米TIME誌、最も影響力のある企業100にみる合成生物学
米タイム誌が、2023年の最も影響力のある企業100を発表しました。
https://time.com/collection/time100-companies-2023/
このリストは米国TIME誌が、2021年から毎年、世界に大きなインパクトを与えている企業を取り上げて作っているものです。今年の話題は、このTIME誌の表紙にもなっているOpenAIのサム・アルトマン氏なのかもしれません。
この100社の中には、合成生物学とも関係した企業もいくつか含まれています。今回はこれらを紹介してみたいと思います。
Colossal Biosciences
George ChurchとBen Lammによって、2021年に設立。ウーリー・マンモス、タスマニアン・タイガー、ドードーを遺伝子工学的に復活de-extinctionさせることに取り組んでいるバイオテクノロジーの企業。
LanzaTech
もともとニュージーランドで設立されたが、2014年に米国イリノイ州に本拠地を移した。排出廃棄物を化学物質に変換するプラットフォームを顧客に提供することでさまざまな事業を展開している。一酸化炭素と二酸化炭素から20種類の化学物質と、ジェット燃料を含むいくつかの燃料を製造する概念を開発。酢酸生成菌を用いて一酸化炭素をエタノールなどの化学物質に変換するバイオテクノロジーのプラットフォームを商業化している。この事業に関わったJennifer HolmgrenがCEOとなっている。
Google DeepMind
Alphabetの人工知能子会社である。2010年にDeepMind Technologiesとして起業され、2014年にGoogleによって買収された。コンピュータ囲碁プログラムAlphaGoやタンパク質構造予測プログラムであるAlphaFoldの開発がよく知られている。神経科学にバックグラウンドがあるDemis Hassabisは、2023年生命科学ブレイクスルー賞、医学系のガードナー国際賞(同社のJohn M. Jumperと)を受賞している。
Seres Therapeutics
https://www.serestherapeutics.com/
モデルナの共同創業者としても知られるNoubar AfeyanとDavid Berryによって設立されたマサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置くマイクロバイオーム治療薬企業。マイクロバイオームの欠乏に起因する疾患の治療のために、生きたバクテリアを用いた新しい治療法を開発している。
その他
Bristol Myers SquibbとInclusiveな創薬研究、Novo Nordiskと今話題の肥満治療薬、IBMと量子コンピュータを使った創薬、TAZOなどとリジェネラティブ農業(環境再生型農業)、Polygon Labsとブロックチェーン技術、Generation Geniusと科学教育、Blindとテック企業労務管理・相談など、他にも興味深いものがあります。
こういうリストを見ていると、世界の企業の方向性が見えてくるような気がします。
「合成生物学は新たな産業革命の鍵となるか?」担当:山形方人
【Twitter】 https://twitter.com/yamagatm3
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