アフリカのアートに接して価値観に揺らぎを与える
Koyo Kouoh著「When we see us」を読みました。
Koyo Kouoh氏は、南アフリカ・ケープタウンにあるツァイツアフリカ現代アート美術館のExecutive Directorでキュレーター。New York Timesは、同氏についてアフリカを代表するキュレーターとして紹介しています(2015年)。
アフリカの現代アートについての画集です。ページをめくるごとに珠玉のアフリカ現代アートが飛び込んできます。
私は、これまでもアフリカを訪問した際に美術館・博物館を訪問していますが、この優れた画集を見て、改めて以下の点を感じました。
第一に、我々は、白人をモチーフにした絵画に慣れすぎているのではないかということ。
登場するのが黒人ばかりという絵画を見ていると、白人中心志向になっていた自分の前提条件に揺らぎを与えてくれます。無意識の中に、アートは白人による白人を描くものと思い込んでいたのではないかと。
第二に、原色を使った独特の描き方。
アフリカはファッションでも、街並みでも、原色が鮮やかに使われることが多くあります。フランス出身のマチスは、アフリカアートの影響を受けたと言われています。フォービズムと言われる独特な境地を開いたのです。
第三に、貧困、人種問題、汎アフリカ主義など現代アフリカの抱える課題が多く扱われていること。
現代アートは、社会を映す鏡。現在のアフリカを知るにはアフリカの現代アートを見ると良いのです。
これまでの価値観に揺らぎを与えてくれることは間違いありません。
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