大人気「スイカゲーム」生みの親、実は東大発スタートアップ
Nintendo Switch向けパズルゲーム『スイカゲーム』が急激に人気を集めています。
2021年にリリースされ、国内累計DL数は200万なのですが(10月18日時点)、このうち100万は2023年9月からの1ヵ月。もう100万は10月に入ってからの10日間と、驚異的な勢いでDL数が増加しています。。
このゲームは国内家庭用プロジェクターでNO.1の『Aladdinシリーズ』を展開する「Aladdin X(アラジンX)」が提供していますが、いずれも東大発のスタートアップ「popIn(ポップイン)」が開発して、事業譲渡したものなんです。
国内NO.1のプロジェクター、大ヒットゲームの両方を生んだ、popInとはどのようなスタートアップなのでしょうか。
☕️coffee break
『スイカゲーム』は、落ちてくるフルーツを同じ種類のフルーツにぶつけて進化させる。それを繰り返して、ハイスコアを目指していく、シンプルなパズルゲームです。
(*スイカゲームは240円で提供されているNintendo Switchアプリ版のみです。Webやスマホアプリ版は他社が開発しているため、ご注意ください)
ゲームは誰もができるシンプルなものですが、うまくいかなかった場合の悔しさから、気づいたときにはかなりの時間が経っているほどの中毒性を持っています。
2021年にリリースされ、現在まで陽の目が当たりませんでしたが、2023年5月にゲーム実況Youtuberの布団ちゃんがスイカゲームをプレイしている様子を配信したことで、DL数の急増につながりました。
この『スイカゲーム』は2021年にpopIn(ポップイン)が、家庭用に工事不要で天井設置型のプロジェクター『popIn Aladdin(現:Aladdinシリーズ)』のコンテンツ拡充を目的に開発しました。
プロジェクターのターゲットは子育て世代。寝室の天井に取り付けることで、子ども向けコンテンツを投影しながら就寝までの時間を過ごすことを想定しています。そのコンテンツを充実させるべく、子供でもプレイできるスイカゲームを提供したのです。
popInが開発した『popIn Aladdin(現:Aladdinシリーズ)』は、Aladdin Xに事業譲渡以来、さらに事業成長を遂げ、累計販売台数は24万台を突破しました。
現在まで、国内ホームプロジェクター市場で5年連続で販売台数1位(家電Biz調べ)を獲得しています。
しかし、popInは当初からプロジェクターを開発していたのではなく、ソフトウェア企業。しかも創業ストーリーもユニークなんです。
🍪もっとくわしく
popInが設立されたのは2008年のこと。
当時、東京大学大学院で自然言語処理とユーザーインターフェース(UI)の研究をしていた創業者の程涛(てい・とう)氏は、発売直後のiPhoneのブラウザでコピペ(コピー&ペースト)がしにくいに目をつけ、Webサービスを自由自在に使えるようにすることを目指しました。
しかし、程涛 氏は、中国からの留学ビザで来日しているため、代表取締役に就任することができず、友人に初代社長に就任してもらうという、思わぬ形でスタートしました。
しかもサービスの開発に向けて、50行ほどのコードを書いた段階で、UTEC(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)から、異例の約4000万円を調達することに成功しました。
この資金をもとに、サイト内検索エンジンや、Webコンテンツの読了率を測るサービスを開発して、2015年には中国バイドゥの日本法人の子会社となりました。
そして、2018年にプロジェクター事業に参入します。
幼い子供のために紙のポスターに変わる、新たな学習手段を模索するなかで、天井の設置型で、シーリングライト(照明)としても活用できるプロジェクターを着想したのです。
テレビ番組での紹介などもあり、プロジェクターは大ヒット。バイドゥの投資先であるXGIMI(エクスジミー)に製造委託をして、量産してきました。
popInは2022年にプロジェクター事業だけをXGIMIに18億〜25億円で譲渡。XGIMIは新会社Aladdin Xを設立して、現在まで事業拡大を行ってきたのです。
🍫ちなみに
popIn創業者の程涛(てい・とう)氏は、2021年にissin(イッシン)株式会社を設立し、体重測定できるバスマット「Smart Bath Mat(スマートバスマット)」を開発しています。
このスマートバスマットは2022年11月から正式販売を開始し、約1年で2万人を突破しています。
バスマット16,980円と取替用珪藻土マット3,980円と、安くはありませんが、計測した体重がスマホアプリと自動連携されます。
ダイエットの目標管理や、リバウンド傾向のAI予測機能などもあることから、約98%のユーザーが体重測定の習慣化に成功していることが特徴です。
すでに海外展開も視野に入れていることを明らかにしています。1社目の起業では7年目に大手企業に売却して、事業拡大をする戦略を選びました。
2社目のissinではどのような戦略をとるのかが注目のポイントです。
サムネイル画像:Aladdin X
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