低予算でも実施可能!メタバース成功の鍵は『脱一本足打法』

2024年5月4日
全体に公開

前回、 メタバース施策失敗を防ぐために気を付けるべきたった1つのこととは「メタバースコンテンツ公開後のことを中心に考える」ことであり、公開することをゴールにしてしまっているプロジェクトの危険性について言及しました。そもそもなぜプロジェクトが破綻にむかっていくのか、よく考えられているプロジェクトとはどういったものか、は前回の記事をご参照ください。

脱・メタバースのみの一本足打法企画

まず前提として、メタバース施策において、メタバースを公開するのみの施策は非常に危険です。(私があまりこういうことは言わないほうがいいかもですが)メタバースはまだまだ未成熟なサービスであり、それ単体での施策は広がりが薄く、また体験する人たちも限定的です。現在でも成功事例がないことはないですが(そして成功の定義もプロジェクトごとに違うので、外から見て成功か失敗かは評価できない場合もありますが)、メタバース一本足打法での成功例が増えていくのは、もっと一般的な使われ方をしだす5年後10年後からでしょう。

「そんなこと言われても予算が限られていてメタバースの企画と制作で手一杯」

もちろん豊富な予算があるほうが大きな仕掛けがやりやすく、自由度も高いです。しかし、予算がない=メタバース公開以外の施策ができない、というのは大きな間違いです。メタバース施策は空間内だけでなく、さまざまなところ張り巡らせることで、立体的な戦略を組むことはできます。多種多様な施策が存在しますが、今回はそんななかでも低予算施策の基本のキであるPR施策について触れていきます。

プレスリリースをはじめとする情報発信

まずは絶対にやるべき施策として、プレスリリースをはじめとする情報発信活動です。

例えばマーケティング施策として「公式Xを開設する」「TikTokをはじめる」ということはもはや一般的なので「はじめました!」というプレスリリースを出したところで、よほどとがった企画でない限りは、各メディアも取材する価値は無いと判断すると思います。

しかしながら上記のプレスリリースのように、メタバースであれば、まずその新規性が目を惹きます。また、取り組み自体がSNSや他のマーケティング施策と比較すると少ないため「世界初!」「No1!」などのニュースバリューのある言葉を使いやすい、という利点があります。掲載イメージは以下のようなものです。

取材の場の提供

例えば記者向けの試遊会を実施したり、記者クラブなどで記者会見を行うなども、効果的です。メタバースはスマホやタブレットでプレイすることができるものもありますが、どうしても専門外だったり普段からゲームをプレイしていない方であれば、記者の方も人間なので、自発的に取材自体することが億劫になることもあるでしょう。

試遊会や記者会見をすることで、プロジェクトの意義も明確につたわり、より解像度の高いメディア露出をできることがあります。

もちろん各メディアさんへの来場案内はしていく必要はありますが、予算がないなかですと手を動かしていくことはいずれにせよ必要になってきます。最近はこういったことが得意なフリーランスや副業の広報の方もいらっしゃったりするので、社内に広報機能がない場合はそういった方を頼るのも手です。  

日本だけでなく世界のメディアにも周知

インバウンドのためのプロモーションや、リージョンを選ばないプロダクトであれば海外メディアへのアプローチも忘れずに行っていきましょう。日本だけでなく、海外でもメタバースの新規性、ニュースバリューは認められており、施策によってはむしろ海外でのユーザーパイのほうが大きくなることも多々あります。

フランス

ロシア

エクアドル

上記事例のマインクラフトの企画は、ほかにもアメリカ、中国、エジプト、イラン、ドイツ、ブルガリア、メキシコ、ブラジル、ポーランドなどのメディアから取り上げられ、世界中でダウンロードがされています。また、その影響からか、チャンネル登録者650万人のメキシコのYoutuberに動画で紹介されるなど、波及効果も発生しています。

前述したように、もちろん予算を使った施策のほうが蓋然性の高いものは増えますが「ニュースバリューを作りやすい」という武器はメタバースだからこその利点でもあります。実際の作業はメディアさんにプレゼンをするあいさつ回りをしたり、魅力を感じられるキャッチを考えたりなど、先進技術の取り組みとは思えないほど地に足のつけたものになりますが、地道な努力をつみあげて味方を増やしていくことが、メタバース施策成功への第一歩であり、一因であることは間違いありません。

今回はPR施策を中心にご紹介しましたが、他にもプラットホームコミュニティに協力をあおいだり、学校や商店街などにメタバース空間を開放する、YoutuberやTikTokerとコラボするなど、本トピックスではこれからも、具体事例を踏まえつつ、メタバース施策の実践的なお話をしていきます。トピックのフォロー、よろしくお願いいたします。

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