心惹かれた「濾過・分離」の未来兆候たち

2024年1月8日
全体に公開

 あけましておめでとうございます。Cobe Associe代表の田中です。

 昨年、とあるきっかけをいただき「濾過・分離精製」に関して幅広に調べものをする機会を頂きました。せっかくなので、その際に私がグッときた面白事例をここにまとめておこうと思います。ばらばらと書いていくので、見出し単位で興味があるものだけピックし、お手元でも深掘りしてみてください。

面白①:洗濯機でマイクロプラスチック繊維を除去

 ペンシルバニア大学工学部応用科学科出身のメンバーが立ち上げたスタートアップ・Baleenaは、合成繊維の衣類を洗濯する際に放出されるマイクロファイバーを捕捉するための洗濯機開発に取り組んでいます。ランドリーボール形式でテニスボールほどの大きさを想定しているとのこと。パタゴニアなど企業とのパートナーシップも模索しているとのこと。

 イギリス・ブリストルを本拠地とするスタートアップ・Matter社なども同じコンセプトで製品開発中。

面白②:自動車をエアフィルターにする

イタリア・ローマに拠点を置くスタートアップ・bufagaは、車両に搭載可能な空気フィルター装置を開発しました。自動車、バス、電車の動きによって発生する気流を利用して、空港や港湾がある地域で起こりがちな大気汚染を防ごうとしています。また、駐車場や交差点に設置するための据え置き型フィルターや、地下鉄用のソリューションも開発中とのこと。

面白③:活性炭で金を回収する

 日本でもおなじみの活性炭は、その吸着特性によって、水中の汚染物質を除去したり不純物を濾過したりすることに利用されます。さらに、空気浄化、廃ガス回収(化学工業におけるガスベンゼン回収など)に利用されることもあります。

インドのCG Carbon社が提供する活性炭製品は、金鉱で、金、貴金属、レアアース、卑金属、ウラン、銅、ニッケル、亜鉛等を効率的に峻別・回収するために利用されているとのこと。調べてみると、反応触媒担体として活性炭を活用するんですね。ド人文系の私、また一つ勉強できました。

面白④:患者の血流から病原体を直接除去

 磁気薬剤濾過という技術の下、有害物質を標的とする抗体でコーティングされた磁性粒子を使用してターゲットとなる有害物質を透析の要領で除去するんだと。敗血症やマラリア、白血病などへの応用が期待されているとのこと。

面白⑤:ワインを濾過して二日酔い(の一部)を防止

 PureWine社が開発した小さなパドル型の器具。これをボトル等に入れて、3分間かき混ぜるだけで、ナノ細孔樹脂技術を通じてワインに含まれる亜硫酸塩防腐剤とヒスタミンが除去され、飲み過ぎ以外を原因とする二日酔いを緩和できます。

 下記事でも語られているケルセチンも除去してくれるのだろうか...??

赤ワインを飲むと頭痛がする人がいるのはなぜなのか? - GIGAZINE

面白⑥:副流煙をほぼすべて除去する携帯用喫煙フィルター

 米国のスタートアップ、Philter Labsは、タバコやベイプ用の小型フィルターを開発。5段階のろ過プロセスを通じて排出ガスを分子レベルで分解する独自のフィルタリングプロセスを採用。その技術は微粒子、汚染物質、VOCを捕捉・溶解し、その結果フィルターから排出される空気を浄化するぞと。ほとんど副流煙が出ないし、周りに匂いももれないんだと。この技術力が本物なら、どこかのタバコ会社や大麻企業などが買収に走りそう。

面白⑦:患者を透析から解放する人工腎臓

 こちらはまだ実証の段階。カリフォルニア大学サンフランシスコ校のチームが、いくつかの重要な腎臓機能を代替する人工物が安全に動作することをブタで検証。最終的には、体液のバランスをとったり、血圧を調整するホルモンを分泌したりといった重要な働きをするさまざまな腎臓細胞をバイオリアクターに充填し、血液から老廃物をろ過する装置と組み合わせる予定。今後ヒトを対象にした試験に移っていく予定とのこと。

 このチームの他にも、シアトル大学等、複数のチームが人工腎臓の課題に取り組んでいます。

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