自己紹介~WAmazing誕生からコロナ直撃、そして現在~

2023年7月18日
全体に公開


こんにちは!第1回目のトピックスで、どんなノリで書けばいいのかしら?と思いつつ、まずは自己紹介から。

私は、7年前に、WAmazing(わめいじんぐ)というインバウンド・スタートアップを起業しました。心強い仲間に支えられ、いろいろポンコツなところはあれど、DAY1から、ここまで創業者兼代表をやらせていただいております、加藤史子と申します。

元リクルート じゃらんリサーチセンターのメンバーが集まり、5名で共同創業したのが2016年7月1日。

その5名は、今も退職せずWAmazingの中核人材です。私も含めて5名とも観光市場の知識や事業開発の経験は豊富なビジネスパーソンでしたが、「経営」に関する経験はみんなゼロ。そのため、共同創業メンバーは、言い出しっぺの私、加藤史子だけがCEOをやり、今も、中核社員として事業開発やプロダクト開発を牽引します。

2017年2月にはサービス開始し、2017年夏には第1回目の外部資金調達(シリーズA)を行います。
そうして採用も加速していきました。

経営ボードには、後から、CFO、CTO、COOに、参画いただきました。

第2回目の外部資金調達(シリーズB)では、各地方空港の民営化に積極的に挙手していた「東急」さんにリード投資家といて仲間に入っていただきました。

そうして組織らしきところが出来たところで、あの!コロナ禍が来たのです。

インバウンド旅行者数は過去最高から過去最低へ

いやー、すごかったですね。2020年からのコロナ禍は…。実際の数値を見てみましょう。

出典:JNTO「訪日外国人消費動向調査」より弊社作成

コロナ禍前の2019年、日本は「過去最高の3188万人」の外国人旅行者でした。日本が国として、正式に「日本に入国する外国人の統計」を取り始めたのは1964年でした。1964年といえば、「第1回 東京オリンピック」の年です。

さすがに私もまだ生まれておりません。テレビも白黒です。インターネットもありません。

1945年に第二次世界大戦が終戦を迎えていますから、そこから20年弱にて力強く復興し経済成長をした日本を世界に見せるという意義深い大会だったと思います。当然、外国からのお客様を多くお迎えしたと思います。

そんな1964年に訪日外国人の統計が始まったわけです。それ以来の「過去最高」3188万人の「過去最低」24万人へ。

WAmazingが、まず、香港と台湾をターゲット地域にサービス開始したのが2017年ですから、本当にドラマティックなスタートアップ人生を味わえております。

ただ、私は前職のリクルートで、じゃらん(国内旅行市場)のお隣にABROAD(エイビーロード)という海外旅行市場の部署があり、かつても、MARSやSARS、鳥インフルエンザなどの感染症の影響を受けているのを見てはおりました。

…しかし、新型コロナは「完全に別格」だったのです。それを示すために世界の国々にとってのインバウンド旅行者がコロナ禍中、どうだったのか?を見てみましょう。

世界の国際旅客はコロナ禍でどうだったのか?

以下は、国連世界観光機関(UNWTO)が2010年に、発表したデータです。
International tourist arrivals receivedですので、世界の各国・地域にとって受け入れたインバウンド旅行者の合計がグラフ化されています。

※世界には、日本のように海に囲まれた島国より陸続きの国・地域のほうが多いので、海外旅行者とは言わず、「国境を越える旅行者」のことを国際旅客(international tourist)というのが一般的です。

国連世界観光機関発表(2010年)データ

データは、1950年から2010年までが実際(Actual)のデータ、2010年から2030年までが予測(Forecasts)のデータになっています。

1950年といえば第二次世界大戦後まだ5年ですから、日本はインバウンド旅行者を受け入れる余裕などありません。国民一丸となって戦後からの復興をしている最中です。そのため、インバウンド旅行者の着地数では、戦勝国でもあるヨーロッパ(水色)とアメリカ(赤色)が牽引し増えていきます。

しかし、日本が経済成長し先進国の仲間入りする頃から徐々にアジア太平洋地域(黄色)のインバウンド旅行者着地数も増えていきます。

そして、2010年から2030年の予測でもっともインバウンド旅行者数が増加すると予測されていたのはアジア太平洋地域(黄色)であり、その中心的存在が日本でした。

コロナ直撃の2020年には14億人の国際旅客が予測されていましたが、実際には、1年前倒しの2019年にて7000万人さらに上回る14.7億人が世界を旅していたのです。

そして2020年、世界をコロナ禍が襲いました。

国連世界観光機関発表(2010年)データ

なんと、14.7億人(2019年)が4億人(2020年)まで減少したのです。一気に、30年分、過去に戻り1990年当時の水準になりました。

実際(Actual)のデータでみても、1950年から2010年まで、でこぼこはあるものの、一貫して国際旅客は増え続けてきていたので、いかにコロナ禍が与えた影響が大きいか、わかっていただけるかと思います。

しかし、このグラフを見て、ではコロナ禍が明けたときに国際旅客数が右肩下がりの傾向になるとは思いにくくないでしょうか?

順当に考えればコロナ禍が明けたら、2030年の1.8bn(ビリオン)つまり、18億人が世界を旅する状態へと急激にリバウンドしていくと予測できるかと思います。

結局、日本のインバウンド鎖国は947日に及びましたが、このグラフはWAmazingの社員たちを励ますのにも、自分を励ますのにも、そして出資検討してくださる株主候補を励ますためにも大活躍でした。

今、2023年最新状況はどうなっているか?

2022年10月11日から、待ちに待った個人手配インバウンド旅行者も日本に入国できるようになりました。業界では、FIT(Free Individual Traveler)と呼ばれる旅行者で、団体ではなく、個人でインターネットを駆使して航空券や宿を手配して旅行をする人々のことです。2019年時点で全体(3188万人)の8割近くが、個人旅行者でした。

以来、順調に回復をしており、現在最新情報では2023年5月度の速報が出ているのですが、全世界では約7割まで回復しています。

(以下、グレーの破線の部分が全世界)

日本政府観光局(JNTO)発表データを元に弊社作成

そして実は「消費額」では9割回復しています。

2019年に最も来ていた中国(2019年には、3188万人の3割を占め、959万人が来訪)が、まだ2割弱の回復の中でも、消費額は既に9割回復ということで、岸田首相も述べていた「インバウンド旅行者による国内旅行消費 5兆円超を目指す」は早々に…おそらく2023年中に達成されるのではと、私は考えています。

はい、長くなってきましたので、第1回目の本日は、ここまでとさせていただきます。

今後、単なる旅行者ではなく、単にホテルやテーマパークが儲かるのではなく、このインバウンド旅行者という新しい市場について、もっと詳しくお伝えしていきます!

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