古代ギリシャのアゴラに学んでほしい岸田首相
以前ギリシャのアテネに行ったとき、最初に訪ねたのはアゴラの跡地でした。アゴラとは、古代ギリシャにおける公的空間である広場のこと。民会と呼ばれた議会や対話、商取引などが行われていました。
ここでソクラテスやプラトンといった哲学者が、対話を重ねたと思うと2000年以上の時をタイムスリップしたよう感覚に襲われました。跡地に過ぎないとはいえ、今も残っているのは凄いですね。
アゴラでは、年齢も国籍も収入、性別も関係なく、自由で平等な対話が行われたのでした。ソクラテスが、あの有名な「無知の知」を体得したのも、このアゴラでの対話からでした。
アゴラの近くに劇場跡もありました。
「古代でも劇場があるとは、優雅なものだな」と思うと、古代ギリシャにおける劇場の意味を誤解するかもしれません。
古代ギリシャの「公的世界の中心には、民会、劇場、法廷があった」(伊藤邦武他「世界哲学史1」)と言われる通り。劇場は議会や裁判所に並ぶ存在でした。
古代ギリシャでは言葉でもって、多くの人を説得することが重視されていました。劇場が、言葉の競演の場であり、政治において大衆を説得する場だったのです。
自分の立場を守ることに汲々とする政治家に対して、「あなたは何のために政治家になったのか」といった質問に対して答えるセリフもあったことでしょう。
減税をはじめ説得性に疑問符の岸田首相。古代ギリシャにタイプスリップして、言葉の競演について学んで来たらどうでしょう?
※写真は、古代ギリシャの遺跡(Unsplashより)
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