自由ヶ丘のイオンは、すでに「イオン」ではなかった
自由ヶ丘にイオンモールが出来ると初めて聞いた時には、あーあ自由ヶ丘らしさがますます失われていってしまうだろうな残念だなと感想を持った。特段自由ヶ丘に特に思い入れが強い訳では無いのにバブル世代である僕にとっての自由ヶ丘は"オシャレでオピニオンリーダーが集う街"そんな印象だったから。
仕事仲間が近辺に住んでいるため、ここ数年自由ヶ丘の小洒落たカフェなどでランチ やミーティングなどのため、時折自由ヶ丘に訪れる機会も多々あり、駅前にはマクドナルドや富士そば、コメダ珈琲などなど全国チェーンが少しずつ増えていって他の街と同質化していくのを肌で感じていて、イオンモールはまさにそのダメ押しだなと思いながら買い物に行ってみた。
「JIYUGAOKA de aone」(自由が丘 デュ アオーネ)、は結論から言うと街の同質化とは逆に自由ヶ丘らしさをギュッと詰め込んだモールになっていてビックリした。
「Three little song birds」、食器・雑貨・調味料などを扱うライフスタイルショップでまさに自由ヶ丘ショッピングの王道的な店舗。
飲食店でも、サンマルクのクロワッサン専門店「RISTRETTO&CROISSANTLABORATORIO」や果物店の老舗である青木商店の「一果房」は、毎月の旬の果物1種類に特化したのみをテーマにしたジュース・パフェなどのイートイン付きのカフェとなり、自由ヶ丘にしかない新業態が目白押し。日本製のデニムを扱う「ロジュモンドクレール」のアパレルブランドなど自由ヶ丘らしいテナントが多数出店されている。
店名も覚えられないほど、オシャレな感じがまさに自由ヶ丘らしい。
地下2階には、イオングループでかつ2021年に52年間営業していたピーコックストアがキーテナントとして再オープン。自由ヶ丘の顧客のニーズを知り尽くしており、その品揃えは自由ヶ丘の近隣に住む富裕層を満足させる品揃えとなっている。
時代の変化に合わせて、デリカコーナーではピーコック初導入のピザ専用窯で調理した「ナポリピザ」(全6種、各880円/1ホール)を展開。近隣に住むシニアを含む単身世帯向けに個食中食ニーズにも対応するため、ハーフサイズ・1ピースでの販売も強化している。
イオンモールの変遷と未来
イオンモールの歴史は、 昭和40年代に駅近くのジャスコという名称でGMS(総合スーパー)から始まり、昭和50年代には地方都市で1000台以上の駐車場を備えるようになり、平成には専門店を兼ね備えた巨大なイオンモールと進化していった。
2010年を過ぎると、超高齢化や都市圏を中心に若者の車離れもあり、京都・岡山・旭川など駅前への出店も増やしていった。
イオンモールは、都会と地方のショッピング格差を無くす功の部分と、地方の駅前商店街を衰退させるキッカケともなり、どこのエリアに行っても同じ景色で個性のない金太郎飴化された街となり、らしさを消す象徴になっていった。
そして、今回の自由ヶ丘の都市型イオンモールです。1号店となる自由が丘 デュ アオーネは、そもそも「イオン」というブランドをほぼ消して、当該エリアの自由ヶ丘に来る客層に完全に合わせたモールとなりました。都市型であるだけでは無く、地域密着の顧客に合わせたモールになっていたのです。万人受けでは立ちゆかなくなったモールを、いかにして変化させていくのか、イオンの挑戦とも見えます。まさに小売は変化対応業であることを体現している店舗になっているのです。
消費が多様化する中、その消費を後押しするネット通販がある中、リアル小売業においてもマスマーケットを相手にするビジネスから、ターゲットマーケティングに変換が迫られている。マスを対象にしてきたイオンが今回の自由ヶ丘の都市型モールの自由が丘 デュ アオーネ売上・利益を出せるかが、今後のイオンモールの転嫁の試金石となりそうだ。個店別の利益を積み上げるビジネスモデルへの転換するチャレンジなのかもしれない。
また、憧れの街での非日常のショッピングこそ、節約指向が進む個人消費に今こそ大事かもしれない。そんな自由が丘 デュ アオーネ楽しみに見守り少し背伸びして買い物したいと思います。
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