あの「やばい」発表から1年
あの「やばい」発表から約1年が経ちました。
Fortniteのクリエイティブ2.0「UEFN」(Unreal Editor for Fortnite)Fortnite(FN)とUnreal Engine(UE)が合体するというもので、FNのクリエイティブ制作においての“急な自由度アップ”が多くのクリエイターに夢のような期待と、反面、技術的なアップデートについていけるのか、という不安をもたらしました。
「やばい」発表から1年 何が起こったのか?
(1) EpicGames(FNの運営会社)の業務提携が増加
Fortniteを運営するEpicGamesはディズニー、LEGOなどとの提携を発表しました。
メタバース業界におけるIP合戦は激化していて、これらの魅力的なIPをもつ企業との業務提携ニュースは、業界に大きなインパクトを与えました。
ディズニーはゲーム開発はもちろんですが、映像開発にもEpicGamesが運営しているアンリアルエンジンを使った映画などを作る可能性があります。そのうち、UEFNを利用した映画や、「映画」「アニメ」に代わる新しいコンテンツとしてメタバースを利用するなど、エンターテインメントコンテンツの革命的進歩が見られるかもしれません。
LEGOとの取り組みはさらに進んでおり、Fortnite内でLEGOのコンテンツが基本プレイ無料で遊べるだけでなく、UEFNでもレゴのゲームの製作が可能となっています。ゲームの収益はクリエイターだけでなく、一部LEGO側にも支払われるため、今後同じ座組でのグローバルIPのFortnite進出が考えられます。
IPを保有する企業からゲームメタバースに対しての注目度・期待値が、グッと上向いていくでしょう。
(2) 一般企業・自治体の参入が増加
この一年で、大手企業や自治体のFNへの積極的な進出が目立ちました。
例えば、三菱地所、日産、ナイキ、東京ドームなどの企業や、東京都渋谷区、熊本県、和歌山県、茨城県等がFNに新規参入し、オリジナルマップを公開して話題を呼びました。
このタイミングで様々な企業、団体、自治体が参入した理由は、
・UEFN発表により、FNのマップ制作が可能なクリエイター数が大幅に増加し、制作のハードルが低下したこと。
・マップ制作の自由度が向上し、企業や自治体が望む形でのマップ制作が可能となったこと。
そして何より
・メタバース施策の慢性的な課題である集客コストを下げられるポテンシャルが高いこと
今まで、制作の自由度・コスト面等でメタバース進出を踏みとどまっていた企業・自治体も、このタイミングで、やっと蓋然性のあるメタバース進出が叶ったのではないでしょうか。
(3) 一般クリエイターがFNのクリエイティブに参入
この1年で、FNプレイヤー以外の幅広い人たちが、UEFNに参入しました。
これまでは、FNを好きな人や、よくプレイする人たちがFNのクリエイターになるが主流でしたが、UEFN発表後は、3Dモデルのモデリングをやっていたクリエイター、Unreal Engineのエンジニア等、それまで別の分野で活躍していたクリエイターたちが、UEFNに積極的に挑戦・参入しました。
そして今、ますます多くの異なるクリエイターが素晴らしい仕事をしています。
・声優(キャラクターに声優の声を吹き込んで、キャラの個性を引き立てる)
・作曲家(オリジナルの楽曲を挿入して、ストーリーを深化させる)
・2Dデザイナー(キャラクターデザインや背景などを制作)
※声優を起用したゲーム事例
また、全国各地でUEFNクリエイターになるための教室が活発に開催されています。今後も、このような教室や参加者は増加する見込みで、これからUFENに挑戦してくるであろう潜在層も広い世代に多くいる状態にあります。
次回は『絶対解決しなければならない課題』
絶好調に思えるUEFN界隈ですが、さまざまなアウトプットが出るなかでも、絶対解決しなければならない課題がいくつか顕在化してきております。
FNのオリジナルマップ公開のハードルが下がり、企業・自治体が参入しやすくなったことは確かですが、そのマップへの“集客”やメタバースを活用した“マネタイズ”に関する課題は未解決です。
次回は、この慢性的に残る課題に焦点を当ててお話します。
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