【文系でも大丈夫】マーケティング×データ分析を学ぶロードマップPart2
この記事はPart1の続きです。
Part2では、Part1の内容を踏まえ、データが手に入った際、どういった分析をやっていけばいいのか?という点について解説します。
また、実際にデータを活用して業績改善に繋げた事例も紹介します。
データのイメージ
まずはPOSデータのイメージを見ていきましょう。
Part1の記事において、レシートに記載されている情報(①場所②時間③買った物④金額⑤支払い方法⑥購入者)を、企業側も収集しているといったことを紹介しました。
では、具体的なデータは、どういった形式になっているのでしょうか?
今回は、スーパーマーケットのデータをイメージして、架空のデータセットを作成してみました(下図参照)。
このデータには、「ID」「日付」「商品名」「ブランド」「金額」「性別」「年齢」という7つの項目が記載されています。
各項目は、以下のような意味になっています。
ID:個人を識別するための番号です。名前の代わりというイメージです。
日付:購買した日付になります。
商品名:購買した商品の名前です(※1)。
ブランド:商品を販売している企業名です(※1)。
金額:商品の金額です。
加えて、性別と年齢も記載されています。
例えば、ID1番の方は20代の男性であり、2024/3/1と2024/3/10に来店しています。3/1に来店した際には、伊藤園のお茶(100円)とお弁当(500円)を購買しています。また、3/10には、100円のお菓子を購入しています。
このデータから何が分かるのか
上のデータはとても小さいデータですが、意外と多くのことが分かります。
例えば、この店舗に訪れた男性は3人であり、女性が1人であること。年齢層としては、20代~40代であること。来店回数はID1番と2番の人が2回であり、3番と4番の人は1回しか着ていないこと(※2)。ID3番の人がもっとも大きな金額を支払っていること。お茶とお弁当はセットで買われやすいこと。他にも色々なことがわかるでしょう。
もしかすると、今回のデータでは、わざわざ統計ソフトを用いなくても、手計算で様々な分析をおこなえるかもしれません。
ただし、実際のデータでは、エクセルには収まらないデータの規模(言い換えれば、100万行以上のデータ)になることもあるため、統計ソフトを用いた方がいいでしょう。
どんな分析ができるのか
次に、データを得た時に、どんな分析ができるかを考えていきます。
簡単なところでいうと、男女別・年齢別の売上金額を求め、グラフを描写すると、何か新しいことが分かるかもしれません。
他にも、たくさんお金を使ってくれるお客さんとそうでないお客さんの特徴を抽出できると、(潜在的な)優良顧客を分類することができます。
また、一緒の購買される製品のパターン(今回の例では、お茶とお弁当が一緒に買われるパターンが多いことが分かります)を識別できると、製品の配置や入荷に役立つでしょう。
他にも様々な分析手法がありますが、とりあえずRを体験してみたい!という方には、下記のサイトが分かりやすくてオススメです。
データを使った事例
最後に、データを使って収益を向上させた事例をいくつか紹介します。
データ分析を経営に用いて成功した最も有名な事例の一つとして、ワークマンが挙げられます。
ワークマンは、社員全員がエクセルを用いたデータ分析を習得し、それを経営に活かす「エクセル経営」を進めた結果、近年大きく売り上げを伸ばしました(※3)。
なんと最近では、高度な分析をしていく中で、Pythonの学習も進めているそうです(※4)。
また、三越伊勢丹ホールディングスも、データ分析を進めて成功した企業の一つです。
実は三越伊勢丹は、コロナ後に業績を急回復しており、伊勢丹新宿店に限ってはバブル期よりも高い売上高となりました。
この成功の要因の一つとして、自社カードを使った顧客のデータ収集です。データを収集することで、三越伊勢丹にとって収益性の高い顧客に効率的にアプローチができるようになりました(※5, ※6)。
まとめ
ここまで、Part1とPart2の2つに分けて、データ分析の簡単なイメージ、成功事例などを紹介してきました。
意外とハードルは高くないので、データ分析を用いた経営・マーケティングに興味を持っていただければ嬉しく思います。
※1:実際のデータでは、もっと詳細な商品名が入力されていることが多いです。また、お弁当はスーパーが作成したもので、ブランドを記載していません
※2:同一日付であれば、1回の買い物としてカウントしています。実際のデータでは、時刻も確認する方がベターかと思います。
※3:酒井大輔. (2020). ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ 2 倍売れたのか. 日経BP.
※4:ワークマン「Excel経営」が超進化!次のデータ分析ツールに選んだのは?
※5:売上高バブル期超え!三越伊勢丹V字回復の戦略とは【Bizスクエア】
※6:こうした収益性に基づいた顧客の分類について、論文を書いたことがあります。この論文では、過去(これまでいくら使ってくれたか)だけでなく、未来(これからいくら使ってくれそうか)も考慮しています。
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