【GenZのたまり場 合同企画】Z世代はAIをどうとらえているのか?

2023年11月26日
全体に公開

昨年11月、ChatGPTのプロトタイプが登場してから、この1年間のAI活用の波はすさまじいものでした。深層学習ブームの時も、日経新聞の一面にAIの記事が踊り、AI活用の意識の高まりは確かに感じましたが、今回の高まりはそれ以上の盛り上がりを見せています。

こうしたAIブームのただなかで、AIを活用しながら学び、そしてこれから社会に飛び出していくのがZ世代です。私も大学で講義をしているときには、「下剋上のチャンスだよ!」とはっぱをかけることがあります。AIネイティブともいえるZ世代には大きな機会が横たわっています。むしろ、Z世代こそがこれからの仕事の中心になっていく存在であるとも思っています。

そんな中で、AIネイティブ第一世代であるZ世代がAIについてどんなことを考えているのか、少し深堀するための企画として、同じくトピックスオーダーである「GenZのたまり場」メンバーに声をかけて、Z世代のAI認知についてお話をしました。今回は、「GenZのたまり場」より、お二人にご参加いただきました。上野さん、土井さんのお二人です。

上野 翔碁さん

土居 萌花さん

お二人ともNewsPicskでインターン中です。上野さんは、情報系、土居さんは、国際政治系を学ばれています。

目次

1.AIとの接し方

2.AIと仕事

3.AIと倫理

4.AIの将来展望

1.AIとの接し方

学習プロセスにおけるAIとの接し方は悩ましい問題です。おそらくインターネットが出てきたときにも同じような悩みを抱えた教員は多いかもしれませんが、AI活用をどう学習に組み込むかはまだまだ試行錯誤が必要なところがあります。お二人に普段どのようにAIを活用しているか聞いてみました。

土居さん「AIは電卓みたいな感じで使っています。大学でChatGPTを使って、それを批判的に考察しなさいというレポートが出たこともあり、強制的に使うケースもありますが、あくまで自分が便利になる道具という感じです。就活の志願書の下書きに使ったり、子供向けに分かりやすい文章に直したり。基本は自分で作業したいけど、時間を節約するツールとしては優れているし、最後の取捨選択を自分がすればそれでいいかなと。電卓とAIの間に質的な差異は感じません。」
上野さん「自分自身はデータサイエンス系の研究室にいるので、AIはかなり身近な存在です。いままで面倒だったコーディングなどもChatGPTに聞きながら進めていけるので、AIが仕事を奪うというよりは、自分自身が使いこなして、自分の生産性を高める一緒に頑張っていく伴走者というようなイメージで使っています。」

二人ともかなり使いこなしている印象でした。そこで、同世代の友人含めたまわりの人たちがどのように活用しているかを尋ねてみました。上野さんは、データサイエンス系の学部にいることもあり、まわりはかなり使いこなしている印象とのこです。一方で、そもそもパソコンを使っていない、ITを使っていないという層に関しては、ChatGPTにも触れていない状況がありそうです。世代内のデジタルディバイドが拡大している印象を受けました。一方で、土居さんは文系大学に所属しているので、かなりハマって使いこなしている人もいる一方で、使うことが少しズルいイメージを持っていたり、興味はない人も一定するおり、レポートを書く際にはあえて使っていない人なども多いようです。

タイパとAI

効率化のための道具というお話が出てきたので、ここでお二人にタイパについて質問してみました。Z世代を語る時に、動画の倍速視聴などに代表される「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視の話が語られることがあります。

土居さん「私は逆にタイパから逃れたくて、物事をゆっくり楽しむことができたらいいなあと思っています。そう思いながらも、動画を倍速で見たり、移動とかもなるべくタイパとコスパの塩梅を見ながら決めていて、タイパは意識してしまっています。でも時間を節約して結局何に時間を使っているのかっていうと、そんなに大したことには使っていないので、ゆっくり楽しむ暮らしがしたいです。」
上野さん「私もケースバイケースなのですが、動画の倍速視聴なんかは結構します。それはトレンドを抑えたいときとか、企画を考えるときにあるアニメの内容を知っていた方がいい時なんかには、要約ではたりないので、倍速や三倍速(これはちょっと驚きました 笑)で見ることもあります。あとは、仕事をしているときとか、データ処理とかをゆっくりしていると、その分人件費が膨らんでしまうので、積極的にAI活用して、少ない人数で早くやれるように工夫しています。」

当たり前のことではありますが、Z世代といってもタイパだけで考えているわけではなく、ゆっくりとした時間の使い方への意識もすごく高いです。そして、仕事に関してはすごく割り切っている印象を受けました。さらに、経営者目線で、コスト削減のことまで考えている視座の高さに少し驚きました。

お二人と話していて、おそらくAIは「電卓のようなもの」で、仕事の世界ではすごく役に立つ存在として当たり前のように使う。一方できわめてプライベートな部分に関しては、電卓の出番はまだまだ限定的そんな印象を受けました。

次回の記事では、AIと仕事の関りについてさらに掘り下げていきます。

応援ありがとうございます!
いいねして著者を応援してみませんか



このトピックスについて
津覇 ゆういさん、他1027人がフォローしています