AIがもたらす9の未来予測
IDCは2024年1月16日、「Worldwide Artificial Intelligence and Automation 2024 Predictions -- Asia/Pacific (Excluding Japan) Implications」を公表しました。
IDCが示す2024年以降のAIがもたらす10の未来予測です。
Enhanced AI Security(AIセキュリティの強化):
2026年までに、アジア太平洋地域の70%のクラウドおよびソフトウェアプラットフォーム提供者が、生成AIリスクシナリオを3分の1に減少させるために、主要サービスに生成AIによる安全性およびガバナンスパッケージを組み込む
Global AI Rules Challenge(グローバルAI規制の課題):
2027年までに、地理的なAI規制の相違がA2000企業に大きな課題をもたらし、センシティブな利用ケースの実装時間と労力が最大20%増加する可能性がある
Digital Assistants' Popularity(デジタルアシスタントの人気):
2027年までに、生成AIデジタルアシスタントは、A1000の企業ソフトウェアとのやり取りの30%でUI(ユーザインターフェイス)となり、ソフトウェア開発や顧客エンゲージメントなどのビジネスプロセスの操作においてはそれ以上になる
Smart Knowledge Discovery(スマートな知識発見):
2026年までに、A1000企業の3分の2が、ドメイン固有の自己サービス型の知識発見を強化するために、生成AIと検索拡張生成 (RAG: Retrieval Augmented Generation) の組み合わせを利用し、意思決定を40%向上させる
Economic Impacts of AI(AIの経済的影響):
2028年までに、AIの全体的な経済的影響は中和され、A1000企業は初期の混乱を克服し、イノベーションと新しいビジネスチャンスへのリソースの再集中により経済拡大を促進する
Outcome-Driven Automation(成果重視の自動化):
一時的な生成AIへの注目後、2025年までにA1000企業の70%が、特定の技術ではなく成果に基づいてオートメーション戦略を義務付けるように再度焦点を当てる
Business Revolution(ビジネス革命):
2025年までに、A1000企業の10%が、革新的なビジネスモデルを活用して、生成AIの収益化ポテンシャルを倍増させる
Societal Impacts of AI(AIの社会的影響):
2028年までに、A1000企業の10%が、現在は推測の域を出ない汎用人工知能(AGI、artificial general intelligence)システムの実験を行い、社会に変革的な影響を及ぼし、重要な機会と脅威を生み出す。
Silicon Evolution(シリコン革命):
2027年までに、サーバーアクセラレータ(GPU、FPGA、DPU、AI ASICsおよびASSPs)に対する支出はサーバーCPUに比べて55/45の割合で逆転し、AIハードウェアの領域において変革的にシフトする。
今後の展望
個人的に注目しているのは、Silicon Evolutionです。AIが機能するためには、強力なインフラと計算能力が不可欠です。AI専用半導体に代表されるように、AIハードウェアの革新的な進化が、今後のAIビジネスの大きな進展をもたらす可能性があるでしょう。
また、Economic Impacts of AIにもあるように、2028年ごろには、AIブームが一段落し、PoCではなく、企業には欠かせないツールとして、AIへの投資が本格化し、業務改善や収益を獲得できる事業モデルへと進化ししていく可能性もあるでしょう。
そして、Smart Knowledge Discoveryにもあるように、意思決定においての手段の一つとして重要な役割を担うことにもなるでしょう。
AIの進展は、総じてこれからの企業の未来にマイナス面も含めて大きなインパクト(影響)をもたらすことになりそうです。
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