ホーム
0フォロー
0フォロワー
日本語に謎が多くて、ごめん遊ばせ【知の先駆者たち:役割語編】
NewsPicks Studios
吉里 圭由
先生が役割語に対してとても楽しそうに話すのが印象的でした。ロリババアという最近なにかと話題になっている単語から一世を風靡しているVtuberまで、本当に広義的な「言葉」を研究していることが伝わってきて聞いている側としてもとても楽しかったです。 「本官は…」などの3人称的な1人称を使う時は、自分を「自分としての自分」ではなく「その立場としての自分」に強い意識(誇り?)があるのではと話を聞いていて思いました。こういった表現を無意識的に行えるのは役割語の大きなメリットだと感じます。 また外国での役割語についてもお話しされていましたが、外国の役割語では(言語が使われている範囲が広いということもありますが)人種や国籍によるものが多いことが印象に残りました。これはその言語の使用者がどこにアイデンティティを持つかに影響されているのではないでしょうか。 また様々な人称の自然さ、不自然さを利用した表現というのは、アニメキャラなどに使われる「解釈一致」というものにつながると感じました。その人物の言動から言葉遣いを決めるだけでなく、逆に言葉遣いから言動を想像していくのは日本語独特のように思います。 人種差別に強い意識が向いていた時代を経て個々人のアイデンティティを尊重する時代へとなっている現代では、役割語は少し逆風かもしれません。ですがそこから生まれた日本の文学作品が数多くあり、それらがいまでも多くの人に読み親しまれていることからも、「差別」ではなく「自己表現」の手段として役割語がみなされ、活用されていってほしいとこの番組を通して感じました。
370Picks
NORMAL