ワーケーションは、仕事で活かせるか? 良い成果を出せるか? ワークエンゲージメントは高まるか?
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、やや落ち着きつつある中、あらためて、ワーケーションが注目されています。
ワーケーションとは、仕事(Work)と休暇(Vacation)を組み合わせた新しい働き方の一つです。テレワークが一般化した現代において、このスタイルは多くの人々にとって魅力的な選択肢となっています。
私自身は、ワーケーションとはいきませんが、普段は自宅の群馬県高崎市の自宅から仕事をしています。東京に行くのは、平均で月数回程度です。
ワーケーションは、リモートワークが可能な環境さえあれば、都市部から離れたリゾート地などで働くことができます。これにより、仕事とプライベートをより効率的に、かつ充実した形で両立することもできます。
特に、ストレスの多い都市生活から逃れ、自然環境でリフレッシュしながら仕事をすることで、クリエイティビティや生産性が向上するといった意見も聞くことがあります。
しかし、その一方でワーケーションには計画性が求められ、仕事の成果は個々の自己管理能力と環境設定に大きく依存します。
パーソル総合研究所は2023年9月12日、「ワーケーションに関する定量調査」を公表しました。
本調査では、観光庁が公表している定義に基づき、「ワーケーション」を以下のように定めた。
普段の職場や自宅とは異なる日常生活圏外の場所で、仕事(テレワーク)をしながら自分の時間も過ごすこと。
本調査結果から、ワーケーションの仕事への効果を中心にとりあげたいと思います。
ワーケーション中の約44%を有給取得
「ワーケーション」を個人単位で行うワーケーション(個人ワーケーション)と、グループ単位で行うワーケーション(グループワーケーション)に分け、ワーケーション期間中に有給休暇を取得した割合を聞いたところ、個人・グループワーケーションのいずれも約44%という結果となっています。
ワーケーション中に「仕事で活かせる」と感じた割合は4割前後
ワーケーション中に「職務効力感(今回の経験を経たものが、仕事で活かせると思った)」を感じた割合は4割前後と、通常の観光(観光群)よりも20pt程度高くなっています。
一方、「健康回復(今回の経験を経て、日頃の疲れを癒すことができた)」は観光群よりも20pt程度低くなっています。
ワーケーション後、4~5割は仕事において良い変化や成果を実感
ワーケーション後に仕事における意識の変化/行動の変化/成果があった割合は4~5割で、観光群よりも30pt程度高くなっています。
ワーケーション後、4~5割はワーク・エンゲイジメントの高まりを実感
ワーケーション後に、はたらくことを通じて幸せを感じるなど「はたらく幸せ実感」が高まった割合は約5割であるが、観光群との差異は特段見られません。
一方、ワーケーション後に「ワーク・エンゲイジメント」が高まった割合は約4~5割で、観光群よりも15pt程度高くなっています。
分散型組織では、個人よりグループでのワーケーションのほうが有効
組織のタイプ別にワーケーション後の組織コミットメント、仕事における意識・行動の変化や成果、ワーク・エンゲイジメントを見たところ、PCやネットなどを利用しながら、メンバー同士が地理的に離れた場所で活動する組織(分散型組織)は、いずれもスコアが最も高く、特に個人ワーケーションよりもグループワーケーションのほうが高まる傾向となっています。
まとめ
ワーケーションという、この新しいライフスタイルが持つ無限の可能性がある一方で、成果やワークエンゲージメントなど、評価や検証がまだまだ必要となるでしょう。
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