「アート思考」には徹底的なリサーチが必要:日経新聞「私見卓見」に『DXで「アート思考」を深めよ』を寄稿

2023年7月7日
全体に公開

「アート思考」は、革新的なコンセプトを創出するために自らの興味・関心から発展させる思考方法です。しかし、革新的なアイデアはただ思いつくものではありません。そのためには、徹底的なリサーチが欠かせません。

徹底的なリサーチで生まれる革新的コンセプト

「アート思考」という言葉は、現代アートのアーティストたちが作品を制作する際に発揮する思考方法に由来します。彼らの創作プロセスをヒアリングする中で、興味をもった事象について徹底的にリサーチし、その事象の本質に迫ることで革新的なアイデアが生まれることが分かりました。アーティストたちは、現場に赴き表に出てこないような情報をも集め、頭の中でアイデアを練り上げる過程で、飛躍的な発想が生まれると述べています。

ビジネスの世界でも同じことが言えます。たとえば、コロナ禍で東京都内にガチャマシーンが増えたことに興味を持った人がいました。最初にネットで調べたところ、ディドロ効果(全部揃えたくなる)と呼ばれる心理現象がガチャマシーンの人気に関与していることが分かりました。しかし、これは既に広く知られている情報です。

革新的なアイデアを生み出すために、この人は、自身でもガチャマシーンを試してみました。そこで気づいたのは、どんなものが出てくるか自分ではコントロールできないという点でした。さらに、出てきたアイテムをより魅力的に見せるために、アクセサリーを自作し写真を撮りました。これにより、出てきたものをどう活用するかは自分自身で決定できるという発見をし、「遊び相手になる神様」というコンセプトを生み出しました。

Photo AC: 撮影 えのき5858

徹底的なリサーチには余白が必要

このような実験やリサーチには時間がかかります。リサーチの時間を確保するためには、日々の仕事や生活の中で余白を作ることが必要です。

この「余白」の重要性について、『DXで「アート思考」を深めよ』というテーマで、日本経済新聞の「私見卓見」に寄稿しました。この記事は、2023年7月7日付の新聞紙面および電子版で掲載されています(有料記事)。

「デジタルトランスフォーメーション(DX)」と「アート思考」は、一見すると真逆の概念のように思えますが、実は「余白」という繋がりがあります。DXで効率化することで「アート思考」に必要な余白が生まれます。

「アート思考」は創造性と革新性を促進し、ビジネスの競争力を高める重要な要素です。余白を設けて「アート思考」を駆使し、革新的なコンセプトを創り出していただきたいと思います。

Pexels: Photo by Anna Nekrashevich

トップ画像:Pexels: Photo by Terry

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