと「花ズッキーニ」という食材もあります。
ズッキーニはウリ科ですが、ほかのウリ科野菜、キュウリ、カボチャ、ゴーヤ、スイカなども一つの花に雄しべ雌しべがあるのではなく、すべて雄花と雌花にわかれています。雌花は着花したときにすでに花の付け根に小さな実ができています。
これが雄花の花粉をまとった昆虫などの力で受粉すると、株本が大きくなって、最後は花がポロリと落ちる仕組みです。
受粉するかしないか、あるいは受粉して少し成長した実ごと収穫してしまうのが花ズッキーニ、花付きのまま花をメインにした食材です。
収穫のタイミングや品質保持が難しいので飲食店で扱う場合は高級料理となってしまいますが、家庭菜園などで育てる分にはこちらも毎日のように収穫できます。
大きな花にチーズなどを詰め、衣をつけて丸っと揚げるフリットが一般的です。
さすがにこれは料理にしっかりと時間をかけるグルメの世界で、さすがに私はそこまで普段はやりません。
そんなわけで、土日に何を食べようかなと迷っている方々に向けて、今が旬のズッキーニのうんちくを紹介しました。
うんちくも噛みしめながら、ぜひ旬のズッキーニを味わってください。
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