米EVメーカーRivian|リビアンが新型SUVを発表!🇺🇸
トピックスオーナーの前田謙一郎です。
以前、トピックスでも紹介したアメリカのEVピックアップトラックとSUVを専門とするEVメーカー、リビアンが新型SUV、R2、R3、R3Xを発表しました。これまでアメリカ市場にフォーカスした大型ピックアップトラックとその派生SUVモデルの展開でしたが、今後のシェア拡大を狙いミッドサイズマーケットへの進出です。
新型SUVのR2はテスラ モデルYと同じセグメントであり、さらにサプライズで発表されたコンパクトなR3と併せ、今後のリビアンの成長の鍵となるモデルになるでしょう。リビアン自体については以前まとめた記事を読んでみて下さい。
リビアンの最新ストア Laguna Spaceで発表
こちらが発表会の模様です。会場になったのはリビアンの最新ショールーム(彼らはスペースと呼ぶ)、Rivian South Coast Theater行われました。イントロのポップなアニメーション、RJの登場、観客も家族連れがいたりして、リビアンブランドの方向性をよく表しています。
— Rivian (@Rivian) March 7, 2024
リビアンはアメリカで人気のあるピックアップトラックを電動化し、アクティブかつクリーン、そのカルフォルニア的ブランディングで人気のあるEVメーカーです。これまで順調に出荷台数は伸ばしてきていますが、多くのEVメーカーがそうであるように黒字化には至っていません。
新型のR2で新しいセグメントへ参入し拡販へ
そして、満を辞して発表されたのがR2。R2はテスラのモデルY、もしくは日産のEV Ariyaと同じようなサイズ感、価格も4万5000ドル(約650万)という設定になり、いわゆるラグジュアリーセグメントに属していたこれまでのリビアンのR1TやR1Sからよりマスマーケットに参入することになります。
実際の市場への投入は2026年の前半とのこと。これまでリビアンは新しくジョージアに工場を作る計画をしており、そこでR2を生産する予定でしたが、この工場計画を一旦中止し、これまで通りイリノイの工場でR2の生産を開始することで出荷時期を早めることにしました。
Take a 360-degree tour of R2. pic.twitter.com/euyJkScRYq
— Rivian (@Rivian) March 7, 2024
気になる機能については0-60mph加速は3秒以下!、航続距離は300マイル(約480キロ)、5人乗りで多くのアウトドアや趣味のギアを積むことができるユーティリティーの高いSUVです。リビアンが目指すアドベンチャーの世界観をより多くの人が求めやすい価格で提供したいというのがRJスカリンジの想いのようです。
第一弾のモデルであるR1Sのボクシーなデザインと同じようなスタイル。このR2は新モデルというだけでなく、新しいプラットフォームとしてこれ使いながらモデルをスケールしていくということでした。
サイプイズ!R2だけでなくさらにコンパクトなR3も登場
そして、発表でサプライズだったのが、R2のプラットフォームを使い全長をさらに短くしたR3の登場でした。これまでR2の発表はすでに予定されていましたが、R3の情報は全くありませんでした。R2よりも5インチ(13センチ)ほど短いようで、このモデルなんか日本やヨーロッパですでに走っていそうな雰囲気の車ですね。
しかし、残念ながらR3の価格については公開されず、実際に車が出てくるのはR2が市場に出てくる2026年の前半と同じかそれ以降になるでしょう。このサイズの車であればセグメントだけでなく、アメリカ市場のみならずヨーロッパや日本などマーケットのポテンシャルも広がります(まだリビアンはアメリカでしか車を販売していません)
最後にはR3Xというよりポップでスポーティーなモデルの発表もありました。この展開からもリビアンはアウトドア的ブランディングを軸にスポーティーなモデルまでマーケットの裾野を広げようとしていることがわかります。
リビアンの今後に期待
上記のようにラグジュアリーEVピックアップからマスモデルを出すリビアンの背景にはやはり会社のファイナンスを改善していかなければならない事があります。
2月に行われた2023年Q4の決算発表ではQ4で15億ドル(1.5 billion)のネットロスが発生し、その後10%の従業員をレイオフするとアナウンスしました。また、下記のチャートにあるように、23年のQ4においては1台の車あたり$43,372、つまり約630万円もの損失が発生しています。もちろん2022年の$124,162という数字からは大幅に改善していますが、今後も販売台数の増加と車両コストやオペレーションコストの低減が課題です。
以下のチャートの通り、生産台数は四半期毎に確実に伸びてきており、2026年前半のR2の発売までは踏ん張りどころというところでしょう。
ラグジュアリーセグメントではコアな人気を誇るR1TやR1S、そしてアマゾンなどの業者へのデリバリーバンの納車を続けながら、2026年前半にR2やR3を立ち上げ更なる拡販をする。私のテスラ時代のアメリカの元同僚も多くがリビアンに移籍しており、今後も応援したいと思っています。R2は日本での販売もしてほしい!
それでは次回の記事でお会いしましょう。
TOP画像:Rivian.com
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トピックスオーナー:前田謙一郎マーケティングコンサルタント&自動車業界アドバイザリー。テスラ・ポルシェなどの外資系自動車メーカーで執行役員等を経験後、2023年Undertones Consultingを設立。
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