問いをなげかけ、問いをアップデートする
みなさんこんにちは、合同会社メッシュワーク共同創業者の水上優です。
この連載では、人類学を学びその視点をビジネスに接続しようと日々活動している私が日常生活で出会う様々な事柄をより多視点的に、多角的に考え、問いをなげかけ、読者の皆さんと一緒に考えていきます。
私たちは、毎日生きているだけで様々な出来事に遭遇します。例えば、自社の商品を使っている人がどんな人かわからない、思春期の息子とうまくコミュニケーションができない、マッチングアプリに疲れてしまった、などなど。今さらっと一文で書いてしまいましたが、これらの事象をもっと詳しく考えるにはどうしたら良いのでしょうか?
「あるよね〜」「しょうがない」「そんなこともある」で終わらせずに、あと一歩踏み込みたいと思います。そのために、問いを立てるということをやってみたいと思います。
探索、リサーチ、新規事業開発、研究などは複雑な現実に対して「問い」を立てることから始まります。例えば人類学では「人はなぜモノを贈り合うのか」「亡くなった人を社会としてどのように扱っているのか」「ものづくりをする人はどうやって生きているのか」などの問いに答えようとする形で研究が始まることがあります。
ビジネスの文脈でも「問いを立てること」の重要性は日に日に増していると考えられます。変化が激しく、未来が見通せないとよく言われますが、それはわかりやすく全員が共有している「問い」が少ない、ということでもあります。かつては「他社より多く売るためにはどうすれば良いか」などの単純でわかりやすい問いを持っていれば、ビジネス上の課題に対処できていました。(一見そう見えていただけだとは思いますが)
しかし、人々の生活や趣味嗜好、それぞれの文脈や状況がバラバラになった時(バラバラに見える時)、大きな問いを一つ持っているだけでは対処できなくなっており、既存の方法論では解決できないことが山積しているのが現代ではないでしょうか。そこで、哲学や人類学など人文・社会科学の重要性が改めて見直されているのだと考えています。
人間や社会はそもそも複雑で、理解しがたいのです。そのような複雑な問題に取り組む際に、これまでよりも個別具体的な「問い」が複数必要だと考えています。
ここでは、「問い」に対して答えようとはしないつもりです。この連載で公開されていく「問い」を読者の皆さんと一緒に考えていきたいです。コメントやSNSなどで解きほぐすお手伝いをしていただけるととても助かります。みんなで考えて行きましょう!
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