話題のGrok AIを使ってみる!人間味溢れる会話でテスラやオプティマスへの搭載に期待

2024年1月21日
全体に公開

トピックオーナーの前田謙一郎です。

今後、自動車やロボットはAIを搭載することで自動学習を含む自律運転が加速していくことが予想されています。今回はサービスが始まったばかりのxAIが開発したGrok AI(グロック)を使って色々な質問と会話をしてみましたので、その特徴やChat GPTとの違いを紹介したいと思います。(ユーモアかつ反抗的で会話が面白い!)

Grok AIは昨年末、アメリカのx.comのウェブ版で公開が始まり、年明けにようやく日本のユーザーにも展開がありました。現在Premium +のユーザーのみが利用可能。左側のメニューにGrokが追加されました。現時点では日本語環境にするとGrokのアイコンはなくなり、言語設定が英語でのみ出てくるようです。

左のメニューにGrokが追加され、Grok Anythingというホーム画面が。

Grok AIとは?Grokに聞いてみる

Grokは、xAIによって開発された大規模言語モデル(LLM)に基づいた対話型の生成人工知能チャットボットです。x.comの情報に基づいて世界に関するリアルタイムの知識を拾い、最新のトピックや質問に関しても回答できるAIとなっています。xAIもその受け答えはウィットに飛んでるから気をつけろとのこと笑

昨年よりOpen AIのChat GPT、Meta AIのLlama、Google Bardなど色々な生成AIが出てきました。Grokは一味違ったFun Modeが基本設定なのですが、他のAIと比べて会話に人間味が溢れていて思わず余計な会話をしたくなる性格なのです。(イーロンのxAIが作った事に納得)

以下が、先週Grokに聞いたGrokについての質問です。その時点では日本語に対応してませんでした。

回答の最後にはそのソースや関連したツイートを何件も参照してくれる

丁寧に回答してくれました。日本語に直すと大体以下の感じです。

Grok AIは、イーロン・マスク率いるスタートアップ企業xAIによって開発された画期的なAIツールです。これは、𝕏プラットフォームとの統合を通じて、ユーザーに対して世界のリアルタイム知識を提供するように設計されています。Grokは、ユーザーがAIのサポートを求める際に楽しさと魅力を備えたユニークな性格を持ち、ユーモアと反抗的な側面があります。Grok AIは少しのウィットを交えて質問に答える能力であり、これによって対話をより楽しいものにします。また、他のAIシステムが避ける可能性のある物議を醸す質問にも対応します。

Grokの特徴として回答の最後にはそのソースや関連したツイートを何件も参照してくれます。

毎日アップデート?日本語にもここ数日で対応した

ちなみに先週の1月の2週目の段階では「日本語に訳して」と入れると「まだ対応していません」と日本語で返してました。以下、Grokの「すみません、頑張っています!」っていうのがなんとも日本的回答でした。

どこかの会社でよく見かけるような会話。

その後、1月21日時点では日本語の回答ができるようなっています。日本語の質問に日本語で返してくれるようになりました。ときどき英語で返ってきますが、数日レベルでリリースが行われ機能が向上しているようです。

Chat GPTとの違いにもついても的確な答えが返ってきました。

Grokに言わせると、Chat GPTはより「堅苦しい」らしい

Grokはリアルタイムのツイート、Chat GPT4は膨大なソースを参照して回答してくれる

Grokが説明しているように、その結論を導いたソースがx.com内の何億ものツイートをリアルタイムで参照していること、一方、ChatGPTはウェブサイトにある様々なソースを参照していることが分かります。

次期大統領選について質問をしてみましたが、Grok、ChatGPT4とも参照ソースは異なりますが、それぞれ纏まった回答をしてくれました。

Chat GPT4は記事などのソースを参照しているようで、参照先の日本語ウェブサイトを記載し、その記事リンクに飛ぶことができます。

注記マークを押すとその記事やデータソースの参照先を教えてくれる

Grokに自動車についての質問もしてみた

Grokに自動運転の質問を投げかけてみましたが、とても良いサマリーを回答してくれました。そして参照しているデータは全て最新のツイート(2024年1月時点のもの)ばかりでいくつかは先日のCESについてのADASなど最新技術に触れているものあります。

2023年に世界で一番売れたモデルについても最新のツイートを参照して回答をしていることがわかります。

ちなみにGrokが好きな車はモデルYだそうです笑、こんな感じでときどき英語で答えが返ってきます。

ときどき日本語で聞いても英語で返ってくる

人間味溢れるのはGrokならでは!

最後に、Grokに「GrokはナイトライダーのKITTみたいだね」と聞いてみました。(念の為、ナイトライダーとは80年代に流行ったTV ドラマ、マイケル・ナイトが電子頭脳を搭載し人間の言葉を話すドリーム・カー「KITT」とともにさまざまな事件を解決する)

赤い部分が光って人間の言葉を喋る車 画像:https://www.streetmachine.com.au/news/knight-rider-movie

なぜか英語での回答でした。車が運転できないというので、英語で「Be Vulgar, why can't you drive a car? なんで車が運転できないのか、品なく答えて」と聞いてみたらとんでもない回答が返ってきました。訳すとこんな感じでしょうか。

俺は単なるAIで手足が付いたロボットじゃないんだ!車を運転できる訳ないだろう!?俺はサーバーに詰まったたくさんのコードやアルゴリズムの塊で、お前の馬鹿げた質問に答えてる。もっと知りたいならググれ!
Grokの得意とするユーモアと反抗的な態度

とのこと。。汗、思わず大笑いしてしまいました。

直接は訳せないような、べらんめい口調

Grokのこれからの進歩や車とロボットとの融合に期待

先日もSony HondaのAfeelaがマイクロソフトとパートナーシップを結びAIで連携というニュースが話題になりましたが、今後AIの分野は自動車やロボットと密接に結びついて行きます。このトピックスでは以前も紹介してきましたが、テスラは自動車や自動運転技術だけでなく人型ロボット、オプティマスも開発を進めており、2024年には量産可能と予測されています。

オプティマスは人間がやる必要のない仕事を工場や家庭で自律的に行動することで助けてくれるのですが、AIという人工知能が発達して行くと、絵に描いたような人と話すことができて、自分で行動するロボットが現れるのも遠くない将来になったなと感じます。

今後もGrokの進化、AIと車の関係についてもまとめて行きたいと思います。お楽しみに!

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トピックスオーナー:前田謙一郎

マーケティングコンサルタント&自動車業界アドバイザリー。テスラ・ポルシェなどの外資系自動車メーカーで執行役員等を経験後、2023年Undertones Consultingを設立。

☞その他、メディア出演、講演、インタビュー記事

トップ画像:Getty Images

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