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2023年7月1日 公開 人気 Picker
「半導体とは何か」に答えるのは案外と難しい。
電気伝導率が金属(導体)と絶縁体(不導体)のあいだくらいと言ったり、バンドギャップの開きが絶縁体ほどではないもの、などと説明されたりするが、実際どの程度なら半導体と呼べるかは明確ではない。
電気伝導の性質からいえば、半導体は金属というより絶縁体の仲間で、絶縁体の中でバンドギャップが比較的小さく電気が流れやすいもののことを半導体と呼んでいるとも言える。
その違いは電気伝導率あるいはその逆数の電気抵抗率の温度依存性にある。
つまり、金属は温度が高いほど電気は流れにくく、絶縁体と半導体は逆に温度が高いほど流れやすくなる。金属の場合は自由電子が結晶格子内を動くが、温度が上がると結晶格子の振動が電子の運動を邪魔をする。絶縁体や半導体の場合は、電気が流れるにはバンドギャップを超えなければならないので、温度が低すぎるとギャップを越えられず急激に電気が流れなくなる。
従って、金属の電気抵抗率ρは、温度に比例して大きくなるとモデル化され、
ρ=ρ_0(1+βT)
ρ:電気抵抗率
ρ_0:温度ゼロの時の電気抵抗率
β:比例定数
T:温度
と表現されるが、絶縁体や半導体のそれは、
1/ρ=σ=σ_0×exp(-A/T)
σ:電気伝導率
σ_0:温度ゼロの時の電気伝導率
A:比例定数
T:絶対温度
と表され、温度の逆数に対して電気抵抗率が指数関数的に大きくなる。逆にいえば、温度を上げると急激に電気が流れやすくなるとも言える。
他に半導体の重要な特性は、適当な不純物をドープする事で急激に電気が流れやすくなることがあり、ある意味この特性を使って人間社会に応用先がある絶縁体のことを工学的に半導体と呼んでいると言って良いのかも知れない。
メモリや、CPU・GPUなどのロジック半導体だけでなく、EVやエアコンや太陽光パワコンのインバータに用いられるIGBT、MOSFETなど電力変換に使われるパワー半導体や、光センサーなどに使われるオプト半導体等があるが、米中の半導体戦争の主な対象はロジック半導体のしかも最先端のもので、他は必ずしも重視されていない気がする。パワー半導体の様に、用途によっては電気伝導率が低い必要があり、バンドギャップが大きなワイドギャップ半導体というのもある。シリコン以外にもSiC、GaN、ダイヤモンドも使われる。
電気伝導率が金属(導体)と絶縁体(不導体)のあいだくらいと言ったり、バンドギャップの開きが絶縁体ほどではないもの、などと説明されたりするが、実際どの程度なら半導体と呼べるかは明確ではない。
電気伝導の性質からいえば、半導体は金属というより絶縁体の仲間で、絶縁体の中でバンドギャップが比較的小さく電気が流れやすいもののことを半導体と呼んでいるとも言える。
その違いは電気伝導率あるいはその逆数の電気抵抗率の温度依存性にある。
つまり、金属は温度が高いほど電気は流れにくく、絶縁体と半導体は逆に温度が高いほど流れやすくなる。金属の場合は自由電子が結晶格子内を動くが、温度が上がると結晶格子の振動が電子の運動を邪魔をする。絶縁体や半導体の場合は、電気が流れるにはバンドギャップを超えなければならないので、温度が低すぎるとギャップを越えられず急激に電気が流れなくなる。
従って、金属の電気抵抗率ρは、温度に比例して大きくなるとモデル化され、
ρ=ρ_0(1+βT)
ρ:電気抵抗率
ρ_0:温度ゼロの時の電気抵抗率
β:比例定数
T:温度
と表現されるが、絶縁体や半導体のそれは、
1/ρ=σ=σ_0×exp(-A/T)
σ:電気伝導率
σ_0:温度ゼロの時の電気伝導率
A:比例定数
T:絶対温度
と表され、温度の逆数に対して電気抵抗率が指数関数的に大きくなる。逆にいえば、温度を上げると急激に電気が流れやすくなるとも言える。
他に半導体の重要な特性は、適当な不純物をドープする事で急激に電気が流れやすくなることがあり、ある意味この特性を使って人間社会に応用先がある絶縁体のことを工学的に半導体と呼んでいると言って良いのかも知れない。
メモリや、CPU・GPUなどのロジック半導体だけでなく、EVやエアコンや太陽光パワコンのインバータに用いられるIGBT、MOSFETなど電力変換に使われるパワー半導体や、光センサーなどに使われるオプト半導体等があるが、米中の半導体戦争の主な対象はロジック半導体のしかも最先端のもので、他は必ずしも重視されていない気がする。パワー半導体の様に、用途によっては電気伝導率が低い必要があり、バンドギャップが大きなワイドギャップ半導体というのもある。シリコン以外にもSiC、GaN、ダイヤモンドも使われる。
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