リーダーシップとは「納得」への導き。そのために磨くべきスキルは？

現代のビジネス環境は複雑で変動に富みます。チームとして成果を出すには、リーダーは指令を出すだけではなく、部下たちの自発的な行動を促すことが不可欠です。

その自発的な行動は、「納得感」によって引き起こされると言われています。納得感が行動に与える影響に関する研究は多く存在しており、よく耳にする「モチベーション」もその文脈の一つのキーワードです。

今回の記事では、現代のリーダーが「納得」を部下に与えるべきである理由に焦点を当て、そのためにリーダーが磨くべきスキルとして注目の「ファシリテーション」を取り上げます。

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リーダーシップの変化

昔ながらのリーダーには「命令」、つまり絶対的なカリスマが求められてきました。しかし現代のリーダーは、部下たちがただ従うだけでなく、その行動に納得し、自分自身で意欲的に取り組むことを望んでいます。この変化の中で「納得感の醸成」が新たなリーダーシップのキーワードとなってきたのです。

「納得」を生み出すために不可欠なのが、「ファシリテーション」のスキルです。ファシリテーションは、議論や意思決定のプロセスを促進し、参加者たちが自発的にアイディアを出し合い、解決策を見つける手法です。これをリーダーシップに組み込むことで、部下たちが組織の目標に納得しやすくなります。

【ファシリテーションが成果に影響する事例】目標や戦略策定、MVV策定、チームビルディング、横のつながり強化、アイディエーション、スキルアップ、課題解決　etc.

会議の進行方法など学ぶ機会はあまり多くはありませんが、とても重要なスキルなので意識して学ぶことをオススメします。私自身も誰にも教わることなく正解が分からず行っていましたが、改めて言語化された先人たちの知見を学ぶことで、より高い品質に近づいたと実感しています。

実際のところ、ファシリテーションは高度な思考力、理解力、表現力を必要とするため学んだからといってすぐに上手くできるようになるスキルではないと思います。知識をインプットしたら、あとは実践で技術を磨いていくしか方法はないのです。

この記事では実践で使えるファシリテーションの流れに触れておきます。

ファシリテーションの実践では以下の流れを常に意識します。

1. 質問する
参加者の考えを、質問の幅を狭めてみたり広げてみたりして引き出します。

2. 理解する / 共有する
参加者の答えを自分なりに理解し、「＠＠さんのおっしゃっていることはこういうことですよね？」とホワイトボードなどに書き出しながら発言者へ確認します。

3. 整理する
発言には、論点が複数あったり、論点と意見が混じり合ったりすることが多々あります。論点と意見を整理していきましょう。

例）
論点：予算、品質、スピード...など。
意見：予算が取れないと思う、品質が最も大事、スピードを重視すべき...など。

4. 選択する
今、話し合うべき論点を選択し議論を深めていきます。

5. 結論をまとめる
どこまで合意できたか、またはできていないかを整理し、次のアクションをまとめます。

1~5の流れごとに長年の研究で明らかになっている技やファシリテーター個々の技がありますが、その辺りはまた別の機会に書くことにします。

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ファシリテーションを身につけることで、チームの「納得感」を高めることができます。そうしてリーダーは部下たちとの信頼を築き、共に目標に向かって進む力を引き出すのです。

覚悟ってのは、どこかでぽきりと折れちまったりする。納得っていうのは、どんなに曲げられても、折れやしねえんだよ。

北方謙三「楊令伝二辺烽の章」

こちらは、全51巻からなる「大水滸伝」シリーズ（北方謙三著）の一節です。ファンの間では原作の水滸伝を超えるといわれる大作です。※革命の物語と言われていますが、私はビジネス書だと思っています。

志を持ったリーダーのもとには、様々な部下が集まります。組織が大きくなるにつれて、部下の中には、志よりも仲間、友達、家族、そして納得感を大事にする人物が出てくるのです。そこで部下の一人が言ったのがこの言葉でした。

組織が大きくなると「志」という動機は一部のものとなって薄れることがありますが、「納得」は人を突き動かす強い動機になるのだと思います。

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