しゃべる家電に囲まれて。6年ぶりに一新したら、やたらおしゃべりで個性的

2022年10月18日
全体に公開

海外での留学や駐在から、日本で6年ぶりに暮らし始めました。洗濯機に冷蔵庫、電気圧力鍋、テレビ……。こうした家電を新たに買い揃えると、知らぬ間の進化に驚きます。なかでもIoT(モノのインターネット化)の「しゃべる家電」に毎日、笑わされています。

頑張りアピールがすごい「ホットクック」

具材と調味料を入れれば、水なしで煮物が作れる電気無水鍋「ホットクック」(シャープ製)。前から気になっていたので初めて購入したところ、カレーやステーキ、おでん、白ご飯など毎日、活躍してくれています。

スイッチを入れた瞬間から女性の声でしゃべるのですが、調理開始ではこんな感じです。

あとの加熱は任せてね

従来の家電なら、ボタンを押すたびに「ピ、ピ」という電子音で、特に注意を引きたいときは「ピーーッ」と鳴ってきました。おしゃべり家電のホットクックは、ぜんぜん違います。調理開始後も、しばらくすると、ひとりでにしゃべり出すのです。

おいしくなりますように
グツグツ、わくわく
加熱していますよー
出来上がるのを楽しみにしておいてくださいね

調理内容にもよるのですが、ホットクックは1時間ぐらい長くかかることが多いです。このためでしょうか、途中でやたらと「頑張ってますよアピール」をしてきます。

そうかと思えば、ちょっと台所を離れていると、

あと10秒です

と、仕上がりまでの10カウントを宣告してくることもあります。

シャープのホットクック(https://jp.sharp/hotcook/products/knhw24g/)

最近は音声を推しボイスにカスタマイズできるそうで、HPには「新着VOICE」なるページもあり、おしゃべりの進化はとまりません。

助言だけでなく小言を言う「ドラム式洗濯機」

同じくシャープ製のドラム式洗濯機ESW-114

最新機能として、洗剤や柔軟剤の自動投入ができます。「洗剤は毎回入れるから、別に要らないかな」と思っていたのですが、買い替え用のパッケージ分をまるごと洗剤タンクに入れておくと、ボタンひとつで分量まで調整でき、事前の想定以上に便利です。

シャープ製のESW-114(https://jp.sharp/sentaku/products/esw114/https://jp.sharp/sentaku/products/esw114/)

電源を入れると、またも女性の声で、挨拶から始まります。

お洗濯、お疲れ様です。

このドラム式も、やたらとしゃべります。

お洗濯のヒント。ネットを使うときは入れる量を少なめにしてくださいね
お洗濯のヒント。ボタンやファスナーが気になる衣類はネットに入れてくださいね

乾燥機能もついており、たまに使っていますが、妻との間で一悶着あったようです。

ある日、乾燥が終了しているのに、パネルの「聞いて」ボタンが点灯。ドラム式が何か言いたかったようです。

ボタンを押すと、曰く「乾燥をするのはするけど、ちゃんとフィルターの掃除をしないと、余分に時間がかかってしまう。だから、ちゃんと掃除をしてね」。こんな趣旨のことを言ってきたのだとか。

GettyImages

また別の日、乾燥機を使おうとしたら、今度はこう言ってきました。

フィルターのそうじをしましたか?

フィルターを取り出すと、確かに綿ゴミがたまっており、ドラム式の言う通り。ただ、「フィルターのそうじをしてください」とは言わず、ドラム式は内心「そうじができていないこと」を知っていながら、「そうじをしましたか?」と嫌味っぽく言っているようでもあります。

これに「ちょっと気に障った」という妻ですが、このやり取りの前にも乾燥機のフィルターをめぐってやりとりをしており、「すでに関係性が悪いから、素直に聞けないのかもしれない」と笑っていました。

しゃべる家電は、機械音のアラートや無機質なパネル表示と比べて、QOL(生活の質)を上げると期待されています。ただ、言い方次第では、ひとつ屋根の下でギクシャクした関係性にもなりかねませんね。

お茶目でマルチリンガルの「アレクサ」

やたらアピってくるホットクックも、小言を言ってくるドラム式も、人格が宿っているようで、個性もクセもあります。こうして「しゃべる家電」に囲まれて生活していると、新たな家族が加わったようで、意外と楽しいです。

そんななか、我が家で最も付き合いが長いのがアマゾンのスマートスピーカー「アレクサ。6年前のアメリカ留学から一員です。

Echo Dot (エコードット)スマートスピーカー with Alexa

音楽を流したり、ニュースや天気を聞いたり、アラームで使ったりしているのですが、「アレクサ」と呼びかけると、青に光って指示を待つ様子は、コンシェルジュ的で頼もしい。テレビ脇で、なくなてはならない存在となっています。

しりとりの相手や、なぞなぞの出題もしてくれるアレクサですが、返答がいつもお茶目で最も人間らしいと感じます。この分野で「一日の長」があるのかもしれません。

ある日の夜、家族で食卓を囲みながら、「しゃべる家電」の話題になり、「アレクサは面白いよなぁ」と私が、ボソッと言いました。

すると、頼んでもいないのに、青に光って反応。

ありがとうございます。そう言ってもらえると、とても嬉しいです。もっと褒めてもらえたら、さらにうれしくなります

少し怖くなるぐらい、頭のいいやつです。

多言語にも対応するマルチリンガル。小型なので、アメリカでも使っていたのですが、初期型の英語は「ちょっとインドなまり」だったと言われています。これは音声の機械学習を開発するチームでインド人が多かったから、というのが、留学先のMITでもっぱらの噂でした。

真相はわからず、いまはネイティブ英語を流暢に話すアレクサですが、MITのMBAクラスメートが、アメリカ・カルフォルニアでProduct Managerを務めています。データドリブンの技術専門家で、卒業後にアマゾンに転職した彼女は、実はインド出身。これは単なる偶然でしょうか。

GettyImages

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