自己紹介をもっとクリエイティブにする遊び、「名前川柳」とは?

2023年7月19日
全体に公開

皆さん、こんにちは! 

突然ですが、みなさんは”自分の名前”について語るとき、どのように普段は語ることが多いですか?

名前の由来や意味、漢字、呼ばれたいニックネームなど、名前の話だけでも、いろんな角度で自分について紹介することができますよね。

しかしビジネスの場面で名刺を交換するときは、お互いの名前の由来よりも、所属している部署や担っている役職、仕事の内容の方が中心になってしまうことも多いのではないでしょうか? その意味で、自分の名前を語る時にも周囲からの期待を背負っていると感じる方もいるでしょう。

オリンピックの銅メダリストで、現在はビジネスパーソンやスポーツマンを対象に30年以上にわたり、50万人以上を対象に講演を行なっているデンマーク出身のアルネ・ニールソン氏は、こちらの記事(デンマーク語)の中で以下のように語っています。

パフォーマンスや結果、コントロールが重視される現代には、遊びが重要です。遊びは社内の創造性と革新性を高めるのに役立ち、その結果、最終的には収益が向上し、従業員同士の関係も強化されるのです。
アルネ・ニールソン

職場環境で “遊ぶ”ことは可能なのでしょうか。そのためにはどんな遊びが考えられるのでしょうか?私たち株式会社レアでは、北欧の遊び心溢れる働き方、プレイフルワークからヒントを得て、日本に合う形で遊びを取り入れた様々なワークを実践しています。

今回は、私たちが様々な研修やワークショップなどでよく実践している、「名前川柳」という遊びのワークをご紹介したいと思います!

名前川柳とは?

まず川柳とは、和歌にルーツを持つ5・7・5で読む文芸です。俳句は自然からの心象を表現し詠むのに対して、川柳は人間の営みを表現し詠むという特徴があります。川柳で使う言葉は口語体で、俳句で必要な「季語(春夏秋冬を表す言葉)」や「切れ字(けり、かな、など言葉を強める表現)」は川柳に必要はありません。

「名前川柳」とは、川柳の特徴の一部(人間の営みを表現する)を活かしながら、名前を使って自由に自分について語り共有するための“遊び“です。普段語り慣れている自分の名前を違う視点で見つめることにより、クリエイティブな自己紹介を促します。

名前川柳は、職場のメンバーや初対面の人とアイスブレークやチームビルディングの一環として実践することで、普段知らなかったお互いの側面を知り、相互理解を深めることができます。お互いのことを知っている間柄でも、もう少し深掘りして知りたい時や凝り固まった頭を解したいときにも効果的です。

名前川柳の実際のやり方ですが、必要なのは、1枚の紙とペンのみ。まず白紙の左側に縦書きで名前の頭文字を書きます。名前は、旧姓、ビジネスネーム、アルファベットなど、ご自身の好きな名前を選んでください。書き終えたら、自分の好きなものやこと、大切にしている価値観や、自分を表すこと、理想としていることを自由に想像し、頭文字に沿って書いていきます。名前の頭文字をとって詠むため、5・7・5にとらわれずに、自由に自分を表す言葉を想像し言葉にしていきます。

例えば、私の場合、ビジネスの場面では旧姓を使っているので、大本綾(おおもとあや)の名前を使って、以下のような自己紹介をします。

実は名前川柳を2年前に実践した時は以下のように自分のことを表現していました。このように、自分も周囲の関係性や環境と共に日々変化し、好きなことも、時間の過ごし方も変わる中で、名前川柳は変化の中の自分を捉え、表現する練習にもなります。

完成したら、一人3分程度の時間を使い、グループ内でそれぞれが名前川柳を詠み共有し合います。実際に、私たちが主催するワークショップでも名前川柳を体験した人からは以下のような感想をいただきました。

自己紹介というと肩書き、趣味など鉄板のネタばかりですが、名前川柳だと文字に縛りがあるので何とか自分を表す内容を考えようとして、いつもの自己紹介だったら出てこないような内容が飛び出してくるのが面白かったです

Photo: Unsplash

また、ワークショップに参加されたほとんどの参加者のかたから、名前川柳は“初めて会う方とのアイスブレイク、職場で知っているようで知らない人たちとのコミュニケーション(距離を近づけるきっかけになると思います)、全く新しいアイディア・企画を発想する前に有効“というコメントをいただきました。

中には、名前川柳は“お正月や夏休みに、敢えて名前をしっている関係性のおじいちゃん・おばあちゃん・自分・自分の子供たちも交えて、改めて名前に込められた想いや、今の自分の価値観や考えを、遊びを通して共有し合うのにも有効”といったアイディアを共有して下さった方もいました。今年の夏に帰省して家族や親戚と過ごす予定がある方は、トライしてみるのもいいかもしれませんね!

自己紹介の「質」を高めるための自己内省とは

ここまで読んでいただき、“名前川柳の内容ややる意味は分かったけれど、実際に書こうとするとなかなかアイディアが浮かばない・・・”という方がいらっしゃれば、最後にオススメしたいのは、毎日の自己内省を習慣化することです。

Photo: Unsplash

例えばその日起きた出来事から、1日を振り返り、そこで感じたことや気づきを言葉や絵を使って表現することで、感性が磨かれ、自分を表現する時のクリエイティビティがぐんと増します。以下の問いの答えは、1日の終わりにノートに手書きで書くことをお勧めしていますが、時間のない時は携帯にメモをするのでも大丈夫です。大事なのは、習慣化することです。

1)今日のあなたの気分を表情で表すと?(以下の絵文字なども参考にしながら、今日の気分を表す表情を選んで、描いてみましょう)

Photo: GettyImages

2)今日という日を一言で表すと?

もし言葉が思い浮かばない時は、以下の感情の表現なども参考にしながら言葉にしてみましょう。

Source: Susan David

3)1)の表情と2)の一言を選んだ理由は?

4)あなたの“善い状態”について、気づいたことはどんなことですか?あなたが今日、影響を受けたことばや人、コトがあれば書いてみましょう。

1日の終わりにこれらの問いの答えを書き続けたノートやメモが、皆さんにとって、自分がどんな時に心が動かされるのか、自分自身はどんな人間なのかといった、新たな気づきや視点に溢れたものに変わることを願っています。

今回のトピックスは、前回お知らせした通り、現実の構造、特に自分自身や他者について、遊びを通して捉えなおすためのワークについてご紹介しました。次回は、未来の可能性を探求するための“遊びの言い訳”の概念について実践例と共にご紹介します。最後になりましたが、みなさんだったら、自分の名前を使って、どんな自己紹介をしたいですか?コメント欄で教えていただけたら嬉しいです!

応援ありがとうございます!
いいねして著者を応援してみませんか



このトピックスについて
津覇 ゆういさん、他1405人がフォローしています