毎年6月30日は、50%の日

2023年6月29日
全体に公開

毎年、1月17日は「5%の日」、2月4日は「10%の日」で、11月23日は「残10%の日」です。そして、明日、6月30日は「50%の日」だったりします。

このスーパーの特売日のような「〇%の日」とは何のことなのかというと、「1年365日を100%として換算すると、▲月△日は年初から数えて〇%消化済みに相当する」ということを伝えています。

つまり、6月30日は「50%の日」なので、2023年の年初に立てた目標があるとしたら、6月30日は「目標は半ば達成しているはずの日」ということになります。

果たして、みなさん、そうなっているでしょうか?

ちなみに、昨年の11月23日には「残10%の日」を投稿しました。

このときは、守屋の個人の目標を題材にしながら、「個人の目標管理」について書かせてもらいましたので、今回は「法人の目標管理」について、書いてみたいと思います。

法人の目標は、年初、お正月に立てるというよりは、その会計年度に合わせて、各社が期末に来期目標を設定するということが多いのではないでしょうか。例えば、2倍成長、V字回復、危機回避の非常事態宣言など各社の状況に合わせてその内容も多様だと思います。

それぞれの目標には、それぞれの背景や事情があるだろうし、考え抜いて作成した目標なので、どれも正しいのだろうし、意見はないです。ただ、どんな目標であったとしても、共通して大事とすべき3つの点があるとは思っています。

①そもそも会社は何を目指しているのか肚落ちしていること

「なぜ、その目標なのか?」を参画者それぞれが肚落ちさせることは、当然に大切です。ただし、当たり前に大事で基本的なこの徹底は、じつは、かなり難しかったりします

たとえば、自動車会社に入社し工場に配属され、タイヤを装着するという役割が自分の仕事になると、タイヤを装着することが目標となり評価のポイントとなっていきます。それ自体は正しい役割分担、目標管理だと思うのですが、そうした時間帯を長く過ごしているうちに、会社の大きく長期な目標と、自分の日々の業務を紐づけることが希薄になってしまうのではないでしょうか?

また、「あなたの仕事は何ですか?」という問いに対する答えが、「車にタイヤを装着することです」である人と、「快適な移動をお届けしています」では、同じ仕事をしながらも、まったく違う景色を観てしまっていると言えます。

②目標が顧客価値につながっていること

良い目標は、顧客の価値につながっています。目標の主語が顧客となっていて、顧客価値の向上と、自社の売上利益が連動しているのです。

一方、悪い目標は、自社の都合にしか繋がっていないスローガンの類です。「売上倍増」「打倒〇〇(競合)」といった自社が主語の目標なので、目標達成のために顧客価値を毀損させてしまう、という本末転倒な危険性さえ孕んでいます。

主語の違い」は、言葉の端々に現れたります。たとえば、経営上の分析で4Pという手法がよくとられますが、これはProduct(商品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)を検討する手法なので、企業が主語になっています。わかりやすくて便利な言葉なのですが、ただ一方で、目標に組み込んでいくときには、4Pを4C(Customer Value/顧客価値、Cost/顧客の時間・金銭など、Convenience/利便性、Communication/企業と顧客間のコミュニケーション)に変換する視点も必要だと思うのです。

「新商品を出す」のではなく、「顧客に新たな価値を提供する」、「値上げやコストダウン」ではなく「価値の向上とお客様の費用負担の低減」。もちろん、言葉遊びをしても仕方ないので、なんの想いを込めてその言葉を選んでいるのか、キチンと理解し行動にまで落とし込めていることが大事なのは言うまでもありません。

③計測できること

また、目標は計測できなければ意味がないと思っています。計測の何が重要かというと、それは、「自身の中で目標に対するマインドシェアが大きくなる」ということです。マインドシェアが上がれば、やり切ろうとする力が強まります。

たとえば、毎年6月30日が「50%の日」という考え方も「計測」です。この目安があることで「50%まで達成できているだろうか」と、自然と目標に向き合うようになるのです。だから、クオーターの目標ならば毎月毎週測れることが大事で、1ヶ月の目標ならば毎週毎日測れることが大事だったりするのです。

この計測のコツは、「シンプルに決めて、トコトンやり切る」です。まず、計測することを前提に目標を決めること。そうでないと、計測がしにくくて管理が甘くなってしまったりします。一方、精緻過ぎる計測も、管理のための管理になってしまったりして不適切です。大事なことは適切に振り返って次に何をするのかがわかること。そして何をするのかがわかったら、それを徹底的にやりきることです。「やり切ったもんに敵なし」なのに、「何が何でもやり切るっ!」という迫力とセットでないことで達成を自ら逃しているケースが多いです。「打ち手はガッツ」だったりすることをお忘れなく。

ということで、2023年も折り返し地点を迎え、いよいよ後半戦です。

せっかくの後半戦を、さっそく明日から、楽しんでいきましょー!

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