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2022年3月29日 公開

【論文不正の闇さらに】中国・フェイク論文で100人以上が処分

中国で「ニセ論文」を製造する業者・ペーパーミル(論文工場)の存在が明るみになり、多くの医療関係者らが処分されています。3月下旬、中国の国家衛生健康委員会と科学技術部は、20回目の論文不正の調査結果を公表。さらに100人以上が処分されたと現地メディアが報じています。背景には、中国の大学病院などで採用された「人事制度」が関係しているようで…

出演:片平知宏(NewsPicks編集部・記者)

▼さらに詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
https://newspicks.com/news/6875740(中国語)
https://newspicks.com/news/6609758(日本語)
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この問題は様々な複合的な問題をはらんでおり、このページ内では語り尽くせません。

研究者は世界的にみて一般的には教育成果(博士を何人育てたかや担当した講義・実験)、研究成果(論文の本数やインパクトファクター・h-index)、獲得予算(国家プロジェクト、産学連携や寄付)で評価されます。そもそもこれらは複合的に絡まっています。例えばこれまで積み上げた研究成果がないと予算申請をしても当然他者との競争で負けてしまいます。予算がないと研究費や論文出版費が出せません。一時期話題になりましたが、ネイチャーに仮に採択されたとしても掲載料が1件に付き120万円かかります(いまは円安なのでもっとするかも)。

大雑把に言うとインパクトファクターは掲載される論文誌の実力・注目度・難易度、h-indexは個人・組織の実力を測る指標です。これでいいじゃないかと思ってしまいがちですが、問題があります。例えばこの記事で指摘される論文不正の他にも、指標値が高い論文に投稿が過度に集中してしまったり、研究者がそれにしか出さなく(出せなく)なって視野が狭くなったり卒業や昇進が遅れたり。他にも、短期的に見ると、独自性の高い素晴らしい研究よりも、多くの人が参入する例えば画像認識などのコンテスト的になっている分野に入ったほうが引用されやすくなってしまうという問題もあります。そのため、日本でも文科省や各研究組織で評価のあり方について議論されています。

評価はどの分野・業態でもそうだと思うのですが難しいです。よくNPで「大学の先生の評価なんて学生に評価させればよい。面白くない講義をしている教員なんて駆逐されればよい。」とする議論も目にします。講義はエンタメと異なります。誰がやっても面白くできない数学や物理の難解な講義はいくらでもあります。単純に学生による評価だと、そのような基礎的な講義は必然的に評価が下がり、誰も担当したがらなくなります。


学術研究における評価の在り方について(報告)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/toushin/1247106.htm
中国の深刻な論文不正問題について、片平知宏記者による最新の解説です。頻発する背景には論文を書かないと昇進できない人事評価システムがあると分析されていますが、その対策も限定的ながら進みつつある模様。

ペーパーミルの実態やその影響についてはこちらの記事でも詳報しているので併せてお読みいただければ。
https://newspicks.com/news/6609758?ref=search&ref_q=%E8%AB%96%E6%96%87%E5%B7%A5%E5%A0%B4&ref_t=top
今日は中国のペーパーミル(論文工場)をめぐる不正で、さらに処分者がでたという話。20回目の報告で。100人以上が処分されてます。しかし、20回目の報告ってのもすごいな。

背景には、大学病院などで出世するための条件、人事制度が関係しているそうです。
なぜ、中国政府は問題ある医療機関の人事評価制度を全面的に改革せよと号令をかけられないのか。論文をたくさん書いて、科学力を誇示したいという国としてのメンツ問題も絡んでいるのではないでしょうか。

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