生成AIと生命科学の融合:細胞・組織・マルチモーダル生成AI

2023年11月8日
全体に公開

また、「AI が大流行している」話題になってしまいますが、今回と次回で2つの関連記事を紹介したいと思います。

11月2日付けで、ブロード研究所(MITとハーバード大学の共同研究所)のウェッブサイトに「 Q&A: How generative AI could help accelerate biomedical research 生成AIが生物医学研究の加速にどのように役立つか」という記事が掲載されています。

そのサブタイトルは、「機械学習とAIの専門家が、生成AIを電子メールやコンピューターコードの作成だけでなく、生物学的データの分析にどのように使用できるかについて説明します」というものです。 インタビューに答えているのは、 Mehrtash Babadi博士。 同研究所の科学者であり、計算手法のディレクター、データサイエンス・プラットフォームの機械学習とAIの専門家ということです。

引用は、すべてこちらの記事からになります。

私たちは現在、自然言語や画像のモデリングで大成功を収めているのと同じアプローチを、細胞や組織などの生物学的システムに固有の生来の言語を学習し、それらの運命やさまざまな刺激に対する反応をコンピュータで予測するためにどのように使用できるかを考えています。
特定の組織や細胞がどのように機能するかを記述する生物学的データに基づいてトレーニングされた生成モデルを想定し、そのモデルを使用して新しい細胞の状態や新しい組織を記述するデータを生成することができます。。。現在非常に興味深いのは、これらの細胞および組織のモデルを自然言語モデルとインターフェースすることです。したがって、自然言語モデルと、より偏りのない包括的な細胞モデルを取得し、それらを融合して、それぞれを個別に使用するよりも強力なシステムにすることができます。これは、マルチモーダル生成AIと呼ばれる AI 研究の活発な分野であり、、、
私が思いつく可能性のある例の 1 つは、病気の根本的なメカニズムを理解して治療標的を特定する、典型的な医薬品開発プロジェクトです。現時点では、これは通常、対象分野の専門家の洞察と、細胞などを操作する革新的な技術を使用して賢明な仮説をテストする非常に賢明な実験の設計を組み合わせることによって行われます。
悪用に関しては、科学者やエンジニアは訓練によって懐疑的であり、物事を額面通りに受け取らない傾向があるため、私は科学者やエンジニアのコミュニティについてはそれほど心配していません。したがって、問題の解決に生成 AI システムを使用する場合でも、これらのシステムの出力をテストすることになります。 。。私がもっと心配しているのは、これらのシステムが他の分野、例えば誤った情報の生成や、人々が自分で事実確認をする傾向がない他の言説などでどのように悪用されるかということだと思います。

同じようなことは、Meta(facebook)のザッカーバーグも言っていました。DNA配列やアミノ酸配列だけではなく、細胞や組織といった生物学的な情報に対して、生成AIを適用する時代になりつつあるようです。

合成生物学は新たな産業革命の鍵となるか?」担当:山形方人

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