2030年までにインダストリアルメタバースへの投資は63億ドルに達する

2024年2月21日
全体に公開

インダストリアルメタバースの進化が、製造工学、トレーニング、安全性、そして生産性の向上に大きく貢献しようとしています。

ABIリサーチが2024年2月8日に公表した最新レポートによると、インダストリアルメタバースのサービスへの投資は、没入型技術とコラボレーションの機能へのソフトウェア開発が進展していくことで、22.8%の成長率で2030年までに63億ドルに達すると予測しています。

インダストリアルメタバースは、没入型技術やデジタルツインの取り組みを使用し、データの仮想化、AIシミュレーション、ビジネス運営システム、および外部データソースを統合して、デジタルツインと他システム間の接続を可能にするとしています。

ABIリサーチの産業・製造担当シニアリサーチディレクター、ライアン・マーティンは

2024年の主要なインダストリアルメタバースのユースケースはトレーニング、コラボレーション、生産計画になるだろう。短期間でポジティブなビジネス成果を促進するソリューションに重点が置かれる。大規模な導入はコストがかかるか、価値を示すのに時間がかかるため避けられ、小規模なプロジェクトが段階的な結果をもたらし、拡大することが好まれる

とコメントしています。

インダストリアルメタバースの事例も紹介されています。

ノルウェーのクリーンバッテリー製造会社FREYRは、ノルウェーと米国にあるギガファクトリーを装備し、シーメンスのIndustrial Operations X、AWS IoT TwinMaker、NVIDIA Omniverseが没入型メタバース体験を創出する取組を紹介しています。

ダノンは、Matterport Pro3カメラを使用して施設の3Dイメージをキャプチャし、ユーザーがコンピューターやモバイルデバイスを使用して生産現場を仮想的に訪問し、探索する取組です。

その他のインダストリアルメタバースに関する注目すべき事業者には、AVEVA、ダッソー・システムズ、エリクソン、マイクロソフト、ノキアなどを挙げています。

今後の展望

インダストリアルメタバースの進展は、今後の産業界におけるデジタル変革の新たなフロンティアを形成し、効率性、生産性、イノベーションの追求において重要な役割を果たすことが期待されます。

インダストリアルメタバースは、生産性の向上、コスト削減、リスク管理の強化など、さまざまなメリットを企業に提供してきました。将来的には、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)技術の進化により、よりリアルタイムでインタラクティブなコラボレーションが可能になると予想されます。これにより、設計段階から製造、販売、アフターサービスに至るまで、製品ライフサイクル全体が仮想空間でシームレスに統合される可能性があります。

また、データ分析とAIの統合により、インダストリアルメタバースはよりスマートな意思決定支援ツールへと進化する可能性があります。これにより、効率性と生産性の向上だけでなく、持続可能性とエコフレンドリーな製造プロセスの実現も期待されます。

その一方で、セキュリティやプライバシーの課題、技術的な障壁、そして業界標準の確立など、克服すべき課題もあるでしょう。

インダストリアルメタバースは、デジタルテクノロジーの進展とともに、企業の積極的な参加と業界全体の連携によるエコシステムの形成によって大きく左右されるため、継続的に活用できる環境へとどう昇華させていくことができるかも大きなポイントの一つとなるでしょう。

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