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2024年3月23日 公開

【遺言】有名ベンチャー破綻。グリーンビジネスの「過酷な現実」

服の大量廃棄が世界的な問題になる中、リサイクル素材の量産体制を構築し、巨額の資金を集めていたトップランナー「Renewcell」が破産を申請しました。伝書鳩TVは破産直前の経営幹部を直撃し、破綻の裏に何があったのかを聞き出すことに成功。赤裸々に語られた過酷な現実を通して、グリーンビジネスの未来を探ります。

<出演>
Ray:鳩山玲人(鳩山総研所長/投資家)
Nao:後藤直義(NewsPicks編集部)
Yuzu:岡ゆづは(NewsPicks編集部)
(デザイン:國弘朋佳/撮影・音効:栗原良介/ディレクター:伊藤大地/制作補:阿部沙耶香、柳橋泉紀/プロデューサー:小西健太郎)
出演者:
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2021-2022年、アメリカだけで年間5兆円という空前の気候テックスタートアップへの投資があり、環境先進国である北欧などでは、グリーン分野のユニコーン などが登場しました。 世界初のリサイクルファッション素材の量産化に成功したリニューセルも、そんな注目ベンチャーとして上場しました。

バックには、ファストファッションのグローバル企業のH&Mもついて、サーキュラーエコノミーのモデルにも思えたこの会社が、私たちのインタビュー直後に倒産しました。彼らが最後に残した、グリーンビジネスの誤算とはなんだったのか。日本にも大きな示唆のある内容で、ぜひご視聴ください!
日本のスタートアップが成長しない理由として、スタートアップ企業と大企業の連携が上手くいかないこと、大企業がスタートアップへの投資が進まないことが、大企業が最初からパーフェクトを求めてくることが言われていましたが、欧米も同じなんですね。
消費者の理解が進まないと難しいことがよく分かりました。
お金から考えて、とても興味深い事例。
Renewcellが1億ドルかけて工場投資をして量産にこぎつけた状況であることが動画の中で分かる。一方、革新的な技術の可能性があるかもしれず、かつ1億ドルに過ぎない投資で量産にまで至っているのに、救う投資家がいなかった。破綻させるほうがリスクは少ないが、一方で破綻前の救済であれば確実に手に入れられるわけで。
世界の様々なZ世代のアンケートだと、環境配慮製品のニーズは極めて高い。配慮するための色々な方法はあるが、フルリサイクルのコストは、アパレルブランドが求められる対応や需要とバランスしたコストで現段階ではフィットしないのだろう。そして、そこがグリーンウォッシュとかともつながる。

なお、Re:NewCellは2020年にストックホルム証取に上場していて、時価総額は半年前300億円ほど、ピークでは約1000億円。
量産ができるようになり、1四半期当たりの売上は現在は約10億円。ただ粗利レベルで損益分岐点にようやく到達し、営業利益・EBITDAの両方で約10億円の赤字。有形固定資産が200億円以上あり、株主資本は約100億円あるが、有利子負債が150億円超。
工場の稼働率や歩留まりは分からないが、フル稼働であれば価格を倍にしてようやく損益分岐。逆にそうではないなら、色々改善の余地はあるかもしれない。そして衣服はブランドの方向にもよるが、ファストリで原価率50%、Inditex(Zara)で原価率45%くらいの産業。もちろんこれは加工費とかを含む。
着心地が改善して、ベーシックな製品で使えるようになると、ユニクロに良いかもとも思う。着心地などに妥協しないが、規模もあり、ベーシックゆえにファッションサイクルには相対的に左右されにくい。繊維パートナーの東レなども含めて、将来的な動きも含めて見ていきたい。
異物がなく異素材がない状態の均一な性質の廃製品が大量に揃い、好条件の買取が保証される場合には、高度なリサイクルでも採算が合うかもしれません。

しかし、そのような条件が揃うことは少なく、ましてや様々な異素材が糸レベルで絡み合い、異物も当たり前のようについており、同じ商品が一度に回収されることが少ないという特性をもつ衣服を素材リサイクルするとなると、安定的な品質を担保しつつ赤字にならないように操業すること自体が難しく、株主や債権者の期待利回り以上の成果を出すことは、なおさら大変だと思います。

イノベーションで解決できればいいのですが、通常のビジネスの時間軸で経営していると、そのような技術開発に行き着く前に体力が尽きてしまいます。

このような意味では、別の収益性のある基盤事業を維持しつつ、投資にまわせる範囲の資金から技術開発を行っていける企業は、グリーンビジネスと親和性が高いようにも感じます。スタートアップの場合は、長い目で見てくれるパートナーが必要。いずれにせよ、注目の技術をもつ企業であっただけに残念ですね。
「世界は意識低い系で動いている」という指摘、ど真実ですよね。
SHEINがあれほど訴訟を受け批判されながらも利益を上げ続けて成長していることからも、意識高い系の声高な倫理観と、現実の多くの人々の行動のギャップをまざまざと見せられている思いがしてました。

で、このRenewcell。意識高い系の需要にかなう、循環型リサイクル素材サーキュロースの量産工場。表向きは間違いなく時代の要請をとらえているんだけど、消費者がついてこない、ひいては投資家が逃げて倒産。とはいえ確実に近未来に必要とされるビジネスなので、高品質なものを作れる技術にまで洗練された暁にはぜひ応援したいです。New Renewcellに期待します。消費者の意識の成長もみきわめて、タイミングよく登場してほしい。

今回も3人が駆使する言葉のセンスとリズム感が最高で、内容もエッジが効いてよかったですが、エンタメとしても聞き入ってしまいました。
着古したジーンズやコットン素材をドロドロに溶かして、新素材に生まれ変わらせるベンチャー、renewcell。H&Mやリーバイス、ZARAなど名だたるブランドとコラボし、量産にこぎ着けた同社。グリーンビジネス界隈で注目のスタートアップが、今年2月に破産しました。
誤算はどこにあったのか。破産直前の経営幹部インタビューはとても示唆深いものでした。ぜひご視聴ください。
メーカーの見通しが甘かったのでしょうね。「成長を見て欲しい」「検討・稟議の長さは想定外」など節々に出る言葉も、後出しでこんな言い訳聞かされたら投資家が失望しても仕方ないように思われます。

とはいえ、アップサイクル推進の難しさ自体は私達も身をもって実感しているものでもあり、動画内担当者の話(というか愚痴?)はなかなかリアルに響きました。

「環境・人権配慮」への意識自体は現場レベルでも年々確実に高まりつつあります。ただ肌感としても、未だ採用判断を左右するほどの直接的な決定要因にはなり得ていないように感じます。どちらかと言えば対ステークホルダーへの活動報告を見据えた限定的なカジュアルテーマに近い印象と受け止めてます。

多くの訪問企業が「遅かれ早かれ取り組まないといけないテーマだ」と口々に言い、内心では企業責任として"仕方なく"取り組まないといけないテーマと考えている。これを自発的かつ積極的な姿勢にシフトさせるには強力なトリガーが必要です。

このトリガーこそが差別化された品質と価格競争力。エシカルをねじ込む後発勢力は、知恵を絞って既存の不分別もしくは非配慮型素材・商品を超える品質&コスパなどの差別化・価値を生み出していく必要があります。それ無くして同じ土俵では戦えません。

一見これは理想論に聞こえるかもしれませんが、結局は真理です。良い品質で納得するコスパだから手が伸びる。見るべきはその本質だけで、良心に訴える御涙頂戴戦略は確実にコケます。

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