蔵書検索の未来:AIで図書館の本が探せる日
ChatGPTの登場で、簡単に調べ物ができる時代になりました。図書館にある蔵書検索(OPAC)はいまのところキーワード検索が多いですが、AIが資料探しのアシストをしてくれる日も、そう遠くはないかもしれません。
今回の記事は、AIがアシストしてくれる蔵書検索のデモ版である、「カーリル高校の蔵書検索 with AI」をご紹介します。
AIは蔵書検索をどうアシストするのか?
「カーリルの高校の蔵書検索 with AI」は、ChatGPTを利用した蔵書検索システムです。画面右下にAIとチャットの欄(「チャットする」)があり、蔵書を検索できます。
「カーリルの高校の蔵書検索 with AI」の仕組みは、カーリルのブログの図がわかりやすいです。
実際に利用してみると、右下のチャット欄に打ち込んだ文章の中からキーワードを抽出し、蔵書を検索するシステムのようです。
AIは実際に蔵書検索をアシストできるのか?
実際に試した結果として、現時点では、使い物になりません。資料を探すときの相談役としては、明らかに力不足です。少なくとも、司書を代替できるレベルには達していません。
蔵書を探す質問として、このような問いをAIに投げかけてみました。
ワトソンが初めてホームズと出会った話が書いてある本を探しています。
こちらとしては、コナン・ドイルの『緋色の研究』が検索結果に現れることを期待していたのですが、検索結果の上位にあるのは、二重らせんのワトソンに関する本ばかりでした。
気を取り直して、AIの勧めに従い、「ホームズ」×「初登場」で検索すると、次のような回答をします。
ホームズというキーワードで検索すると、シャーロック・ホームズの初登場作品である『スカーレット・レター』が見つかります。
追加質問(「『スカーレット・レター』は、別の作家の作品ではありませんか?」)という質問に対しても、誤答が返ってきます。
スカーレット・レターはナサニエル・ホーソーンが書いた小説です。他の作家の作品ではありません。
結局、ホームズというキーワードを対話から抽出して検索をしてくれますが、現段階のAIでは、検索のアシストどころか、利用者を誤った方向に導いてしまう可能性があることがわかりました。
AIで蔵書検索できる未来
現時点では、ChatGPTによる蔵書検索のアシストは難しいようです。
しかし、カーリルのAIアシスト蔵書検索システムはデモ段階です。改良を重ねれば、対話を通しながら本を探せる日がいずれ来るのではないかと思います。
本の内容やあらすじを大量に学習すれば、AIで検索できるようになる可能性は十分あります。
キーワードを考えなくても、話すようにチャット欄に入力するだけで、読みたい本が探せるようになるのは、そう遠くない未来なのかもしれません。
トップ画像:Adobe StockのSutthiphongが作成
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