「フィガロの結婚」鑑賞で思うビジネスパーソンへの3つのメリット
びわ湖ホールでモーツァルト作「フィガロの結婚」を見ました。
フィガロの結婚の当日、花嫁のスザンナに言い寄る伯爵。その伯爵を懲らしめようとして、フィガロやスザンナ、伯爵夫人が画策して、伯爵をだまして…。
フランス革命の数年前にできた、領民が領主を笑いものにするオペラは、当時としては斬新なものでした。アートは、時代の先を読む好例ですね。
オーストリア・ザルツブルグ出身のモーツァルトですが、このオペラはイタリア語です。「ドン・ジョバンニ」も然りですが、当時のオペラ界におけるイタリア語の影響力は卓越していたのです。モーツァルトは、「魔笛」になって初めてドイツ語でオペラを作ります。
「フィガロの結婚」を見て、ビジネスパーソンとして、改めて以下の点が参考になると思いました。
第一に、オペラをはじめとしたアートはその時代のトレンドを読むということ。
フランス革命の足音が聞こえていたとはいえ、まだ実現していません。領民が貴族である伯爵を茶化すと言った行為はご法度でした。しかし、徐々に聞こえる貴族社会の崩壊の音。モーツァルトはそのような社会の音をとらえてオペラを作成したのです。そのため当初は貴族からは警戒され、上演は難しいものがあったのです。
第二に、深刻なテーマもアートの形であれば伝えられること。
領主の初夜権と言った言葉が何度も出てきます。領主は領民の花嫁の初夜を共に過ごすことができる権利と言う意味です。普通の会話で聞いたら目をそむけたくなります。しかし、オペラとして、アートとして演じられると気持ちが入ってくるのです。社会のタブーについて扱うことができるのもアートならではです。
第三に、オペラは、没入感で感情に強く訴えること。
オペラは、歌と演奏がセットです。台詞の印象が強くの残るのです。フィガロとその花嫁の視点からの喜怒哀楽に没入して、あたかも18世紀のイタリアにタイムスリップしたようになります。オペラに限らず、アートは没入感をもたらしてくれるので、より臨場感を持って理解が深まります。没入感は、新らしい世界を体感でき、新たな視点にも繋がるのです。
是非ともビジネスパーソンもオペラを見て、ビジネスの次のトレンドや発想の転換を考えるきっかけにしてもらえればと思いました。
※写真は、Unsplashから取得。
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