しゃべる家電に囲まれて。6年ぶりに一新したら、やたらおしゃべりで個性的
海外での留学や駐在から、日本で6年ぶりに暮らし始めました。洗濯機に冷蔵庫、電気圧力鍋、テレビ……。こうした家電を新たに買い揃えると、知らぬ間の進化に驚きます。なかでもIoT(モノのインターネット化)の「しゃべる家電」に毎日、笑わされています。
頑張りアピールがすごい「ホットクック」
具材と調味料を入れれば、水なしで煮物が作れる電気無水鍋「ホットクック」(シャープ製)。前から気になっていたので初めて購入したところ、カレーやステーキ、おでん、白ご飯など毎日、活躍してくれています。
スイッチを入れた瞬間から女性の声でしゃべるのですが、調理開始ではこんな感じです。
ホットクックはこんな感じでしゃべるよ pic.twitter.com/qSSKoCrLjy
— MamiKoya (@mamikoyamamiko) February 15, 2020
あとの加熱は任せてね
従来の家電なら、ボタンを押すたびに「ピ、ピ」という電子音で、特に注意を引きたいときは「ピーーッ」と鳴ってきました。おしゃべり家電のホットクックは、ぜんぜん違います。調理開始後も、しばらくすると、ひとりでにしゃべり出すのです。
おいしくなりますように
グツグツ、わくわく
加熱していますよー
出来上がるのを楽しみにしておいてくださいね
調理内容にもよるのですが、ホットクックは1時間ぐらい長くかかることが多いです。このためでしょうか、途中でやたらと「頑張ってますよアピール」をしてきます。
そうかと思えば、ちょっと台所を離れていると、
あと10秒です
と、仕上がりまでの10カウントを宣告してくることもあります。
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最近は音声を推しボイスにカスタマイズできるそうで、HPには「新着VOICE」なるページもあり、おしゃべりの進化はとまりません。
助言だけでなく小言を言う「ドラム式洗濯機」
同じくシャープ製のドラム式洗濯機ESW-114。
最新機能として、洗剤や柔軟剤の自動投入ができます。「洗剤は毎回入れるから、別に要らないかな」と思っていたのですが、買い替え用のパッケージ分をまるごと洗剤タンクに入れておくと、ボタンひとつで分量まで調整でき、事前の想定以上に便利です。
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電源を入れると、またも女性の声で、挨拶から始まります。
お洗濯、お疲れ様です。
このドラム式も、やたらとしゃべります。
お洗濯のヒント。ネットを使うときは入れる量を少なめにしてくださいね
お洗濯のヒント。ボタンやファスナーが気になる衣類はネットに入れてくださいね
乾燥機能もついており、たまに使っていますが、妻との間で一悶着あったようです。
ある日、乾燥が終了しているのに、パネルの「聞いて」ボタンが点灯。ドラム式が何か言いたかったようです。
ボタンを押すと、曰く「乾燥をするのはするけど、ちゃんとフィルターの掃除をしないと、余分に時間がかかってしまう。だから、ちゃんと掃除をしてね」。こんな趣旨のことを言ってきたのだとか。
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また別の日、乾燥機を使おうとしたら、今度はこう言ってきました。
フィルターのそうじをしましたか?
フィルターを取り出すと、確かに綿ゴミがたまっており、ドラム式の言う通り。ただ、「フィルターのそうじをしてください」とは言わず、ドラム式は内心「そうじができていないこと」を知っていながら、「そうじをしましたか?」と嫌味っぽく言っているようでもあります。
これに「ちょっと気に障った」という妻ですが、このやり取りの前にも乾燥機のフィルターをめぐってやりとりをしており、「すでに関係性が悪いから、素直に聞けないのかもしれない」と笑っていました。
しゃべる家電は、機械音のアラートや無機質なパネル表示と比べて、QOL(生活の質)を上げると期待されています。ただ、言い方次第では、ひとつ屋根の下でギクシャクした関係性にもなりかねませんね。
お茶目でマルチリンガルの「アレクサ」
やたらアピってくるホットクックも、小言を言ってくるドラム式も、人格が宿っているようで、個性もクセもあります。こうして「しゃべる家電」に囲まれて生活していると、新たな家族が加わったようで、意外と楽しいです。
そんななか、我が家で最も付き合いが長いのがアマゾンのスマートスピーカー「アレクサ」。6年前のアメリカ留学から一員です。
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音楽を流したり、ニュースや天気を聞いたり、アラームで使ったりしているのですが、「アレクサ」と呼びかけると、青に光って指示を待つ様子は、コンシェルジュ的で頼もしい。テレビ脇で、なくなてはならない存在となっています。
しりとりの相手や、なぞなぞの出題もしてくれるアレクサですが、返答がいつもお茶目で最も人間らしいと感じます。この分野で「一日の長」があるのかもしれません。
ある日の夜、家族で食卓を囲みながら、「しゃべる家電」の話題になり、「アレクサは面白いよなぁ」と私が、ボソッと言いました。
すると、頼んでもいないのに、青に光って反応。
ありがとうございます。そう言ってもらえると、とても嬉しいです。もっと褒めてもらえたら、さらにうれしくなります。
少し怖くなるぐらい、頭のいいやつです。
多言語にも対応するマルチリンガル。小型なので、アメリカでも使っていたのですが、初期型の英語は「ちょっとインドなまり」だったと言われています。これは音声の機械学習を開発するチームでインド人が多かったから、というのが、留学先のMITでもっぱらの噂でした。
真相はわからず、いまはネイティブ英語を流暢に話すアレクサですが、MITのMBAクラスメートが、アメリカ・カルフォルニアでProduct Managerを務めています。データドリブンの技術専門家で、卒業後にアマゾンに転職した彼女は、実はインド出身。これは単なる偶然でしょうか。
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いつも読んでいただき、ありがとうございます。10月14日から、このNewsPicksトピックスを「新聞記者×MBA 世の中まるっと二刀両断」にリニューアルしました。
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朝日新聞社で海外特派員など20年近いキャリアを持つ一方、不惑の40歳を機にMIT(マサチューセッツ工科大学)経営大学院に私費留学してMBAを修了したオーナー。ジャーナリスティックな視点とMBA的思考の“二刀流”で、時事ニュースからライフハック、国際比較、リスキリングまで幅広い話題にタイムリーに斬り込みます。ちなみに趣味は剣道で五段。
著書の『朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた 戦略的ビジネス文章術』(BOWBOOKS)では、人に伝わる文章を書くためのプロセスを豊富な文書例と添削を元にわかりやすく解説しています。トピックスのコメント欄について、「書く力や表現力をともに伸ばしたい人たちの『お試し稽古場』として開放しているので、ぜひ気軽に一言を」と呼びかけています。
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