大谷翔平選手の「目標達成シート」から考える目標の達成方法
随分と久しぶりの投稿となってしまいました。
「毎週水曜日に更新します!」と意気込んで始めたこのトピックス。1週更新が滞ってしまうと気持ちが折れ、「また来週更新しよう・・・」と思いつつ日々が過ぎ去っていました。
自分のことを棚に上げるわけではありませんが、私と同じような経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ダイエットを始めて節制していたのに、一度食欲に負けると、その後の食生活が乱れて目標が達成できなかった・・・TOEICの目標点を立てたのに、目標に向けてモチベーションが保てない・・・
私たちは目標を定め、その目標に向かって努力をしようとします。しかし、ゴールを達成するまでには、様々な困難が立ちはだかり、挫折をしてしまう人もいます。
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一方で、目標に向かってひたむきに努力を積み重ねられる方もいらっしゃいます。
その代表例が、ロサンゼルス・ドジャースに所属している大谷翔平選手。大谷翔平選手が少年時代、プロ野球選手になるために、目標達成シートを作成していたことは、非常に有名です。
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大谷選手は、8球団からドラフト1位指名されるために、「体づくり」「コントロール」「キレ」「メンタル」「スピード」「人間性」「運」「変化球」の8つの観点を軸に、それぞれ細かい目標を定めています。
実際に、大谷選手はプロ野球選手になって大活躍した後、メジャーリーグでも打者・投手としてハイレベルな成績を残しています。
では、大谷選手と同じように目標を立てることで、私たちもゴールに到達しやすくなるのでしょうか?それとも、大谷選手だからこそ、ゴールを達成できたのでしょうか?
目標に関する科学
インターネットを見ていると、目標の立て方には様々な説があることが分かります。
例えば、皆さんは目標を立てる際、達成するのが難しそうな目標と、達成するのが簡単そうな目標のどちらを設定するでしょうか?
実は、目標設定に関する学術研究は数多く発表されており、かなり以前から盛んに研究が発表されています。当然のことながら、上記のような問についても、数多くの研究が発表されてきました。
例えばある研究では、達成するのが困難な高い目標を設定した方が、達成するのが簡単そうな低い目標を設定よりも、人のモチベーションが上がるという成果が発表されています(※2)。
一方で近年では、必ずしも高い目標設定が効果的ではないという実証分析も発表されています。
例えば、WelshとOrdóñezが2014年に発表した論文では、アメリカの大学生を対象にし、目標設定の長期的な効果を分析しています(※3)。
この研究では、高い目標を連続して設定する場合、低い目標やあいまいな目標(例えば、Do Your Best!といったような目標)と比較し、人の消耗度が高いことを明らかにしています。
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すなわち、高い目標を設定によって、必ずしも人のモチベーションが上がり続けるとは限らないと言えます。むしろ高すぎる目標設定では、長期的に消耗してしまい、目標から遠ざかる可能性すら考えられるわけです。
実際に、大谷翔平選手の目標設定シートを見てみると、(少なくとも大谷選手にとっては)高すぎる目標と言える項目はそれほど多くないかと思います。全項目において、具体的な目標設定もあれば、抽象的な目標設定もあり、モチベーションが保ちやすい目標を設定していることが分かります。
目標を立てる際は、その目標に向かってもっともモチベーションが高いタイミングだと思います。そこでつい高すぎる目標ばかりを設定してしまいがちですが、あえて低く曖昧なことも取り入れることで、成功に繋がりやすくなるかもしれません。
昨年はかなり更新を怠ってしまった私自身、「今年は昨年よりも頑張ってトピックスを更新する」という目標設定の下、頑張って参りたいと思います(※4)。
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※1: スポニチ「花巻東時代に大谷が立てた目標シート」(https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/02/02/gazo/G20130202005109500.html)
※2: Locke, E. A., & Latham, G. P. (2006). New directions in goal-setting theory. Current directions in psychological science, 15(5), 265-268.
※3: Welsh, D. T., & Ordóñez, L. D. (2014). The dark side of consecutive high performance goals: Linking goal setting, depletion, and unethical behavior. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 123(2), 79-89.
※4: 理想は「週1更新を目指して頑張ります!」と言いたいところなのですが、あえて曖昧な目標設定をしておきたいと思います。
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