【日曜コラム】イノベーションが不要な国

2024年4月28日
全体に公開

このトピックでは、米国、ヨーロッパ、中国、豪州、アフリカなどでの合成生物学の振興について紹介してきました。その中で感じるのが、イノベーションを求め、様々な壁を壊すという姿です。

一方、科学技術に元気がなく、国力低下が指摘される日本のこの分野の振興策はどうなのでしょうか。

現代の日本の社会では、物質的な豊かさに囲まれ、基本的に健康で安全な生活を送ることができるようになっており、人々は物質的な豊かさだけでは幸福を得られないという認識が広がりつつあります。特に、バイオ系においては、新しい食品や製品開発に伴うリスクや、長寿社会での人生観など、様々な議論が巻き起こっています。食べる魚がたくさんあるのにゲノム編集した魚など不要、長く生きたいとは思わない、といった議論です。

日本のバイオ系は、近年停滞傾向にあります。その原因としては、リスクを取ってまでイノベーションを追求する意欲の低下、産官学の縦割り構造や規制の煩雑さが指摘されています。特に、多くのイノベーション振興策が実は現実を守ろうとする形式的なものにとどまり、実効性が伴っていない点も問題です。日本のバイオ系が弱くなっている理由は、人々が現在に満足し、ハングリーでないというところに根本的な原因があると、私は思います。こんな場所では、イノベーションそのものが不要なのです。

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日本の企業は専門的知識に基づくイノベーションをそもそも求めていないのだ。このような基本的条件が変わらない限り、日本で高度なレベルの教育機関の発展を望むことは難しい。

イノベーションを求め、壁を壊すにはどうしたらよいのでしょうか。

合成生物学は新たな産業革命の鍵となるか?」担当:山形方人

【合成生物学ポータル】 https://synbio.hatenablog.jp

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