成功は、失敗の塊。

成功した事例を話すと、「成功したポイント」を知りたがり、それをメモしたり覚えようとしたりする人がいます。失敗した事例を話すと、「失敗したポイント」を知りたがり、メモしたり覚えようとしたりする人がいます。

たしかに、「成功事例＝成功した話し」「失敗事例＝失敗した話し」という「単純化」は分かりやすいでし、そうしないと結局何の話しだか分からないということになりかねません。ただ、分かりやすさと引き換えに、「極端に事実が薄まっている」、もしくは「粗方の要素を削ぎ落している」という側面があるのも事実です。

成功と言われているモノゴトの成分の多くは、じつは、ほぼ失敗が占めています。

氷山の一角のように成功部分が見えているだけで、より重要なのは見えていない大部分、つまり、試行錯誤・悪戦苦闘・紆余曲折の部分です。

一方、残念ながら失敗に終わってしまったエトセトラにも、必ず、良かった点、次に活かせる点、これまでにない貴重な学びが含まれていた筈です。

現実のモノゴト、生身の事業は、かくも複雑で多面である、ということです。

だからこそ、「複雑で多面なものを複雑で多面なままに理解し吸収し糧とすることも大事」ということを、ぜひ、お大事に。