米政府、OpenAIなどAI大手7社と責任あるAI開発に向けた自主的な3つのコミットメントを発表

2023年7月23日
全体に公開

米政府は2023年7月21日、Amazon、Anthropic、Google、Inflection、Meta、Microsoft、OpenAIといった7つの主要なAI企業をホワイトハウスに招き、AI技術の安全で透明な開発に向けて、これらの企業から自主的なコミットメントを約束したことを発表しました。

本発表では、安全性、セキュリティ、信頼性を強調し、責任あるAIの開発に向けた重要な一歩を示しています。

バイデン政権は、アメリカ人の権利と安全を保護するため、AIによる脅威と可能性を把握し、積極的に対応していく方針です。

新たな技術を開発している企業として、製品が安全であることを確保する責任があります。バイデン政権は、AIの潜在能力を最大限に引き出すために、この業界が最高の基準を維持し、イノベーションがアメリカ人の権利と安全を犠牲にしないようにすることを奨励しています。

今回のコミットメントは、AIの未来にとって基本的な3つの原則となる、安全性、セキュリティ、信頼性を強調し、責任あるAIの開発に向けた重要な一歩を示しています。

今回の発表では、7つの主要AI企業は以下のことをコミットメントしています。

  1. 製品が公開される前に安全性を確保する
  2. セキュリティを最優先にするシステムの構築
  3. 公衆の信頼を獲得する
  1. 製品が公開される前に安全性を確保する
    企業は、AIシステムが公開される前に、内部および外部のセキュリティテストを行うこと。これにより、バイオセキュリティやサイバーセキュリティなど、AIリスクの重要な源泉、およびその広範な社会的影響に対する防護を強化する
  2. セキュリティを最優先にするシステムの構築
    企業は、独自のモデルの重み(AIシステムの最も重要な部分)を保護するために、サイバーセキュリティと内部脅威のセーフガードに投資する
  3. 公の信頼を得る
    企業は、ユーザーがAI生成のコンテンツであることを認識できるようにする技術的なメカニズム(例えば、透かしシステム)を開発すること、AIシステムの能力、制限、適切な使用と不適切な使用の範囲について公に報告すること、AIシステムがもたらす可能性のある社会的リスクについての研究を優先する

これらのコミットメントは、AIの未来にとって基本的な3つの原則 - 安全性、セキュリティ、信頼性 を強調し、責任あるAIの開発に向けた重要な一歩を示しています。

今回の主要企業7社は、社会の最大の課題に対処するための先進的なAIシステムの開発と展開にもコミットしています。適切に管理されたAIは、繁栄、平等、安全の向上に大いに貢献できるとしています。

また、AIの開発と使用を統制する強力な国際的な枠組みを確立するために、同盟国やパートナーと協力関係を推し進めています。これらのコミットメントは、「広島AIプロセス」のリーダーシップを支持し補完するものであり、AIのガバナンスに関する共有原則を開発するための重要なフォーラムとの位置づけとなっています。

今後の展望

今回、米政府は7つの主要AI事業者による自主的なコミットメントというところで、整理をしています。その一方、欧州ではAI規制を本格化する動きもあり、米国とは規制の厳しさでは違いがみられます。

こういった状況の中で、日本政府は、どこまで規制をかけるのか、AIによる開発や産業政策など政策的な支援ができるのか、生成AIを巡る各国の政策的な動きは、今後も注目してみてみたいと思います。

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