組織に生成AIを浸透させるためには「北風ではなく太陽で」

2023年5月30日
全体に公開

生成AI領域で、顧問契約をしている経営者の方々の相談を受けていたり、登壇イベントでのQ/Aの中で多い質問が「自分の組織に生成AIを浸透させて、社員みんなが生成AIを使いこなせるようにするためにはどうすれば良いですか?」という質問だ。

基本的には、経営陣の誰か(理想は代表が望ましい)が部門横断のワーキンググループを指揮して生成AIについて探求し、週次のMTG(100人規模であれば週次、それ以上であれば隔週か部門ごと)で業務に使える知見をシェアするやり方が効果的なのだが、その際に注意すべきことが一つある。

それは「北風」ではなく「太陽」を用いるべきだということだ。

日々の生成AIのニュースの中で、AIの進化によってホワイトカラーが不要になるというニュースが社員の目に多く飛び込んできており、会社が生成AIの導入を積極的に進めることに対して恐怖心を抱く社員も多い。

そんな社員たちに対して、「生成AIはこんなに進化していて、これを使いこなせない企業や社員は価値がなくなる」という恐怖心を煽るような「北風」的なやり方で社員を動かそうとしてしまうと、社員の多くがこのままだと自分がリプレースされてしまうという恐怖心から生成AI導入への対抗勢力になってしまいやすい。

そうなると、企業として生成AIを自社プロダクトやワークフローに導入するスピードがガクッと落ちてしまう。

そうならないように、経営者は社員に対して「太陽」的なアプローチを取るべきだ。

自分が関わっている会社では、まず最初に画像生成AIのワークショップを社員向けに行い、それによって「社員が生成AIっておもしろい!」という状態をつくり、そこから徐々に画像以外の分野でも生成AIの業務活用を進めていっている。

ChatGPTを用いた業務”効率化”はなかなか最初の取っ掛かりとしてワクワクしづらいが、画像生成は効率化ではなく今まで作れなかったイラストやCG画像が誰でも簡単につくれてしまうので、社員も喜々として生成AIに取り組んでもらいやすい。

自社の組織での生成AIの活用がなかなか進まずに困っている経営者の方々は、ぜひ「北風」ではなく「太陽」で組織を動かすというのを試してみてほしい。

応援ありがとうございます!
いいねして著者を応援してみませんか



このトピックスについて
豊岡 愛美さん、他492人がフォローしています