AIマネジメントシステムの国際規格が発刊、安全かつ安心なAIシステム提供への期待

2024年1月23日
全体に公開

経済産業省は2024年1月15日、「AIマネジメントシステムの国際規格の発行」を公表しました。その内容を解説します。

近年、人工知能(AI)の開発が活発化し、日常生活のさまざまな場面でAIシステムが活用されています。

AIの普及に伴い、安全かつ安心な利用が重要視され、そのためのマネジメントシステムのニーズが高まっています。

こういった背景を受け、国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)の合同専門委員会(JTC1)内の分科委員会(SC42)にて、AIマネジメントシステムの国際標準化が進められました。

そして、2023年12月18日、「AIマネジメントシステム(ISO/IEC 42001)」が発行されました。

AIマネジメントシステムの国際規格の概要

この新規格は、AIシステムを開発、提供、または使用する組織に適用されます。主にリスクベースアプローチを用いて、AIシステムの適切な利活用に必要なマネジメントシステムの構築要求事項を規定しています。

本規格では、信頼性、透明性、説明責任を備えたAIシステムの利活用を可能にし、リスクの特定と軽減、AIの公平性やプライバシーへの配慮も明記しています。

さらに、学習データや機械学習に関する考慮事項も重要なポイントです。この規格は、ISO9001品質マネジメントシステム(QMS)やISO/IEC27001情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)と同様のアプローチを採用し、利用者に配慮した構成が特徴となっています。

AIマネジメントシステムの構成 出典:経済産業省 2024.1.15

ISO/IEC 42001を実装する主な利点

ISO/IEC 42001を実装する主な利点としては、以下の5つをあげています。

・Responsible AI(責任あるAI):人工知能の倫理的で責任ある使用を保証する
・Reputation management:(評判管理):AIアプリケーションに対する信頼を高める
・AI governance(AIガバナンス):法的および規制上の基準への準拠を支援する
・Practical guidance(実践的指針):AI特有のリスクを効果的に管理する
・Identifying opportunities(機会の特定):構造化された枠組み内での革新を奨励する

今後の展望

この国際規格により、AIシステムの開発、提供、使用を行う事業者は、国際標準に基づいたAIマネジメントシステムを構築することで、安全かつ安心なAIシステムの提供が可能になると期待されます。

これによって、AIシステム関係者間の共通理解が促進され、AIシステムの国際取引の促進も見込まれます。この国際規格の発行は、AI技術の健全な発展と普及に向けた重要な一歩と言えるでしょう。

AIマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 42001」の発行は、AIシステムの安全かつ効果的な利用に向けた大きな前進となります。

組織が国際基準に沿った適切なマネジメントを行うことで、AI技術のさらなる発展と社会への貢献が期待されるところです。

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