革新的なスタートアップが相次いで大型調達（8月：海外調達トップ5）

8月の海外資金調達額ランキングは、業界の変革を狙う革新的なスタートアップが目立ちました。

7月トップのSkims Bodyは2億7000万ドルの調達でしたが、8月はトップのNorthvoltが12億ドル（約1745億円）、5位のNeuralinkでも2億8000万ドル（約407億円）と、まさに大型の資金調達が行われました。参考：7月の海外スタートアップ資金調達トップ5

注目の5社をチェックしていきましょう。

☕️coffee break

1. 🇸🇪Northvolt（ノースボルト）：リチウムイオン電池の開発

ここに注目👉すでにBMWやフォルクスワーゲンなどから、550億ドル以上の受注を受けており、急ピッチでバッテリーの製造を進めています。同時にドイツで電池工場、ポーランドでエネルギー貯蔵工場の建設を進めていますが、新たに北米でも工場を建設することが明らかになりました。

今回はコンバーティブルノート（転換社債）での資金調達です。コンバーティブルノートは、発行時点で将来的な株式転換の条件を決めるものの、株式数を定めないことから企業価値を厳密に評価する必要がなく、迅速に資金調達をすることができます。

参考：Northvolt創業者兼CEOインタビュー記事

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2. 🇭🇰Micro Connect/滴灌通（マイクロ・コネクト）：マイクロファイナンスプラットフォーム

ここに注目👉香港証券取引所の元CEOが共同創業。中国で実店舗を運営する零細企業・中小企業と世界中の投資家をつなぐ、金融資産取引所「MCEX」をマカオで運営しています。

ブロックチェーン上に構築された取引システムを通して、投資家は実店舗を運営する企業に対して、日次の収益分配型の融資を行います。投資家は日次の収益データにリアルタイムでアクセスをしながら、ポートフォリオを構築して、通常は不動産賃貸契約に合わせて3〜4年の融資契約が締結されます。

3. 🇺🇸 Axiom Space（アクシオム・スペース）：商業宇宙ステーション

ここに注目👉2026年に世界初の商業宇宙ステーションを打ち上げることを目標に現在建設中です。現在、国際宇宙ステーション（ISS）は政府主導で運営されていますが、民営化することで、医療・材料科学など多様な活動が行えることが期待されています。

また、すでに宇宙服開発をめぐって、NASAと12.6億ドルの契約を結び、顧客との契約額は22億ドルを突破するなど、収益源を確保していることが特徴です。

4. 🇺🇸Ramp（ランプ）：経費自動化プラットフォーム

ここに注目👉2022年3月の資金調達時の評価額81億ドル（約1.1兆円）→58億ドル（約8452億円）と、28%ダウンとなったものの、1年で売上は4倍にまで成長。現時点では黒字化していないものの、中長期の成長に向けて、さらに先行投資を行っていきます。

詳細は、以下の解説記事をご覧ください。

5. 🇺🇸Neuralink（ニューラリンク）：脳デバイスの開発

ここに注目👉イーロン・マスク氏が創業。脳にデバイスを埋め込み、体が不自由になった人の意思表示・行動の支援を目指しています。

2023年5月に米国食品医薬品局（FDA）から人間の脳にデバイスを埋め込む臨床試験実施の承認を得ました。年内にも四肢が麻痺もしくは半身不随の患者を対象に超小型デバイスを人の脳に埋め込む臨床試験を実施予定です。

サムネイル画像：Unsplash/Joshua Sortino